～今日の一曲～ 第二回 ZARD 眠れない夜を抱いて
はしがき•予備知識
今回紹介するのはZARDの4thシングル眠れない夜を抱いて
1992年8月5日発売
タイアップはテレビ朝日系の深夜帯ワイドショー『トゥナイト』
ZARDの楽曲は案外タイアップであることが多いです。
知名度のあるマイフレンドはアニメ『スラムダンク』のエンディングとして起用されたことが最たる例ですかね。
マイフレンドといえばテレビ朝日系列で今年の9月6日に放送されたアニメソング総選挙にてスラムダンクのエンディング曲WANDSの世界が終わるまでは...の紹介で一瞬ですが触れられていました。
スラムダンクのエンディング曲はビーイング系アーティストの名曲の宝庫といっても過言ではないほどミリオンセラーを獲得した楽曲がほとんどです。
先ほど挙げたWANDSの世界が終わるまでは...や大黒摩季のあなただけ見つめてる等の現在でも親しまれている楽曲が起用されています。
この頃のビーイング系アーテイストはビーイングの意向からかテレビに滅多に出演していませんでした。
例を挙げるのならばZARDと同世代の大黒摩季
現在でこそテレビに出演されていますが売り出し当時はテレビにめったに出演せず本当は実在しないのではないか，ジャケット写真、歌い手、作詞は別人ではないのかという都市伝説が流れていたそうです。
ZARDもその例に漏れずテレビ出演は少なく中でも実際にテレビで歌唱したのは以下の7回のみです。
この少ない7回出演の中でも4回歌唱したのが今回紹介している眠れない夜を抱いてです。
youtubeにミュージックステーションに出演して眠れない夜を披露している場面を録画した動画が非公式ですが公開されていますので興味のある方はご覧ください。
聴いてみましたが一瞬声のかすれがありますがおおむねCD音源と遜色ない歌唱と感じました。
ZARDのボーカル坂井さんが鬼籍に入られて早いもので13年経ちます。
平均年齢21歳の若いメンバーで構成されておりZARDの名曲を現代風にカバーして精力的に活動しています。
私もSARDのメンバーと同世代です。
同世代のアーティストですので是非とも活躍していただきたいと思います。
今年の10月7日にSARDが好評だったZARDトリビュートアルバム第2弾の『ZARD tribute II』をリリースしました。
ジャケットはZARDのリクエストベストのジャケットを彷彿とさせます。
センターで歌っているのはSARDのボーカル神野友亜さん。
彼女が身に纏っている衣装はZARDがMステに出演した際の坂井さんの着ていた衣装をオマージュした物です。
曲のレビュー
導入が長くなりましたが曲本編の紹介をしたいと思います。
始まりはエレキギター、ベース、ドラムで壮大にスタートします。
その後キーボードが入るのですがこのキーボードがいい仕事をしており幻想的な雰囲気を演出しています。
アレンジはロックのような力強さとポップスがうまく融合しています。
ボーカルはどこかあどけなさを残しながらも透明感のある力強い歌声です。
男性的な力強さを持ちながらも女性的な歌詞上手い具合にまとまっています。
歌詞の中の一部に”もしもあの時出逢わなければ傷つけあうことを知らなかった"や
”まだ少女の頃のあどけない笑顔に戻って”といった子供時代を回顧する内容が含まれています。
ZARD名義の楽曲はほぼ坂井泉水が作詞していますがこの頃は大人の立場から子供時代を回顧するような歌詞が多いです。
例えば1992年リリースの3rdアルバムHOLD MEに収録されたアルバム曲
『遠い日のnostalgia』では”日暮れ時 よく二人で歩いたね”や
”あの時 もう少し勇気を出せば君を失わずにすんだかも It's too late”といった回想する歌詞が中心の曲です。
題名にnostalgiaが含まれていますので大方無視聴でも想像できますが...
ちなみにこの遠い日のnostalgia、先ほど挙げたアルバムHOLD MEの他に1999年発売のZARD BEST リクエストメモリアルにも収録されています。
ただ違うバージョンのものが収録されています。（ZARDの曲にはよくある話ですが）
HOLD MEではフルバージョンが収録されていますが
リクエストメモリアルでは最後に第一番のサビの繰り返しを編集でカットしたヴァージョンが収録されています。
終わりに
この眠れない夜を抱いては発表時期のトレンドを反映しつつ曲の世界観が素晴らしい隠れた名曲だと思います。
事実この曲からZARDの連続ミリオンセラーの記録が始まります。
この曲が醸し出すどこか儚い幻想的な世界観は現在のアーティストでは表現できないのではないかと考えている程です。
今のはテンポの速いストレートに表現される曲（YOASOBI『夜にかける』が好例ですね）がトレンドですがこの眠れない夜を抱いてのようなどこか奥ゆかしさがある曲が後々まで謳われる曲ではないかと考えています。
『眠れない夜を抱いて』について知っていただけたらのならば本望です。
ありがとうございました。