鬼滅の刃無限列車編を映画館で見て呼吸が乱れたお話。後半はネタバレありの勉強にも活かしたい感想文
正直に言います。
鬼滅の刃との出会いは週刊少年ジャンプ本誌上でした。始まった頃は個人的にはそんなにパッとしていなくて、全然ハマりませんでした。
そのうち薦めてくる生徒がいて単行本へ。まだ完結前でしたね。ここで興味を持ち始める。でもまだ「妖怪モノなら『うしおととら』だよな〜」ぐらい思っていました。
最初に衝撃を受けたのは、完結したということ。引き延ばしに引き延ばされたドラゴンボールファンの僕としては、超人気コンテンツがこんなにあっさりと終わるなんてと、びっくりでした。それで「これはすげぇ」と更なる深みにハマる。
ハマりの最終段階は、アニメでした。これまた衝撃的。音と声と動きがつくと、やはり映えますね。昔のドラゴンボールの影響か、アニメって全然話が進まないじゃんとか思っていたんですが、今時のアニメは展開も早いのですね。ぐんぐん引き込まれました。水の呼吸の感じ好きです。
というわけで、ドップリ深みにハマってなんなら浸かった僕は、自然な流れで映画を観に行きました。レイトショーは安いし、6回観たら無料だし、どうせなら大画面でIMAXで観たいですよね。
始まってしまえば、あっという間の2時間。汗と涙出ましたね。マスクしててよかった。なんだか心が燃えるお話。そのテンションのまま、今これを書き殴っています。
僕たちは燃え盛る旅の途中で出会い 手をとり そして離した 未来のために
アニメの中だけではなくて、現実の世界においても、そんな出会いが、人を強くさせるんだろうな。
「言われなくても行くよ」や「もう観た」という方も多いとは思いますが、ぜひこの素晴らしいアニメーションを劇場でご覧ください。漫画にはないオリジナルシーンもいっぱいですから、ストーリーを知ってなお楽しめる作品だと思います!
ここから若干ネタバレありの感想文です。
鬼滅の刃無限列車編 ネタバレ感想文
『光と炎』
いきなりですが、「無限列車って電車そのものの名前なのかよ」と心の中で突っ込んだのは内緒です。切られた切符は「夢限」になっていたのがニクイところ。今回の物語の舞台はその多くがこの列車の中でした。
冒頭、コミカルに描かれる主人公たち三人のやり取りや、弁当食って「うまいうまい」と連呼する煉獄を「え、漫画よりヤバイ人度が際立っている」と微笑ましく思いながら、ほのぼのしていたところに襲ってくる急な緊張感。この辺りの演出が流石です。
今回の敵は、夢を操る相手。これはなかなか厄介です。人間って弱い生き物だから、気持ちいい場所に居たいと思って、結構その通りにしちゃいますよね。そこを振り切る炭治郎の強さ。誘惑に負けそうになる子どもたちの素敵なお手本になるんじゃないかな。
そうそう、子どもといえば、並んでいる最中に「このアニメって子どもに見せるには結構えげつなくない?」と話している大人二人組がいましたが、生徒たちを見るともうみんなお構いなしで楽しんでいますね。ちょうどいいおどろおどろしさといった具合でしょうか。首が飛ぶのはアンパンマンで慣れてますしね。
そして、夢から醒め、列車の乗客を守りながらの決戦。さらに、更なる強敵が現れる後半戦。もうそこからは炎柱である煉獄杏寿郎の独壇場ですね。その一挙手一投足に感動しっぱなしでした。
「昨日の自分より確実に強い自分になれる」
呼吸について説明をしながら、教えの最後にはこんな風に人を勇気づけ奮い立たせ導く言葉かけができるって、素敵な先生です。
敵役の鬼、猗窩座については18巻を読んでから再度見ると印象が変わるかもしれません。女性は食べないし、人と話すのが好きという変わった鬼なんですよね。そこに秘められた物語も感涙ものです。でも今回のラストは流石に鬼憎たらしく、「強さ極めようとか言いながらでもお前上限の3だろ」と心の中で毒づいてしまいました。
それにしても、鬼の総大将、鬼舞辻無惨のスカウト能力には目を見張るものがありますよね。弱った時にそっと忍び寄るあの感じ。ただ入社した後はスパルタ教育丸出しの大したブラック企業です。現実でも、実際は悪いことの方が、最初はうまい話のふりをして、甘くすり寄ってくるものです。気をつけねばなりません。
「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」
ここで改めて煉獄先生の言葉に話を戻しましょう。上記の名言を聞いた時、同じジャンプ漫画の名作『ダイの大冒険』の影の主人公と言ってもいい魔導師ポップの言葉を思い出しました。最初は落ちこぼれだったポップが言うからこその感動があるんですよね。ちょっと話横道に逸れますが、ぜひ読んでみてください。何千年も生きる大魔王に向けての言葉です。
「あんたらみてえな雲の上の連中に比べたら、おれたち人間の一生なんてどのみち一瞬だろう!!?だからこそ結果が見えてたってもがきぬいてやる!!!一生懸命に生き抜いてやる!!!残りの人生が50年だって5分だって同じ事だっ!!!一瞬…!!だけど…閃光のように…!!! まぶしく燃えて生き抜いてやる!!!それがおれたち人間の生き方だっ!!!よっく目に刻んどけよッ!!!このバッカヤローーーッ!!!!」
この名言はそもそもポップがお母さんに言われた一言が起因でした。
「人間は誰でもいつかは死ぬ………だから…だから…みんな一生懸命生きるのよ」
儚い一生だからこそ、美しく一生懸命に。それはまるで花火のように、たとえ一瞬でも夜空に咲き、誰かの足元をそっと照らす。まさに煉獄先生の生き様のようです。
「こっちにおいで。最後に少し話をしよう」
そこから語られる言葉や想いは、炭治郎たちの心の中に残り続けるでしょう。そして、僕らの心のどこかにもきっと。そうやって、想いは継がれていく。広がっていく。
明るく強い煉獄先生の心の中は、燃え盛る火炎地獄でした。あれだけ強い彼も、本当はもっと認められたかったし、褒められたかったのでしょう。最期の間際、その想いが報われ、煉獄先生は本当の笑みを残して旅立っていきます。良かったねと、思い出しても泣けてきます。
人の一生は無限には続かない。
そして、だからこそ美しく強く生きることができる。
炎はいつも光を生み、時には誰かの行く道をやさしく照らす。
そこに秘められた想いはきっと、不滅の心の道標となるのでしょう。
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