Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

中島輝 Official Media「旅をする木」

【電話を取らない新人】その本当の理由と原因は

2020.11.09 07:38

スマホが普及したことにより、固定電話の操作方法がわからない、

そもそも使ったことがない、という若者が増えてきたのではないでしょうか。

そんな中、新入社員として会社で働きはじめた新人の方にとって、

最初の仕事でもある「電話を取る」という業務は、

意外にハードルが高くなっているかもしれませんね。


ですが、固定電話の操作方法自体は単純なものですから、

覚えることはさして苦にならないでしょう。

しかしそれでもなお、電話を取らない、取れないという人がいるのは、

一体何に原因があるのでしょうか。


「なぜ電話を取らないんですか」こんな疑問を新人の方にぶつけてみると、

「重要な仕事だと思えないし、自分には関係ないことなので」

「自分が出なくても、他の誰かが取ると思うので」といった答えが返ってきました。


上司や先輩からすると

「社会人をなんだと思っているんだ!」「仕事をなめているのか!」

と怒りたくなるかもしれませんね。

しかし、世代が違えば考え方も変わる。

今の若者は、馴染みがない固定電話を取ることを重要視していないのです。

これは、電話を取る理由や意義という

大前提を理解・共有できていないために起こることと考えられます。


だからこそ頭ごなしに「電話を取れ!2コール以内に取れ!」

と怒鳴っても効果はありません。

なぜ電話を取らなければならないのか、

電話を取らなければどういった不利益が会社や顧客に及ぶのか、

そのような理由や意義をきちんと伝えることが大切です。


さらに言うと電話を取れないのは「自己肯定感が低い」という理由が考えられます。

新人の方が「重要な仕事だと思えない」「他の誰かが取る」という思考に至ってしまうの

は、知らない誰かと話すことが怖い、上手く対応できなくて怒られるのがいやだ、

といった不安があるからです。それによって、

電話を取るという目の前の問題から逃げてしまうのです。


でもこれは、何も電話を取らない新人の方だけに言えることではなく、

全ての人に言えることなのです。誰しも失敗して落ち込んだり、

悲しくなったときは、逃げ出す理由を探してしまいます。どうでしょう、

このような経験ありませんか。

こうならないように、またこのような状態を脱するためには

自己肯定感を高める必要があります。


まず自己肯定感を高めるためには

「自分の行動が他の誰かの役に立っている」という貢献感が重要です。

電話を取ることが重要ではないという思い込みに対して「あなたが電話を取ることは、

立派な仕事の一部で、確実に他の誰かの役に立っている」と説明しましょう。

そして仕事をこなしてくれたことに対して「ありがとう」

と感謝の意を伝えることが重要です。

どんなに小さなことであれ、貢献してくれているのですから。


自己肯定感が低くなっているときは、瞬発的な幸福感も必要です。

初めて会社という組織に所属し、仕事だけでなく、新しい生活もスタートして、

周りには先輩や上司ばかり。


配属後の不安で心が不安定になり、

ネガティブな思考に陥っているかもしれません。

そんなときは、小さなことでもいいので、

ちょっとした成果なり結果なりを出すことがおすすめです。

自分の机の上をキレイにしてみたり、

好きなお菓子を持ってきたりと、どんなことでもかまいません。

小さなことで幸福感を高めましょう。


働いている限り、いやなことは絶対に起きるものです。

成果第一主義のこんな時代に、誰宛かもわからない電話を取ることは、

無駄だと感じてしまうのも仕方ありません。

こう考えてしまった際に有効な方法として、

if-thenプランニングというものがあります。

これは「もしAをしたらBする」とあらかじめ計画を決めておく手法です。

このAとBはなんでもよいのですが、

例えば「今日仕事が終わったら、見たかった映画を見よう」

「もし電話を取ったら、好きなごはんを食べよう」といったように。

これを意識して、言葉にするだけで自己肯定感は上がっていくのです。


いかがでしたでしょうか。

電話を取らない、取れない原因としては、

そもそも電話を取らなければいけない理由が理解できていないことや、

自己肯定感の低さから生まれる恐怖心などが考えられます。


まずは電話を取る理由や意義をきちんと伝えてあげましょう。

そして自己肯定感を高めることが大切です。

ですがこれは決して新人の方だけに言えることではありません。

先輩や上司の方は、目的や意義が理解できるような説明を心がけるなど、

自分とは性質の異なる他人とも積極的にコミュニケーションを取れるように

感受性を豊かにしなければなりません。


そのためには、指導者側だって自己肯定感を高めなければならないのです。

「自分の時代は違った。とにかく電話を取れの一点張りだったのに」

という思考ばかりになってしまうのは、

今から目をそらしているだけとは言えないでしょうかるか。


自分とは違う価値観や考え方を持つ人とこそ、

コミュニケーションを介して意義や目的を共有し、

理解を得ることは現代社会において必要なことです。


これを機会に、ぜひ自分の仕事スタイルを振り返ってみてはどうでしょうか。