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LPO|境界のある事務所の改修

2020.11.07 05:33

作品名 |境界のある事務所の改修

所在地 |愛知県一宮市

主要用途|オフィス

施工  |ヒロ建築工房

建築面積|64.3㎡(2F)

工事費 |250万円

竣工日 |2020年


ひとり、そして集団

愛知県一宮市の、事務所スペースの改修計画である。設計開始から竣工まで、約2ヶ月というタイトなスケジュールの中、個人と集団の関係性および実現可能性について考えた。

スタッフ9名が、個人としての独立性[部分]と集団としての全体性[全体]を同時に獲得する、それは一見矛盾を孕んでいるようにも思えるが、昨今の状況を鑑みると、オフィス空間のスタンダードになりつつあるとも言えるのではないだろうか。

本プロジェクトにおける部分と全体の構図は、まさに個人と帰属集団に相当し、その切換をどのように認識させるのか、という点を主題としている。基本モジュールを300mm(既存柱型600mmに由来)とし、オフィス内の什器は全てこの寸法を基準に構成した。2FL+900が着座時/起立時の切り替えボーダーとなっており、デスクや引き出しなど、日常的に必要なシステムは全てこの900mm以下(着彩エリア)のレベルに納められている。900mm以上のレベルはスチールフレームのみで構成され、空間全体を一体的に認識し、視線の交錯が誘発される。

既製のスチールユニットを活用することで、工期と価格を抑え、部分と全体という空間構成をユーザー自身が日常的に認識できる(着座/起立という行為により境界を認識する)よう、2つの意識レベル(視覚・体感)で領域の移行が可能となるように計画した。