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レイフロ@台本師&声劇民☮

ミクス〜魔法使いとバトラー〜(2人台本)

2020.11.12 00:45

【ジャンル:ほんわか/シリアス/ギャグ/感動】

【所要時間:25~30分程度】


●上記イメージ画像は、ツイキャスで生声劇する際のキャス画にお使い頂いても構いません。

●ご使用の際は、利用規約をご一読下さい。


【人物紹介】

魔法使い♀

世界でたった一人となった最後の魔法使い。世界全土に根を張り、地球を支えている大樹に力を供給している。

容姿は気分によって変えているが、今の姿は少女。実年齢は秘密らしい。



バトラー♂

バトラーとは使用人の総称なので、個人の名前ではない。魔法使いの補助役として大樹の実から生まれた。寿命はきっかり60年。魔法使いが移動するための乗り物「トランスポート」を絵に描き、それを具現化する能力を持つ。




【演じる際の注意点】

・バトラーは年齢が、子供(10歳未満くらい)→18歳→35歳→60歳と変化します。


※子供の頃は厳密に言えば10歳未満なのですが、シーン的にも冒頭だけですし、聴いてる方に子供なんだなぁということが伝わればいいので、できる限り幼く演じて頂ければそれで大丈夫です!






↓生声劇等でご使用の際の張り付け用

――――――――

『ミクス~魔法使いとバトラー~』

作:レイフロ

魔法使い♀:

バトラー♂:

https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/11238454

――――――――







以下、台本です。

(【 】内はバトラーを演じる上での年齢設定なので、生声劇では声に出して読む必要はありません。)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



【バトラー:子供(10歳未満くらい)】



バトラー:

魔女さまー!待ってくださぁい!


魔法使い:

だから私は魔女じゃないってばぁ!

魔・法・使・い・だ!


バトラー:

ですが、「魔法使いさま」では呼びにくいです。


魔法使い:

文句を言うな!

歴代のバトラーはきちんと私のことを「魔法使いさま」と呼んでおったぞ?


バトラー:

バトラー…。


魔法使い:

バトラーとは!

イギリス貴族に使える上級の使用人のことだっ!

しかもお前が仕えるのは貴族ではなく、この私だ!名誉なことだろ?


バトラー:

それはわかっています。

僕はバトラーで、魔法使いさまの補助がお役目…。


魔法使い:

なんだ?何か不満なのか?!


バトラー:

違います!

でも、これからずっと一緒にいるのですから、お名前くらい…


魔法使い:

馬鹿者っ!魔法使いの名前にはとんでもない魔力が込められているんだぞ!

私自身でさえ、おいそれとフルネームを口に出すことは出来んのだ。


バトラー:

そうなのですか?


魔法使い:

それに!ずっと一緒にいると言ってもバトラーの寿命は60年!

あとたった半世紀やそこらだろ?

「魔法使いさま」と呼べるだけでもありがたいと思え!


バトラー:

バトラーとは、魔法使いさまにお仕えするために大樹の実から生まれ、

50歳になると次のバトラーが生まれます。

寿命までの残り10年間は、

その子を育てながらバトラーのお役目も果たし、最後は大樹へと還る…。

それがバトラーのサイクルなんですよね?


魔法使い:

そうだ。


バトラー:

魔法使いさまと共に生きられるだけの長~い寿命があれば、バトラーも1人で済むのに、

なぜ大樹はそうしないのでしょうか?


魔法使い:

そんなこと私が知るか!


バトラー:

そもそも、魔法使いさまは今何歳なのですか?


魔法使い:

ぐっ…!レディに歳を尋ねるなどバトラーの風上(かざかみ)にも置けんわ!

罰として、この家の大掃除を命ずる!


バトラー:

そ、そんなぁ!


魔法使い:

掃除も立派なバトラーの仕事だ!ほら!早くしろ!


バトラー:(少しふてくされて)

ふぁーい…。


魔法使い:

返事は短く!元気に!


