ハワイアンパラダイス
誰よりもWaiihaを愛し続けてくれた方がいた。
Waiihaファミリーの三男であり、ママの息子でもある彼はお星さまとなった。
荒城さんを尊敬し、ハワイアンを愛し、Amのスチールギターを演奏する
僕の「戦友の一人」に、深い感謝と共に祈りをささげて。そして、ありがとう。
『銀河鉄道と僕』
江北橋から西新井橋まで、自転車を走らせる。
土手の上を二人ならんでペダルをこぐ。
扇大橋の手前で、ちょとだけ自転車を止める。
青空の下、銀色のライナーが川を渡って来る。
ヨシ原・干潟の保全工事もはじまったようだ。
僅か4キロの通い路。そんな春は過ぎ去った。
あんなにも、待ち焦がれていた桜と陽射しが溢れているのに。
世の中は、恐怖と不安に脅えている。
西新井橋から江北橋まで、自転車を走らせる。
土手の上から荒川左岸を眺める。
高速道路の点滅が、蛍のように川面に映る。
夜空の下、川の向こうから最終電車がやって来る。
上空を横切るライナーの窓明かりとシルエット。
二人で眺めていた帰り道。こんな夏も置き去りだ。
こんなにも、美しい星空なのに。七夕の夜なのに。
世の中は、大切なことを見失い続けている。
荒川右岸より、自転車を止めて、隅田川の左岸を眺めてみる。
都心の夜空は、見渡す限り「赤いネオンサイン」が連なっている。
その無数のネオンが、すべて赤く滲んでいる。燃えているようにも見える。
あんなにも、待ち焦がれていた秋の再会だったはずだけど。
全ての憂いが、怒りに代わりそうだ。激しく胸が締め付けられた。
江北橋から西新井橋に着くまでに。僕は涙を耐えられるのか?
櫻木五叉路を過ぎ去るまでに。僕はどれだけ泣くのだろうか。
扇大橋の手前にて、漆黒のような闇の中。そう、夜空の向こうへと。
銀河鉄道が姿を見せた。僕は遠ざかってゆく窓明かりの中に
あの人の笑顔を見つけた。僕は、とっさに、耳を澄ませてみた。
ハワイアンパラダイスの音色が聞こえてきた。この僕を励ますように。
そんなふうに、僕が「生かされている理由」を確認している。
Emのイントロが、この愛おしいメロディーが、僕に慈愛の意味を気づかせた。
そして、冬。あの人が生まれた冬がやって来る。
すべての憂いは、純白の雪に埋もれて、やがて川に流れて、海へ行く。
この大切な『箱舟』は、希望という灯を消さない限り、再び進み始める。
虹の彼方の楽園から見守ってくれているはずだから。
今日は、いつも楽しみにしてくれていた第3金曜日だ。
早くライブを復活できるように頑張ろう。