犬の認知症(ドイツ語記事)
こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
今回は過去、別ブログでご紹介させて頂いたドイツ語記事をこちらでも紹介します!
(記事自体は2016年のもので少し古いのですが、有益な情報だと思います。)
ティアハイルプラクティカー向け雑誌から、老犬の認知症についての記事です。
【出典】
Mein Tierheilpraktiker(Fulton Akademie GmbH) 2016年1月号
筆者:Frau Tina Ehmke(ブレーメンのティアハイルプラクティカー)
(※記事内容に一部追加箇所がありますが、今回は過去のまま載せています。)
「認知症」という言葉は対人医学が発祥で、物事の忘却が多くなる症状を指しています。
認知症といってもそこから更にカテゴリー分けをするほど、症状は様々です。
それを確かめるための検査があるのですが、その検査を動物に行うのは難しいため、「認知症」という言葉は正確には獣医学においてあまり使われるべきではないです。
(一部省略)
しかし、症状は人間のそれと似ています。
が、認知症に関して犬への研究がまだ曖昧で、この病気がなぜ発症してどのように進行するか、確かな発言ができません。
一例として、高齢での手術の際の麻酔が認知症を呼び起こす可能性があると言われています。
【彼女の診療所で見られた、認知症発症の原因となったもの】
・てんかん発作
・脳腫瘍
・脳の障害
・老化による前庭疾患
・老齢症候群全般
・麻酔
犬の認知症という病気が正式に公認されていないため、診断は症状のみで判断されます。
【典型的な兆候】
・食後、器のところでこわばって立ちすくみ、やや前方にうなだれた状態で前を見つめ続ける。飼い主さんが呼ぶまでその状態が続く。
・幽霊でも見ているかのように、何もないところを見ている。周りを見回して吠えたり身体を振ったりする。
・部屋の中で、まるで自分がどこにいるのか分からないかのように周りを見回す。
・食後すぐなのに、まだ何も食べてないかのようにお腹を空かせている。
・うたた寝をするが眠らない。
・飼い主の後を家中追いかける。飼い主が外出すると吠え始める。
人間の認知症と同じく、「赤ちゃん返り」を見せることもあり、各々の症状は対処が大変なこともありますが、この犬を支えようと決めたならば、その飼い主さんは大きな愛情をその犬から返してもらうことになるでしょう。
散歩中においては、そこら中を駆け回り、人間の認知症と同じく、とても喜びに溢れた表情をします。
散歩に行ったばかりなのにそのことを忘れ、すぐにでもまた散歩に行きたがることがよくあります。
気をつけなければならないのは、その犬がいきなり全く何も食べなくなったとき、もう生きる意志がないように解釈されがちなのですが、認知症を伴う場合はそうではなく、ただどこにエサの器が置いてあるかを忘れてしまっているだけなのです。
その場合は器を犬の鼻先まで持っていき匂いを嗅がせてあげることで食べてくれます。
【分離不安とコントロール能力の低下】
認知症の犬をひとりきりにさせることは避けましょう。でないと、その子は強い分離不安に陥ります。
これは以前はそうでなかった犬にも起こる現象です。
触ろうとするとビクッとして引き下がるというような現象も見受けられる場合があります。
仔犬というものは朝起きたらすぐに用を足さなければなりませんが、老犬もそれは一緒です。人間同様、認知症の犬にも失禁が起こることがしばしばあります。
この症状が飼い主にとってはとても厄介ですが、おむつを履かせるなどの対策もとれるでしょう。
認知症の人を介護した経験のある飼い主さんであれば、犬が認知症になってもうまく対応できる傾向にありますが、その経験がない飼い主さんであっても、状況を正しく受け入れてうまく付き合っていくことが可能です。
犬は習慣の動物です。
できる限り今までの習慣を変えるべきではないので、認知症に陥ったからといってガラッと生活スタイルを変えるのでなく、できるだけ変化のない形で介護してあげられるとよいでしょう。
この病気には「安定」というものがとても重要です。老犬にとっては「安定=安全」となるでしょう。
【常に監視下で】
認知症の犬には常に気を向けておかなければなりません。
庭に出す際も等しく。ときに石ころにつまずいて怪我をすることだってあるのです。
もしくは、飼い主さんがいないと思ってパニックに陥ることだってあり得ます。
散歩の際に、犬が(散歩へ出るのと)違う扉の前で待ってるようなことがあれば、明らかに認知症が疑われます。認知症はそういった症状が徐々に増えていくものです。
脚が弱り、階段の上り下りがきつくなってきて、階段から落ちてしまったりもします。
【運動神経系の変化も】
前足の開きが狭くなり、左右にブレながら歩くようになります。
【認知症発症に影響を与えうる要素】
・ストレス
・薬
・環境毒
・遺伝
もし愛犬に認知症と疑われる症状が出たとしても、どうか途方にくれないでください。
その子が仔犬のときどれほど手間がかかったかを思い出し、それと同じことをまたやってあげればよいのです。
-----記事はここまで-----
いかがでしたか?
発症するきっかけとなりうるものはやはり脳へのダメージが多いみたいですね。
犬さんに限らず、老齢猫さんの夜鳴きや粗相の話もたびたび耳にします。
うちのハチワレさんが我が家にやってきて数日間、不安だったからでしょう、夜中中鳴き続けて寝不足になったことがありました。
あの数日間だけでもなかなか堪えましたが、認知症の犬さん猫さんの飼い主さん方はずっとそれと付き合っていかねばなりません。
きっと本犬、本猫たちもしんどいでしょう。
動物自然療法でそれらの問題をどこまで解消できるかはわかりませんが(個々によって改善したりしなかったりするでしょう)、認知症になった子たちのQOLの向上を図るのに、バッチフラワーのように精神に作用するものやハーブ等で神経系に作用するものを試してみるのも一手かもしれませんよ!
そう言ってる人間側も、認知症予防として抗酸化食材を日々意識して摂取したいものですね!
ではでは、本日もご訪問頂き、ありがとうございました!