原因くらいは分かります!
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ある患者さん。
主訴は月に一度の不調。
具体的には、月経前から月経中頃まで続くとのこと。
これが二年前から毎月必ず発症する。
その時によって症状がコロコロ変わるらしいが、冷え逆上せと左こめかみ偏頭痛は絶対にある。
その他の症状は以下の通り。
- 下肢の脱力感
- むくみ
- 股関節圧迫感
- めまい
- 動悸
- 身体のだるさ
- まれに立てなくなる
- パニック発作
二年前に、電車の中で突然、動悸がして過呼吸になり、そのまま病院に運ばれたのが 元々の始まりらしい。
その当時の思い当たることとしては、
- 独り暮らしを始めたばかりだった。
- 夜テレビをつけていないと恐くて寝れなかった。
パニックの症状としては、
- 動悸
- 過呼吸
- めまい
- 上半身が痙攣し下半身が硬直する
等であるが、発作の前駆症状で、血の気が引く感じがしたら病院からいただいている頓服を飲むと、未然に防げるらしい。
それとは関係なく普段から寝付きが悪く睡眠薬を飲んでいる等々。
腎の病証が中心で、診ると腹証も脉証も腎虚心実証を呈している。
証に従い一通り治療後、発病の原因をホワイトボードで患者さんと付き添いの患者さんのお母さんに説明。
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中野「結論から言います。月に一度の不調は月経と関連していて、これは腎臓と心臓に原因があります。」
患者「💧👀💧」
中野「鍼とお灸は東洋医学です。現代医学は西洋医学です。西洋医学の腎臓と心臓は何ともありません。東洋医学の腎臓と心臓に問題があります。名前が同じですが別物です。」
患者「💧👀💧」
中野「一番の違いは、西洋医学の腎臓と心臓は画像や切開して視ることができます。一方東洋医学の腎臓と心臓は目で視ることができません。ですからお医者様には分からない話ですが、ただし働きはあります。」
初診の最後に必ず、病気の原因を東洋医学のモノサシを用いて説明しています。
こうゆうことを15年以上続けてきての結論ですが、みなさん原因が知りたいのです。
今私の体を苦しめている原因が分かれば、西洋でも東洋でもどちらでもいいのです。
納得されると治療に来るはりが出てくるようです。
東洋医学のモノサシを使えば、病気の原因くらいは分かります!
この時の治療内容を記します。
■日本はり医学会腹診 腎肺虚、脾心実、肝平。
■日本はり医学会脉診
●脉状診 浮、数、虚。
●比較脉診 腎肺虚、脾心実、肝平。
■証決定 腎虚心実証
■適応側の判定 未来弁証により右。
■本治法
●右太谿を中野てい鍼95㍉柳下モデルで補法。
●左大陵~内関にかけて連なった邪気実を柳下圓鍼で瀉法。
●左豊隆を同圓鍼で瀉法。
■補助療法
●宮脇奇経治療 宮脇奇経腹診®より、陰維脉と陽維脉と診断。左内関-左公孫と左外関-左臨泣に金銀粒貼付。
■標治法
●異種金属圓鍼で局所の阻滞を疏通。
●龍仙打鍼で胆(=肝 きも)をすえる。
中野正得の鍼灸医学研究所
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