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【81番】藤原定家のいとこ!!後徳大寺左大臣!!

2020.11.03 03:25

ジャンル:夏
時代:平安時代 
超要約:鳥見逃した

歌の意味(子ども向け):ホトトギスの代わりに、振り向いた先にいたのは月だった。
歌の意味:ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだった。 

☟この首に関するクイズ

Q この歌の季節はいつか?   

A 夏
 ホトトギスといえば3月から5月にかけて日本に渡ってくるので「夏を告げる鳥」として有名である。
 ホトトギスの第一声(初音)を聴くのは非常に典雅なこととされていた。そこで山の鳥の中で朝一番に鳴くといわれるホトトギスの声をなんとか聴くために、夜を明かして待つこともよく行われていた。
👇語呂合わせ(覚え方)


 当時は、明け方に鳴く声を聞いて、歌を作るというあそびが行われていました。この一首も、明け方、待ちわびていた鳴き声を聞くことができて詠んだものです。

 この歌では、上の句で、ホトトギス(※1)の声を「聞く」世界を表し、「ながむれば」をはさんだ下の句で、有明の月(※2)を「見る」世界に転じています。「聞く」から「見る」への無理のない転じ方が見事だと称されています。


※1 ホトトギスは、初夏を代表する鳥。夏の始まりに飛来するので、季節の訪れを象徴する鳥として、重宝されました。特に、ホトトギスの第一声を聴くのは、非常に典雅なこととされました。背は明るい青色、尾は白黒のまだらで、昔から詩歌に最もよく詠まれている鳥です。明け方に、するどい声で鳴くことが多いです。そこで山の鳥の中で朝一番に鳴くといわれるホトトギスの声をなんとか聴くために、夜を明かして待つこともよく行われていたのです。しかもホトトギスはとても動くのが速く、こちらと思えばまたあちら、というように移動するそうです。

※2 昔の暦で、満月の次の日から末までの間、空に月がかかっているまま夜が明けることを「有明け」と言います。また、その時に空に残っている月を「有明けの月」と言います。

 作者の後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん)とは、藤原実定(ふじわらのさねさだ)のことで、藤原定家(97番)のいとこです。詩歌のほか、今様(日本の歌曲の一形式)、神楽(かぐら)、管弦(かんげん)の名手であり、蔵書家としても知られます。