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日本庭園       The japanese gardens

常栄寺「南溟庭」山口県・”Nanmeitei in Jyoeiji temple” Yamaguchi-pref

2020.11.08 09:01

常栄寺「南溟庭」山口県・”Nanmeitei in Jyoeiji temple” Yanguchi-pref

常栄寺・方丈庭である「南溟庭」は昭和の作庭家・重森三玲の作です。荒廃していた雪舟庭の復元作業(同年山口県内の宗隣寺も修復)のため度々山口を訪ね滞在していた重森三玲が作庭しました。その際、当時の常栄寺の御住職・安田天山(やすだてんざん)は重森三玲に「雪舟より良い庭を作られては困る。恥をかくような下手な庭を作ってもらいたい」と驚くような依頼の仕方をしたのです。重森は固辞しましたが「上手に下手な庭を作ってもらいたい」と重ねて依頼され最後にはこの仕事を引き受け、昭和43年(1968)、重森 72歳のとき築庭となりました。南溟庭のテーマは、雪舟が明国に渡り帰国するまでに往復した海をイメージしています。本来なら重森三玲は縦方向に石を立てる作風ですが、ここでは雪舟をトリビュートした水平な石を中心に構成し、やはり雪舟の構成手法であるX字型の構図を採用、一つだけポツンと置かれている小さな石を交点として石をX字状に配置し有機的な繋がりを持たせた一方、苔(こけ)による築山はセオリーを破り、逆に手前の方丈側を高くして、本堂の濡縁に立つ観賞者が上から庭=大海原を俯瞰する視点で作られています。築山の端部は洲浜形にして動きを持たせ、この部分だけは波型や斜めの直線など重森三玲の昭和40年代頃のモダンな作風がよくあらわれています。

「南溟」の由来は、作庭を依頼したご住職が荘子内篇第一「逍遥遊」からとったもので「北冥に魚あり、その名を鯤(こん)とす。鯤の大いさ、その幾千里なるを知らず。化して鳥となる。その名を鵬(ほう)となす。鵬の背、その幾千里なるを知らず。怒りて飛ぶ、その翼は天に垂るる雲のごとし。この鳥や、海の運くとき将に南冥に徒らんとす。南冥は天地なり」北溟は陰の世界、北の涯(はて)のない暗い海。南溟は陽の世界、果てし無き南の海、彼岸を望む光明の世界。雪舟は想像を絶する苦難を乗り越え海を渡り、万里の波濤を乗り越えて明から帰国した海は、雪舟にとって実に南溟ではなかったのか?との意味が込められているそうです。

また、総門である南門をくぐった境内には昔は何もありませんでしたが平成時代にモダンな枯山水が作られています。地元の造園会社によるものだそうです。

■名称:「常栄寺」

■住所:山口県山口市宮野下2001

■TEL:083-922-2272

■拝観料:¥300

■定休日:年中無休

■拝観時間:9:00-17:00 (11月~3月は16:30終了)

■駐車場:有り(無料)

■アクセス:JR新山口駅より車で約25分

“Nanmeitei in Jyoeiji temple” Yamaguchi-pref

The Sesshu garden of Jyoei-ji Temple was restored by Mirei Shigemori in 1968 due to the devastation of many years. (In the same year, Sorinji Temple in Yamaguchi Prefecture was also restored.) At this time, the priest at that time said, "I don't want you to make something better than Sesshu's garden." I want you to make a bad work. " (It seems that Shigemori refused once, but he consented at the end.) Conversely, the chief priest may have appreciated Mirei Shigemori's talent as much as Sesshu. There used to be nothing in the precincts that passed through the south gate, which is the main gate, but modern dry landscape gardens were made in the Heisei era. It seems to be from a local landscaping company.

■ Name:"Jyoeiji Sesshu Garden"

■ Address: 2001 Miyanoshimo, Yamaguchi City, Yamaguchi Prefecture

■ TEL: 083-922-2272

■ Admission fee: ¥ 300

■ Regular holiday: Open all year round

■ Visiting hours: 9: 00-17: 00 (November-March ends at 16:30)

■ Parking lot: Yes (free)

■ Access: Approximately 25 minutes by car from JR Shin-Yamaguchi Station