バトラー:

は、はいっ!












魔法使いN:

ここは、英国にある秘密の地。

人間たちが干渉することの出来ない不思議な魔法に包まれた森の中。

その中心には大きな大樹がそびえたっており、

それもまた、人間たちは感知することが出来ない。

大樹は世界全土に根を張っており、地球を支えるその力を、今や世界でたった一人となった魔法使いが供給している。







【バトラー:18歳】


バトラー:

魔法使いさまは、なぜ幼い子供のようなお姿をしているのですか?


魔法使い:

気分だよ、キ・ブ・ン!幼女もなかなか可愛かろう?


バトラー:

私にはよくわかりませんが。


魔法使い:

カッタイ奴だなぁ!つーまーらーんー!


バトラー:

私は姿かたちこそ人間ですが、大樹から生まれましたし人間ではありません。

いわば…植物人間ですね。


魔法使い:

その言い方はなんか不謹慎だからやめとけ。


バトラー:

かしこまりました。


魔法使い:

まぁいい。それよりお前ももう18!

あと2年で最初の大仕事をしなければならん!


バトラー:

あの、私は…


魔法使い:

バトラーの最も大事な務めはなんだ?言ってみろ!


バトラー:

はい…。

世界中に張った大樹の根には、10年毎に魔法使いさまが力を供給する必要があります。

その際に魔法使いさまの足として使う乗り物、

通称「トランスポート」を描くのがバトラーの務めです。


魔法使い:

そうだ!それこそが大樹から生まれたバトラーの特殊能力!

乗り物を具現化させる力だ!


バトラー:

はい…そうなのですが…


魔法使い:

私もいつもなら、乗り物くらい魔法でチョチョイのチョイだが、

この時ばかりは、大樹に全魔力を使わなければならないからな。


バトラー:

魔法使いさま、あの、私もこれまでずっと絵を練習してきたのですが…


魔法使い:

グジグジ言ってないでやってみろ!

そうだなぁ…。鳥がいい!鳥を描け!


バトラー:

鳥…ですか…。


魔法使い:

ほれ、早く描~けっ!描~けっ!


バトラー:

は、はい…。


(SE:カリカリとペンで書く音が入ると良い)


バトラー:

か、描けました…!





鳥???(バトラー役の方が演ってください)

キッシャァァァァ゛ァ゛!!!!!!!!


魔法使い:

え?あれぇ?

私は鳥を描いてって言ったよね?あれ?おかしいな?あれぇ?


バトラー:

鳥です。


魔法使い:

いやいや、これ足じゃないじゃん!

クワついてるじゃん!農耕器具じゃん!


バトラー:(キレ気味で)

いいえ!!それは足です!!


魔法使い:

めっちゃキレるじゃん!!


バトラー:

見た目は少しだけ歪んでいるかもしれませんが…鳥です。


魔法使い:

しかもこの鳥全然動かないんですけど?

ん…?よく見るとハシビロコウっぽくない?

だから動かないのかなぁ?ねえ?


バトラー:

イカツイ感じもあり、かっこいいかと。


魔法使い:

動かないんじゃ乗り物として機能しないだろがぁ!!




鳥???(バトラー役の方が演ってください)

キッシャァァァァ゛ァ゛!!!!!!!!




魔法使い:

つかハシビロコウ絶対こんな鳴き方しないじゃん!めっちゃ怖いじゃん!!

待てよ…?次はプテラノドンっぽく見えてきた。

だからこんな恐竜みたいな鳴き声なのかなぁ?ねえ?


バトラー:

恐竜は男の夢(ロマン)ですので。


魔法使い:

「夢」って書いてロマンって読んでんじゃねーよ!

なにがロマンだよ!足にクワつけてるくせに!


バトラー:

あの…鳥は難しいので、他のものを描いてもよろしいですか?


魔法使い:

鳥は苦手だったのね?!そうだろうね!!じゃあ馬描いて!


