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原因くらいは分かります!

2020.11.07 07:16

ある患者さん。

主訴は月に一度の不調。

具体的には、月経前から月経中頃まで続くとのこと。

これが二年前から毎月必ず発症する。

その時によって症状がコロコロ変わるらしいが、冷え逆上せと左こめかみ偏頭痛は絶対にある。

その他の症状は以下の通り。

二年前に、電車の中で突然、動悸がして過呼吸になり、そのまま病院に運ばれたのが 元々の始まりらしい。

その当時の思い当たることとしては、

パニックの症状としては、

等であるが、発作の前駆症状で、血の気が引く感じがしたら病院からいただいている頓服を飲むと、未然に防げるらしい。


それとは関係なく普段から寝付きが悪く睡眠薬を飲んでいる等々。


腎の病証が中心で、診ると腹証も脉証も腎虚心実証を呈している。


証に従い一通り治療後、発病の原因をホワイトボードで患者さんと付き添いの患者さんのお母さんに説明。

中野「結論から言います。月に一度の不調は月経と関連していて、これは腎臓と心臓に原因があります。」


患者「💧👀💧」


中野「鍼とお灸は東洋医学です。現代医学は西洋医学です。西洋医学の腎臓と心臓は何ともありません。東洋医学の腎臓と心臓に問題があります。名前が同じですが別物です。」


患者「💧👀💧」


中野「一番の違いは、西洋医学の腎臓と心臓は画像や切開して視ることができます。一方東洋医学の腎臓と心臓は目で視ることができません。ですからお医者様には分からない話ですが、ただし働きはあります。」


中野「先ず腎臓から説明します。成長発育生殖を順調よく行わせる働きを東洋医学では腎臓と言います。腎臓の働きが悪くなると、成長発育生殖が順調でなくなり関連した症状を発症したり発病します。月経は生殖の一部ですから、月経前後の不調はこれが原因です。」


中野「次に心臓です。心拍動を調え、精神活動を担う働きを心臓と言います。心臓が不調になると動悸や不安にかられます。これがパニック障害の原因です。」


中野「なので、腎臓と心臓を整えるツボに鍼やお灸をしていけば、回復するにつれて段々とお悩みの症状が和らぎ癒えていきます。」


患者母「仕事が長続きしないのもよくなるでしょうか?」


中野「そちらの壁にある表を見てください。これは五行の色体表というのですが、ここに腎とありますね。その横並びが腎に関係があることですが、並びを見ていくと志とあるでしょう?志とは腎に関係が深い精神作用で、遠くを追求するという意味で、長期的に何かを根気よくやり続けるという働きのことです。腎臓が悪くなると志が保てなくなるので、それで仕事が長続きしないのです。これは怠けているとか根性がないとかではなくて、腎臓が不調だからです。今まで周りから理解されずに辛かったでしょう。腎臓を治せばこういうのも治ってきます。」


患者母「凄く納得いきました。今まで色んな所で調べてもらいましたが、原因がわからず途方にくれていました。」


患者「ようやくホッとしました。先生ありがとうございます。」


中野「これから一緒に治していきましょう。よろしくお願いします。」

初診の最後に必ず、病気の原因を東洋医学のモノサシを用いて説明しています。

こうゆうことを15年以上続けてきての結論ですが、みなさん原因が知りたいのです。

今私の体を苦しめている原因が分かれば、西洋でも東洋でもどちらでもいいのです。

納得されると治療に来るはりが出てくるようです。

東洋医学のモノサシを使えば、病気の原因くらいは分かります!

(了)

この時の治療内容を記します。

■日本はり医学会腹診 腎肺虚、脾心実、肝平。

■日本はり医学会脉診

●脉状診 浮、数、虚。

●比較脉診 腎肺虚、脾心実、肝平。

■証決定 腎虚心実証

■適応側の判定 未来弁証により右。

■本治法

●右太谿を中野てい鍼95㍉柳下モデルで補法。

●左大陵~内関にかけて連なった邪気実を柳下圓鍼で瀉法。

●左豊隆を同圓鍼で瀉法。

■補助療法

●宮脇奇経治療 宮脇奇経腹診®より、陰維脉と陽維脉と診断。左内関-左公孫と左外関-左臨泣に金銀粒貼付。

■標治法

●異種金属圓鍼で局所の阻滞を疏通。

●龍仙打鍼で胆(=肝 きも)をすえる。

中野正得の鍼灸医学研究所

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