幹細胞⑤「美容と幹細胞」
皆様はこの「幹細胞」というキーワードをどんなシーンでお聞きになりますか?
主に「医療」と「美容」に関わる場合が多いのではないでしょうか?
医療に関わる幹細胞の概要については、前回までに触れてみました。
年齢と共に減少して細胞の再生&入れ替え能力が衰える事を鑑みると、「幹細胞が
活性化する」という事は、言ってしまえば「若返る」とも表現できるでしょう。
そう捉えるとやはり「美容」業界がそのイメージを使わないはずがないですね。
ところが、医療を含めて多くの製薬&美容業界が多額の研究費を投入したにも関わらず、第三者機関が認めて臨床の結果(エビデンス)が出て、「体内で幹細胞活性化させるもの」を創り出すということはなかなか実現できていませんでした。
美容業界における「幹細胞」というキーワードが使われるのは、主に「幹細胞培養液の再利用」が多いかと思われます。
前回までに触れましたが、医療業界における幹細胞を増やす方法は自身の幹細胞を増やして体内に戻す方法です。
この培養の過程で幹細胞が増える環境になるのがこの「培養液」です。
この培養液、人それぞれ異なる体内環境に合わせてコントロールしないと幹細胞自身が上手く増えませんので非常に繊細な管理が必要になります。
体内と同じく、培養液も新しいものと循環させますので、廃液(医療廃棄物)が発生しますが、これを再利用して美容クリームや美容液に添加しているものが市場でよく見る「幹細胞」のキーワードを使った美容製品になります。
前述の通り、幹細胞が増える環境というものは、体外で用意する事は非常に難しいです。
幹細胞培養液の再利用製品が体内の幹細胞を増やし&活性化して若返る、というのは誤解となりますので、注意が必要です。(ヒトではなく動物由来なんてものもありますが、どう考えられますか?)
次回は上述した「体内で幹細胞を活性化させる」エビデンスが取れたモノとの出会いについてです。
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