バトラー:

わかりました、馬なら簡単ですね!すぐに描きます。


魔法使い:

大丈夫かなぁ…?


(SE:カリカリとペンで書く音が入ると良い)


バトラー:

描けました!




馬???(バトラー役の方が演ってください)

ヒッヒッヒヒヒィィィンンン゛ン゛!!!!!!(←しゃくれて下さいw)


魔法使い:

なんで馬がしゃくれてるの?!


バトラー:

おかしいですね…。魔法使いさまをイメージして描いてみたのですが。


魔法使い:

なぜ馬を描けと言ったのにアタシをイメージした?!?

つーかアタシはしゃくれてねーわッ!!


バトラー:

いえ、可愛らしい馬にしようとしただけなんです…。

別にしゃくれさせようと思ってしゃくれさせたわけではありませんが、

私の中の深層心理での魔法使いさまがしゃくれてなかったかと言われたらしゃくれてなかったと言えなくもないですね。


魔法使い:

なに深層心理で勝手にアタシをしゃくらせようとしてんだよ!

おかしいでしょ?!?


バトラー:(しゅんとして)

そうですか…。


魔法使い:

そんなに寂しそうに言うな!


バトラー:

とにかく乗るだけ乗ってみて下さい。




馬???(バトラー役の方が演ってください)

パカラッパカラッパカラッパカラッ(←走る音)




魔法使い:

ひぃぃぃぃぃぃぃぃ速いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!


バトラー:(ドヤ顔で)

すごいでしょう?


魔法使い:

「いい仕事したぜ!」みたいな顔すんなぁぁぁ!







バトラーN:

2年後、大樹への魔力供給のため、私はバトラーとして最初のお役目を果たした。

しゃくれた馬に乗って行かれた魔法使いさまは、

帰ってくるなり、ナイアガラのようなゲロをお吐きになられたが、

見回り自体は例年より早く終わったようだ。

しゃくれている分、なんか速かったのだろう…。なんか…多分…。


その後、どんなに練習しても私の絵が上達することはなく、

月日はあっという間に流れた。








【バトラー:35歳】


魔法使い:

お前ももう35。なのになぜ1ミリも絵が巧くならんのだ?!


バトラー:

そんなことはありません!

その証拠に、魔法使いさまは私の描いたトランスポートに乗っても吐かなくなったではありませんか!


魔法使い:

もはや慣れただけだよね!!

乗り心地が良くなったわけではないよね!!


バトラー:

……。


魔法使い:

歴代のバトラーは皆絵が巧かったぞ?

だからてっきりバトラーは画力を持って生まれてくるものだと思っていた!

ユニコーンやフェニックス、ドラゴンなんかにも乗ったなぁ…。


バトラー:

なぜ私だけこんなに絵がヘタなのでしょうか…。

魔法使い:

さぁな。


バトラー:

私は、もしかしたら出来損ないなのかもしれません…。


魔法使い:

その発言は聞き捨てならんぞ!大樹への冒涜(ぼうとく)だ。


バトラー:

ではなぜ大樹は、私にだけ絵を描く才能をお与えにならなかったのですか?!


魔法使い:

おい、おちつけ。


バトラー:

魔法使いさまにはわかりませんよ!

私は魔法使いさまのために生まれてきたんです!

一番のお役目を果たせないだなんて、こんな無力な気持ちが…

あなたに分かるわけがありません!


魔法使い:

そうかもしれないな。


バトラー:

魔法使いさまはどう思われているのですか?

バトラーのことを。


魔法使い:

別に……。


バトラー:

「別に」とはなんですか?

バトラーはバトラー。ただのお世話係で、乗り物を作り出すだけの存在なんですか?!


魔法使い:

そんなことは…


バトラー:

そうでしょうか?

では何故、魔法使いさまはバトラーに名前を付けていらっしゃらないのですか?!


魔法使い:

名前?


バトラー:

魔法使いさまからすれば、バトラーはたった60年で入れ替わる「モノ」。

名前なんか必要ない、全員「バトラー」と呼んでしまえばそれで済みますもんね?!


