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story68.お墓や菩提寺の話

2020.11.01 01:48

半年前に他界した母親の納骨のため、先日、京都の黒谷にある金戒光明寺というお寺の墓苑に行ってきました。金戒光明寺は黒谷さんと呼ばれていて、鎌倉時代に浄土宗最初の寺院として法然が開き、幕末には新選組の本陣として使われ、現在も会津藩の墓地や慰霊碑が残っている名所です。子供の頃からお墓参りと言えば、母親の実家にほど近い、黒谷さんに行っていました。母親の実家代々からのお墓と、母屋を建てた私の祖父からのお墓が隣同士であるのですが、特に疑問も持たず、結婚してからも毎年彼岸の時期には、お墓参りに行っています。ただ、お盆などの法事や葬儀などについては、善覚寺という大阪市内のお寺のお坊さんにお願いしていて、このように併用していることが少し不思議ではありました。

今回、母親の納骨を依頼するために、黒谷さんに電話をした際、また別の昌福寺という京都市内にあるお寺に供養など全てを依頼してくださいと言われました。確認をすると、金戒光明寺が総本山で、昌福寺が末寺ということで、昌福寺が黒谷のお墓を借りている状況であることが分かりました。昌福寺は母親の実家の菩提寺であり、母親の実家の葬儀などは、昌福寺→黒谷という流れができています。おそらく100年近く前に、母親の実家が、墓地を昌福寺から黒谷さんに移行する際に、我が家の方も昌福寺の紹介という形で、母親実家のお墓の隣に永井家のお墓を作り、今なお残っているということがようやく理解できました。生まれて50年以上経って、菩提寺や末寺、お墓の関係が、恥ずかしながらやっと分かったということです。

また、今回の納骨の際、仏壇から過去帳も出てきました。祖父である専三からの過去帳は以前にも見たことがあったのですが、今回それとは別の安永時代(1780年頃)からのものが出てきました。お墓は2代前ですが、過去帳は9代前からのものが残っていました。貴重なものとして、大切に保存したいと思います。

これまで、お墓やお寺、仏壇のことなどについて深く考えていませんでしたが、そろそろ自分自身のことも考えていかなくてはという年齢になってきました。私自身、この黒谷さんの墓に入る方が良いのかどうかなど、時間をかけて考えていくべき大切な問題だと思います。

Katsuji