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2通目の手紙にこめた願い

2020.11.03 05:02



私は久しぶりに

友人に手紙を書いた。



元から手紙を書くことが好きで

親しい友人と会う日には

よく手紙を書いて渡していた。


手紙の内容はだいたい

「今日は久しぶりに会えて嬉しい!」

といった内容で

ウェルカムカードに似ている。

愉しい(たのしい)手紙だ。




しかし今回私が

友人に向けて書いた2通目の手紙の内容は

終始「願い」だった。






実は数ヶ月前、

友人は命を絶とうとしていた。


詳しいことは聞いていなかったが

相当、思い詰めたのだと思う。



私は勘がいいのか

数ヶ月前から

友人の雰囲気が変だな?

と感じていた。


直接あったわけでも

電話したわけでもないが

SNSのやりとりからなんとなくそう思い、

失礼ながらもお伺いの手紙を

書いたのだ。


【1通目】

- ◯◯のことが何か心配になって

手紙を書きました。


という始まりから

友人との大切な思い出話をつづった。


手紙をうけとった友人は

「実はまわりには

あまり話してなかったんだけど…」

と自分が苦しんでいたことを

打ち明けてくれた。


そして

様子がおかしいことを察知した私に対して

「テレパシーでも飛んでいるのかな笑?」

と驚き喜んでくれた。



友人は「今はもう元気だよ」

と気丈に話してくれて

私もホッとしたのだが、


何やら心の奥で

「まだ伝えなくてはいけないことがある」

という気持ちが湧いてきた。










私はこわかった。



もし、友人がこの世から

いなくなってしまったら。



そう思うととてもこわくて

手紙を書く前から大粒の涙がこぼれた、


と同時に

「絶対友人をなくしてなるものか」

「絶対にわたしが友人を守る」

という強い思いが湧いてきた。



1通目の手紙を書いてから

1週間もたたないうちに

私は2通目の手紙をかいた。



想いに突き動かされた字が並ぶ、

読みにくい内容の手紙だったと思う。

そこに私は何度も

「願い」をこめた。





「この手紙が友人を守る

"盾"になりますように」



2通目の手紙を

受け取った友人から連絡が来た。


「ありがとう。

こんなにも思ってくれていたなんて

本当に嬉しい。


2通目の手紙、

ちゃんと大事にしまって

辛くなった時に思い返して読みます」



私は1通目に

友人がくれた言葉よりも

ずいぶんとホッとした。











私には想いを伝えるという形でしか

友人を守ることはできない。


そしてまたこの先、

友人に同じ苦しみが訪れるかもしれない。


それでも私は

絶対に友人を守ってみせる。


手紙という盾が何度破れるようと

私はその度に手紙を書く。



書いて書いて書き続ける。







「この手紙が友人を守る

"盾"になりますように」


そう願いを込めて。