魔法使い:

……ああ、そうだ。全員ただのバトラーだ。

それ以上でも以下でもない。


バトラー:

…そうですか。よくわかりました。



バトラー:(ここから無感情になって)

失礼なことを言ってしまい、申し訳ございませんでした。

魔法使いさまのバトラーであることは誉れ(ほまれ)。

次のバトラーが生まれるまであと15年。

それまで、どうかこの「出来損ない」をお側において頂きますよう…。


魔法使い:

出来損ないだろうがなんだろうが、バトラーはお前一人しかおらん…。

クビなどあり得ん。


バトラー:

そうですね…。本当に申し訳ございません。

少しでも絵が上達するように精進致します…。


魔法使い:

……。








バトラーN:

それから私は、自分の感情を一切抑え、まるで機械のように過ごした。

私が練習した絵を見て笑い転げる魔法使いさまとの楽しかった思い出を、

胸の奥に大切にしまって…。









【バトラー60歳】



バトラーN:

そうして月日は経ち、私は寿命でもある60歳を迎えていた。

私が生み出すトランスポートはこれが最後だというのに、

魔法使いさまはいつもと変わらぬ様子だった。

私は渾身のドラゴンを描き、魔法使いさまは、ガタガタと蛇行するドラゴンに乗って行かれ、ぐったりと疲れてお戻りになった。

バトラーN:

50歳の折に生まれた次のバトラーは順調に育っており、私と違って絵も大変上手く、何も心配はなかった。

日付が変われば、私は大樹へと還るだろう…。


そして、最期の仕事を、と思い、

魔法使いさまの書斎を掃除していた時のこと…。






バトラー:

この棚、ガタガタするな。古くなったか…?

ん?違う、これは…隠し部屋?


バトラーN:

棚を押し込んでから右にスライドさせると、中には部屋があり、壁一面には沢山の本が並んでいた。


魔法使い:

…っ!バカ!何をしている?!


バトラー:

魔法使いさま…このお部屋は?


魔法使い:

お前が入っていい場所ではない!早く出んか!!


バトラー:

おっと…!


(SE:バサッ←本が落ちる音)


魔法使い:

あああ!バカバカ!見るなぁぁぁ!


バトラー:

なになに?

「アンソニー、10歳、初めてのトランスポート」…?

こっちは、「ブルーノ、60歳、最後のトランスポート」…。


魔法使い:

見るなと言っているだろうがぁぁぁ!


バトラー:

これは、歴代のバトラーが書いた絵ですか?!まさか、この部屋の本全部…?


魔法使い:(動揺しながら)

べ、別に意味はない!

ただなんとなく取っておいただけで、惰性(だせい)で続いている趣味みたいなもので…


バトラー:

この量、大樹の様子を見に行く時に使った絵だけではありませんよね?

練習で描いたものまで全て取ってあるのですか?


魔法使い:

し、知らん!

暇つぶしにただファイリングしているだけだ!


バトラー:

魔法使いさま…これは…


魔法使い:

あああ!ダメだったら!それだけは絶対見ては…っ!!


バトラー:

「ユージーン、18歳、練習、ヤバい鳥としゃくれた馬」…?

この絵は…


魔法使い:

はぁ…なんでダメだと言っているのに見るんだこの馬鹿!!


バトラー:(涙ぐむように)

「ユージーン」とはその…まさか、私の、名前…?


魔法使い:

これだから嫌だったんだ…そんな顔をされるから…。


ユージーン:

あぁ、そんな…。

数十年前に私が貴女様を罵倒した時に、なぜ言って下さらなかったのですか?

私は、貴女様に酷いことを言いました。

バトラーに名前も付けず、「モノ」として扱っていると…。


魔法使い:

実際そうだったんだ。

お前の言ってることは間違っていない。


ユージーン:

ですが、こうやって歴代のバトラーに名を付けて、

存在した証を大切に保管して下さっているではありませんか!


