式場
おはようございます。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
連日、漢字2文字のブログタイトルが、地名や
人名で芸が無いですが、今日は先日見に行っ
た式場隆三郎/脳内反射鏡展より。実は今回観
て回った3+1件の中で一番興味深いものでした。
お恥ずかしながら式場隆三郎について、民藝
関係でよく名前が出てくるなぁという程度の
情報や認識が無く、今回その幅広い活動と交
友関係に正直驚かされました。
新潟で医大生時代に白樺派に傾倒し、柳宗悦
とも知遇を得て、民藝関係だと木喰仏の調査
に同行したり、当時下手物(げてもの)と呼ばれ
ていたものに新たに民衆的工藝(民藝)という新
たな名前を柳宗悦・河井寛次郎・濱田庄司が
考え出したとされる旅の場面にも同席してい
たようです。
多くの日本人が初めてゴッホ作品にふれ、ゴッホのイメージを定着させたと言われる「ゴ
ッホ複製画展」も式場隆三郎によるもので(今回もかなり沢山見ることが出来ました)、山下清を物心両面で応援したり(テレビ番組・裸の
大将にも関わっていた!)、それ以外にも、三
島由紀夫との交流(のちに反目?)、草間弥生の
デビュー当時の支援などなど。自身精神科医
だったこともあってか障害児教育だったり、
その作品を世に知らしめたり、お色気雑誌に
執筆したり、ハンドボール協会の会長を長く
つとめたり。生涯の著作は200冊にも及んだ
そうです。
展覧会最後のコーナーで式場隆三郎が所有し
ていたバーナード・リーチ、河井寛次郎、濱
田庄司、富本憲吉、芹沢銈介、棟方志功などの作品とともに、式場隆三郎の自邸やその調度品(ゴッホの椅子も!)が見れるのですが、
その豊かさとセンスも感じることが出来ました。
展示会そのものとは関係ないところなのです
が、展示会の中にあった、式場隆三郎が文章
を書き芹沢銈介が図案化した、昭和19年の
「日本の力」という作品が気になりました。
細かい文章を覚えていないので正しくないかもしれませんが所謂国威発揚的なもので、民
藝運動が戦時下でどうだったのか?気になる
ところです。無意識なのか、意識的なのか、
本心を抑えて渋々なのか、そこは分かりませ
ん。柳宗悦が朝鮮併合に反対の論陣を張った
ことを考えれば多様性を認め求める民藝運動
が戦争を賛美するということは無いとは思い
ますが、少しモヤモヤするところでした。朝ドラのエールの中で主人公古山裕一の戦後の
葛藤が描かれていましたが(モデルとなってい
る古関裕而が実際どうだったかは分かりませ
んが)それにも似たことが民藝の関係者にもあ
ったのでしょうか?
昨日たまたまですが、以前、戦争中の民藝運
動はどうたったのか?みたいな話をしていた
お客様が、コレあげるよと昭和14年の雑誌民藝をお持ちくださいました。ありがとうござ
いました!これから読んでみたいと思います。
この展示会は練馬区立図書館で12月6日までで
す。お近くの方、東京に旅行や出張に行かれ
る方は是非。
朔日はランチタイムのみに集中していましたが沢山の皆様にお越し頂きありがとうござい
ました。満席のためお断りしてしまった皆様
申し訳ございませんでした。
今日は一転?ランチもカフェもご予約が全く
入っていません。ご予約無しでもご案内出来
ます。11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しております。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!