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あらためて、皮脳同根。

2020.11.02 06:00

こんにちは!


犬の食事療法インストラクター師範 necco舎の はなこ です。




改めまして

前回の投稿でたどり着けなかった、本題の『皮脳同根』。


もったいぶったわりには

ちゃんとまとめられるかちょい不安ですが

お付き合いくだされば嬉しいです。




脳と皮膚は出自が同じ、というのは

簡単な説明と一緒に友人から以前聞いたことがあって


へぇー、おもしろいな!と思っていました。


その後どこかで

「皮膚は脳を薄~~~く伸ばしたようなものである」

…というようなことも小耳に挟むに至って

さらに皮膚への関心が増していたのですが



雑事に紛れて(言い訳はいつもコレ><)

いつか調べようと思ったきり

なかなか自分で本を探したり、読んだりというところには

繋がりませんでした^^;



今回読んだのは、

前回ご紹介した『第三の脳』と、『賢い皮膚』。


『第三の脳』がおもしろかったので、

読み終わる前に、同じ著者の『賢い皮膚』を注文しておいたのでした。


著者は

傳田光洋さんという、天下の「資生堂」の研究職の方。


皮膚自身が考えている…というと語弊があるかもしれませんが

そんな風に言えるほど

皮膚は単に”表面=surface”ではない、ということです。





皮膚って単なる覆いとか保護膜みたいなイメージですが

実はもっともっと大事な”器官”らしいのです!



動物が受精すると受精卵が出来ますが

その受精卵は

成長する段階で次々に細胞分裂していきます。


最初に出来るのが外胚葉・中胚葉・内胚葉という三つの構造。



その外胚葉という部分が成長して、

(簡単に言えば)溝になったり、管になったり、膨れたり、へこんだりして


脳になり、脊髄になっていき(神経系)

さらに目、鼻、口、耳などの感覚器が形成されて(感覚系)

表面に残った部分がそのまま表皮になる。ー



つまり、脳と皮膚(脳神経系、感覚系、皮膚)は

同じ外胚葉から出来ているキョウダイみたいなものです。

*ちなみに
 中胚葉からは骨格・筋・循環系が、
 内胚葉からは、消化器や呼吸器などが出来るそうです。




従来、その皮膚で受け取った刺激は

末梢神経系の感覚神経に伝わることで脳に到達する

…というふうに(あってる??)考えられてきましたが

(つまり感じているのは脳です)



実は皮膚自身にもモノを感じているフシがあるんだそう。




シャーレの中の培養した皮膚に刺激を与えたとき

(神経で脳に繋がっていません)


一言ではとても言い難いので、超端折った説明ですが


皮膚の細胞から細胞へ

情報を伝達している様子がわかったというのです。



皮膚自体にセンサーがあり

色を識別している可能性さえあるという驚き!



紹介されている様々な実験とその検証から

皮膚には中枢神経と同じ情報処理のシステムがあるということが

わかってきたのだそうです。


皮膚は

免疫やホルモンの分泌や、神経系に影響を与える大事な感覚器官であり

「最大の臓器である」と筆者は言っています。



例えば

人間の脳は重さ1.4kg、

最大の臓器と言われる肝臓でも1.5kgなのに対して

皮膚は総重量が3kgもあること、



生きものは

肝臓、腎臓、胃などの多くの内臓は

半分がなくなっても(あるいは全部なくなっても)

生きていけるのに対して



皮膚はやけどなどでその1/3が損傷すれば

生き続けることができない…ということからも


皮膚は単なる膜ではなく

とても大事な器官であることがわかります。




脳のない生きものは存在しますが

広義の意味で皮膚のない生きものは存在しないそうです。


”いわゆる脳”がない生きものは

皮膚がその役割を担って生きています。


「食べよう」とか「明るい方へ行こう」とか

「逃げよう」とかそんなこんなを

皮膚を通して周りの状況を感じながら判断しているのです。




この本がおもしろかったのは

ちょうど、私がマッサージの勉強をしている最中に読んだから、というのも

多分にあるかもしれません。



私の学んだスウェーデン式ドッグマッサージは

単なるリラクゼーションのマッサージではなく


筋肉や骨について、

また筋肉に効果的にアプローチする具体的な手技について

かなり詳しく学びます。



健康な犬にも、

外科的な疾患を持つ犬にも

機能維持や回復が望めるような方法を


しつこくしつこく(笑)

もとい、かなり詳しく教えてくださいます。



先生ご自身が

ご自分の施術によって、

犬たちの四肢の機能が回復して元気になっている例を

たくさん体験されているのです。



受講中、

1年近く半身まひだった小型犬のシニアの女の子が

先生のたった1回の施術で後ろ足を動かして立ち上がったのを見ました。


その子は週ごとに進歩しています。



それは筋肉はもちろんのこと、

神経にもアプローチできたからこそではないかと思います。


マッサージだけでなく

鍼や灸、按摩按腹などの、いわゆる代替医療は


科学を重んじる西洋医学の畑の人たちからは

胡散臭いと捉えられがちでした。

(もちろん、ご自身で勉強して、あるいは体験して

 評価される研究者や医師もたくさんいると思いますが。)



効果があったとしても

それは単にリラクゼーションに過ぎない、と。



あるいはプラセボ効果、的な。




でも、

皮膚表面に鍼を刺したり、熱を加えたり、揉んだりすることが

筋肉のみならず、内臓の機能にも影響することが

科学的に証明されつつあるのですから


なんだか興奮してしまうではありませんか!



著者である傳田光洋さんも、

病院で処方される睡眠薬など全く効かないほど鬱が悪化していたのに

鍼灸院で受けた1回の施術で、

その夜から深い眠りを得ることができたという体験をされています。



こうして私が文章にすると

大雑把すぎてうまく伝わらないかもしれないので

ご興味がある方は、ぜひぜひ本を読んでください。





マッサージを含めた

皮膚への施術についての科学的な実験の記述もありました。



そのあたりについては

既にすごく長くなっているので次回にしようと思います^^;



悪しからず!!