魔法使い:

私の自己満足だ。

幼子(おさなご)が人形に名前を付けるようなもの。大したことではない。

ましてや、つけた名を歴代のバトラーに伝えたことはない。


ユージーン:

何故伝えなかったのです?!

魔法使いさまに名を付けて頂けるなど、それほど嬉しいことは…


魔法使い:

…だからだ!

私にとって60年などあっという間のこと!必要以上になつかれると…っ


ユージーン:

別れが悲しくなる…?


魔法使い:

ぐぬぬ…、あぁそうだよ!情が移るんだ!

最強の魔法使いが聞いてあきれる!笑いたきゃ笑えばいい。


ユージーン:

魔法使いさま…。


魔法使い:

なんだ!憐み(あわれみ)の言葉などいらん!


ユージーン:

貴女様はなんて…可愛らしいのでしょうか。


魔法使い:(顔を真っ赤にする)

ふぁっ?!?!?ななななんだと?!


ユージーン:

私の絵があまりに下手で、練習のために、魔法使いさまは私と沢山の時間を過ごしてくださいました。

仲良くなりすぎてしまう前に、貴女様は私を突き放したのですね。

仲良くなりすぎてからでは別れが辛くなるから。


魔法使い:

だっ、黙れバカッ!


ユージーン:

魔法使いさま。私は…ユージーンは、幸せです。


魔法使い:(泣きそうになりながら)

や、やめろ…っ


ユージーン:

貴女のようなお優しい方に仕えることが出来て。


魔法使い:(泣き始める)

…ふ…っうう…


ユージーン:

私はもうすぐ…大樹へと還ります。


魔法使い:

あぁ、分かってる…


ユージーン:

次のバトラーはとても絵が巧いので、

魔法使いさまも、今後は快適な移動が出来るようになりますね。


魔法使い:

あぁ。お前みたいな出来損ない、初めてだった…


ユージーン:

はい。


魔法使い:

歴代のどのバトラーよりも沢山練習したのに全く上達しないなど、あり得ないだろ…


ユージーン:

はい。


魔法使い:

お前のファイルだけこんなに何冊もあって…こんなに練習して…馬鹿者が…っ!


ユージーン:

はい。


魔法使い:

ユージーン…


ユージーン:

はい。魔法使いさま。


魔法使い:

大樹へと還るということは、

お前はこれから世界中に張っている根を巡り、いずれまた、その魂が大樹の実に宿ることもあろう。


ユージーン:

心得ております。


魔法使い:

お前のようなヘッタクソな絵を描くバトラーはもうこりごりだからな!

世界中を巡り、様々なものを見て、その貧弱な感性をせーぜー磨いてこい!


ユージーン:

承知いたしました。


魔法使い:

…そろそろ時間だ。


ユージーン:

はい。

…あ、魔法使いさま。


魔法使い:

なんだ?


ユージーン:

貴女様のお名前を教えて頂けないでしょうか?


魔法使い:

私の名前…?


ユージーン:

再び会えたその時には、必ずその名をお呼びしましょう。


魔法使い:

無理だ。そんなのきっと何百年も先だ。

お前の記憶など無くなっているに決まってる。


ユージーン:

試したことは?


魔法使い:

あるわけないだろう!


ユージーン:

では、試してみましょう。私には自信があります。


魔法使い:

あり得ない!


ユージーン:

そうですか?私の絵以上にあり得ないことがこの世にありますか?


魔法使い:

ぐっ…!それはない!お前の絵ほどあり得ないものはない!!


ユージーン:

ふふ。でしたら。ほら、お早く。時間が来てしまいます。


魔法使い:

ぐぬぬ…!この馬鹿者…忘れてたら承知しないからなっ!


ユージーン:

はい!





魔法使い:

すーはー…(深呼吸)


私の名は…っ!








――――――――――――――

End.


※挿し絵は、声劇仲間のリバーさんに描いて頂きました。神がかった画力ですね(   ◜ω◝ )←