ナポレオン2野望篇 (集英社文芸単行本)ダウンロード
2020.10.07 17:36
ナポレオン2野望篇 (集英社文芸単行本)
10/08/2020 02:36:32, 本, 佐藤賢一
ナポレオン2野望篇 (集英社文芸単行本)ダウンロード
によって 佐藤賢一
4.2 5つ星のうち8 人の読者
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たった一人の男の野望が、ヨーロッパ全土を震撼させる。フランスの英雄から、ヨーロッパの覇者へ。歴史巨編、激動の第2巻! イタリア遠征でオーストリア軍との戦いに歴史的な勝利を収めたナポレオン。次に向かったのは、古代文明の地・エジプト。イギリスと、その植民地インドとの連絡を断つために、大軍を差し向けた。灼熱の砂漠を行軍し、華々しい勝利と手痛い敗北を繰り返す中で、彼は知る。イギリスやロシアをはじめとする諸外国が対フランス大同盟を結成し、フランス本国が危機に瀕していることを。――フランスを救えるのは、俺しかいない。急遽帰国したナポレオンはクー・デタで国を動かす権力を手に入れ、ついに1804年、34歳で初代フランス皇帝の地位に就く。そして、ヨーロッパ諸国との全面戦争に突入してゆくのだった。
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野望編はイタリア方面からの凱旋から、エジプト遠征、第一執政、第二次イタリア遠征、皇帝即位、アウッステリッツ・いわゆる三帝会戦での勝利以後まで。本作を読みながら、どうしても池田理代子の「皇帝ナポレオン」と倉田江美の「静粛に天才ただいま勉強中」と比べてしまう。漫画である両作品とも偉大なナポレオン・ボナパルドの人間くさい面を描いている。それでもどうしても客観性に流れる漫画に対して、本作品は小説ならではの主観描写の強みを徹底的に生かしてナポレオンの人間臭いしょうもない部分を描いている。ナポレオンが3時間しか寝ないで戦争に勝ちまくって様々な政治的業績を打ち立てたのは事実である。一方でカミさんに浮気されまくっていて、それが周知のこととされていたのもやはり事実だ。その上で本巻では有名な「4千年の歴史が…」を前にカミさんの浮気を知らされて近しい仲間内で口論となり「なんで教えてくれなかったんだ?」と怒るナポレオンに「そんなことは結婚前に皆で忠告しただろう。」と反論するプーリエンヌ。それに続くナポレオンの憎まれ口。ジョセフィーヌがもともとバラスの愛人であったが、バラスがタリアン夫人に乗り換えるに当たってジョセフィーヌをナポレオンに押し付けるという描写は前述の2作品にも出てきたが、史実や人間描写としての整合性を持ちつつここまで下世話にナポレオンの心情が描写された場面を初めて読んだ。この場面はある意味とても漫画的なので漫画でやったら漫画にしかならないし、実写でやったら嘘くさい。小説だからこそ可能な描写であったと感心してしまった。小説を読んでいて久しぶりに吹き出してしまった。その上で「4千年の歴史が…」の最中にもうじうじと考えているところが面白い。ジョセフィーヌとの心理的力動と自身の出世・成功の絡み合いが本巻を通じて描かれる。本巻の最後ではナポレオンはジョセフィーヌに情が移って別れがたくなっている。この辺の描写は前述の2作品ではあっさりしていたように記憶している。ジェンダー的な違いだろうか?ところで「プロイセン参謀本部」と比較して大陸軍がナポレオンの個人技に依存して組織プレーができなかったというような話をこれまで散々見聞きしてきたが、本作品で描かれるナポレオンもそういう「自分で一切を確かめないと気が済まない中小企業主の親父」みたいに描かれる。この点に限らず本作品ではナポレオンがどのような人物であったからあのような軌跡を描いたかが説得的に描かれている。この点も小説として想像力が跳躍するところの面白みである。野望編を読んでいると崩壊が成功に胚胎していることがよくわかる。転落編もいよいよ楽しみ。