ニッキー・シックス (Motley Crue) #1 / 二日酔い&Rock N' Roll Life
コメディアンや俳優としての活動もされているディーン・デルレイさんによるニッキー・シックスへのインタビュー。
二週間ほど前に公開されたものですが、サッと聴いただけでもニッキーのトークが結構長いんですよね。
ここ最近、ニッキーはそれほど多くインタビューを受けていない感じですし、例え受けてもそんなに長くは話していないと思います。
「なぜここでだけこんなに長く話したんだろう?」と思いつつ聴いていったところ、これ、3年前のインタビューでした。
なぜディーンさんが今これを(再度?)公開したのかはわかりませんが、いざ聴き始めるとそこはやはりニッキー…どんどんと引き込まれてしまいました…(笑)
ということで、いつもの如く抜粋しながら訳をご紹介していきたいと思います。
ちなみに、インタビュー開始3分で始まった「ニッキーが〇しっこの色や泡立ちから自身の健康状態を把握している」、という話は割愛させて頂きます…笑
D: ディーン
N: ニッキー
最強の二日酔いスナック
22:00
N: 若い頃、二日酔いになって「あー、ダメだ。今日は何もやる気が起きないから予定を全部キャンセルして、ソファーでゆっくり過ごそう」って時のお決まりの食べ物って何だった?
D: オレはいつもピザだったかなぁ。
N: オレが求めてるのはそういう答えじゃないな。もっとないのかよ?
D: えー、だってオレはいつもピザを食べてたからさ。
N: オレのはいつも決まってOre-IdaのTater Totsだった。
D: そこまで特定のものかよ!?(笑)
N: お酒をバカみたいに飲んでいたあの頃、オレはあんな冷凍ものをどうやって温めればいいかすら知らなかった。
ところがオレの中にいた悪魔が「コイツラヲオーブンデアタタメロ」と話しかけてきたんだ。(*声色を変えて)
そしてマヨネーズとタバスコを混ぜて、シーズニングソルトも入れて…(料理をしない自分が)どうやってこんなことをやってたのか…
あの悪魔ってのは、よほど強力なやつだったんだよ。
で、大体夜8時までには仲間から「おい、女の子ナンパしに行こうぜ」って電話がかかって来て、街に出かけるような日々だった。
あの頃はTater Totsに救われたものさ(笑)
D: ここらでTater Totsの広告やっておくかい?(笑)
N: 「世界一の二日酔いフード、Ore-IdaのTater Tots!」(CMナレ風の声で・笑)
ロックンロールライフ
23:30
D: あの頃のモトリーって、いつでもパーティーに繰り出す準備が出来てた感じだっただろ?危険で、ならず者の雰囲気も漂っていたし。
まぁ、ロックンロールライフと言えばそうあるべきだったんだけれど。生き急いで早死にする、みたいなさ。
でも、ヴィンスとラズルの件は正直「あ、これはゲームオーバーだな」とオレは思ったよ。
キミから見ていて、あの後もヴィンスがパーティーライフをやめなかったことはイカれてると思った?
N: オレはドラッグのオーヴァードーズで死にかけた後もまだドラッグをやり続けた。
トミーは車で大クラッシュを起こした後も運転を続けてる。
モトリーで唯一の賢い男はミック・マーズだ。
一部の連中がインタビューなんかで、「ニッキー、あなたはモトリーのブレーンですが…」なんて言ってくるが、「おいおい、何の侮辱だよ?」と思うよ(笑)
27クラブ
24:30
N: 対象が砂糖やアルコール、ドラッグに女遊び、買い物…何であろうと、そういった強い欲望の首根っこを掴んで押し倒すのは容易なことじゃない。
N: オレがラズルの死を聞いた時、「これはもう悪ふざけでは済まない」と理解したよ。
インタビューなんかでは「オレ達は若くして輝いて早死にするのさ。27クラブの一員だ!」なんて馬鹿みたいなこと言ってたけど、まさか自分達の仲間から本当に死ぬやつが出てしまうなんて。
今やオレは58歳で(←当時。現在は61歳)多くの友人を失ってきたし、オレが憧れてきたヒーローたちもどんどん亡くなってるから、誰かの死に慣れてしまっているけど、あの若さで誰かの死に直面するとね…。
*27クラブ
ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン等、27歳で早死にした大スターが複数いることから、27歳で亡くなった彼らのことを27クラブと括り、オカルト的に語られるようになった。
バケーション中だったニッキー
25:40
N: オレはあの事故が起きた時、ロックフォトグラファーのニール、RATT のロビン・クロスビーと共に、カリブ海の島マルティニークで人生で初めての休暇中だった。
オレ達は Club Med に宿泊し、飲み放題に食べ放題、しかもフランス領ということもあって、女の子たちは皆トップレスだった。
そんな光景、ツアーバス以外で見たことが無かったから、「ここは天国じゃないか!!オレはモトリーをやめて、ここに投資しつつ移住するぞ!」なんて思ったよ。
地元の連中はビーチにいたオレ達の所に大麻を売りに来るし、ベッドのシーツを取ってきて海賊の旗みたいなのを作ったり、ギターを弾いたりね。
"Keep Your Eye On Money" と "Louder Than Hell" をあそこで作曲したのを覚えてるよ。
その曲を聴いたロビンが「クソみたいな曲だな。そもそもお前のバンド自体がクソだ!」なんて言ってたよ。
オレ達はそれぐらい仲が良かった。
で、その休暇から戻るべくマイアミに着いたところで、オレはヴィンスの顔を新聞の一面で見つけたんだ。
D: ワォ、当然携帯電話やメールもない時代だもんな。
N: もちろんなかった。事故が起きて丸一日経った頃だった。
オレは人生で初めてお金のことを気にせずに仲の良い友人と休暇に出て、お酒にドラッグ、食べ物に女遊び、あらゆるものを楽しんで「人生って素晴らしいな」って気分だった。
そこから一気にこの状況だ。オレはどうすべきかわからず、公衆電話に行って(マネージャーの)ドグ・マギーに電話したよ。
ドクは何が起きたのか説明してくれたんだけど、そのマイアミからLAに向かう飛行機の中で、オレはアイダホのトレーラーハウスに住んでいた幼少期のことを思い出したよ。
壁にエアロスミスのポスターを貼って、ロックスターになることを夢見てたんだ。
その夢が終わったんだな、と思った瞬間だった。
続く…