【保存事例】29612(福岡県)
本日11月3日は「文化の日」です。
鉄道文化財・郷土文化財・歴史文化財として、様々な文化の象徴ともいえる蒸気機関車。そうしたものを守った結果、地域活性化に繋がった事例を今回もご紹介いたします。
今回ご紹介するのは福岡県での保存事例。解体の危機から一転、綺麗に保存整備を受けただけではなく、なんと国民的アニメ「サザエさん」にも登場した蒸気機関車が存在します。
下記は、豊後森機関庫公園公式サイト様からの引用となります。
展示しています蒸気機関車29612号は、「キューロク」という愛称で親しまれ、大正8年(1919年)に製造された蒸気機関車です。
この蒸気機関車は、大正8年(1919年)1月から昭和49年(1974年)12月までの55年間、長崎本線や唐津線で旅客、貨物の輸送に日夜活躍し、なかでも昭和20年(1945年)8月9日、長崎に原子爆弾が投下された時期には、多くの人、被災された方々を乗せて走り、人命救助や日本の文化の交流、経済の発展に多大な貢献をしてまいりました。
そして、列車の動力近代化に伴って、昭和49年(1974年)に廃車となり、福岡県志免町の公園にて静態保存されてきましたが、製造されてから94年目になった平成25年(2013年)12月、老朽化による解体処分が公表されたことから、「もうすぐ製造から100年となる蒸気機関車を救って欲しい」との多くの方々からの救済の声が玖珠町に届き始め、志免町様との協議の結果、玖珠町が譲渡を受け、福岡県直方市の汽車倶楽部(代表 江口一紀氏)の方々に補修をお願いして、この豊後森機関庫公園に平成27年(2015年)6月に静態保存することとなりました。
こちらの蒸気機関車も一時期は荒廃が進み、解体を待つだけの状態になっておりましたが、急転直下、大分県玖珠町から旧・豊後森機関庫での静態保存を前提に志免町に対して同車の譲渡要請が行われ、今日では玖珠町の人気観光地として注目を集めております。