【フリペと本】.DOCK 09
神戸デザインハブさんが制作をされているフリーペーパーをもらってきました。(2016年9月を以てサービスを終了されるそうです。残念...。)
いわゆるペーパーバックを髣髴とさせるような紙質と、無機質さを感じる表紙に惹かれたのですが、こちら、福岡市は千早にリニューアルオープンした「東図書館」に置いてありましたよっ。オシャレな空間の図書館、たまりませんなあ。
で。
このフリペ、なかなかに機知に富む内容だなあというのが第一印象でして。特に学校教育だったり、福祉の勉強をされてる方は(もちろんそうでない方もですが)楽しめるのではないかと勝手に思いました。わたしは知らないことばっかりでした。
メインとなる記事は、『学校をテーマにした日本と海外の比較』と言えるのかなあと。
たとえば。
この項目では、日本の学校では常識だと思われてることが、果たして他の国でも常識なのかということをインタビュー形式で検証しています。かわいらしいイラストが大きく使われていることもあり、全く読むのに苦ではありませんでした。
筆記用具一つにしても、なかなか面白くて。
オーストラリアでは授業でペンを使うのが当たり前だったり、ドイツだと万年筆を使ったりするんだそう。鉛筆と消しゴムって勉強にはもってこいだと思ってたけど案外違うのかあと。でも確かに受験の時は、間違えたところは消しゴムで消さずに赤ペンで訂正しなさいって言われてました。なんか暗記は青ペンを使うといいなんて話もありますしね。
他にも面白いなと思った項目が。"SCHOOL AND MIND- 学校と意識"というテーマで記事が展開されてるのですが、イラストがドカーンときてすぐ次のページではこんな質問が。
"Who is a person of authority?"「権威的な人物とは誰でしょうか?」
「権威」という言葉を聞いて浮かぶのは校長や生活指導の先生でしょうか。先生内でも偉そうだし、生徒に対しても偉そうだし。学校に限らずいうなら、何かの協会の会長とかがそんな感じがしますね。名誉会長とか何してるのかサッパリ分からんけど偉そう。おじいちゃんとかがそういうポストにいるイメージだからなおさら。
ここでは一つこんなことが書かれています。
『プライミング』というものです。"Priming"と書きます。変化形の"primary"は「小学校」という意味で"Primary school"と書いたりしますよねー。ここでは関係ないけど。
文中では、プライミングとは「人を何らかの刺激にさらすことにより、行動に影響を及ぼすこと」とあります。ちんぷんかんぷん。いや、そうでもないか。
具体的な例として、マイケル・ジャクソンの"Heal The World"やビートルズの"Help!"などの曲をかけると、自分のことを顧みずに誰かのために行動させることが可能だということが実験で証明されているそうで。他にも、女性に「女は数学に弱い」という固定観念を聞かせていると、数学の成績が悪くなったりするそうです。
バカな、と思う点もありますが確かに音楽を聴いててテンションが上がって行動しちゃうってことはありますね。最近、たまたまテレビでかかってたZardの"負けないで"を聴いて、なんかそわそわしちゃって部屋の掃除を始めたことがあります。え、それは違う?違わないよね?
このプライミング、種々の実験により効果は科学的に証明されてるみたいなのですが、あくまでそれは私的な環境だからということが挙げられています。どうしても公共スペース、学校などではそうもいきません。しかしながらそれでは、入った学校が自分に合うか合わないかは完全に運に左右されてしまうことになりかねません。
以上、
くぅぅぅぅ!勉強が足りねええええええ!!!!と改めて思わされたフリペでした。
はい。ってなわけで。
詳しくはぜひお手に取っていただいて直接読んでいただければなと。
↑こちらから.DOCKの概要等が見れます。ただし、.DOCK 09を以て最終号ということです(T_T)
これを読んでて思い浮かんだ本がですね、学校教育等とは関連するかは分かりませんが...
「空気」の研究/ 山本七平 -文春文庫
です。「空気」とはKY(空気読めない)というときに使うあの「空気」です。第二次大戦下における日本軍の行動、指令、新聞報道などがどんな経緯でおこなわれたのかを書いてたりします。今も昔も、上司の命令に従わないのはマズいのは変わりないんだなってのがこれを読むと感じますが、戦争でそれをやられると特攻隊のようなものが生まれてしまうという点で、研究の余地がある分野なんだなと感心してしまいました。
よく「あのときはそうせざるを得なかったんだ」というセリフをサスペンスドラマなどで聴いたりします。(現実でも言う機会があったりしますが) まさしくそれは「空気」がつくりだした産物であり、たちが悪いことに、そこを反省しようにも相手は空気なのでどうしようもできなかったりするんですねー。
それにしても最近KYって言葉聴かなくなりましたね。死語。
というわけで。
こんな感じでダラダラと失礼しました。次回をお楽しみにー。