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「宇田川源流」 欧州で広がるアジア人差別の行き着く先とその原因とはいったい何なのか?

2020.11.11 22:00

「宇田川源流」 欧州で広がるアジア人差別の行き着く先とその原因とはいったい何なのか?


 日本ではやっと第二はというような状況になっている「コロナウイルス」であるが、ヨーロッパではそのような状況ではなくなってきている。もちろん、アメリカではコロナウイルス禍の対処によって現職の大統領が選挙で敗れるということになってしまったのであるから、疫病というのは様々あ「人間心理の闇」が現れることになるのではないか。

実際に、1348年、ジェノヴァやマルセイユからヨーロッパへと上陸して急速に拡大した黒死病の原因を、ユダヤ人による毒物投棄に求める噂がヨーロッパ各地で見られたことが、様々な史料に記録されている。この迫害などに関しては歴史上または学説上様々な異説が唱えられているが、実際にこのような「噂」が流れていることや、その後もユダヤ人の迫害などが存在していることから、全くなかったとするのは難しいのかもしれない(政府や集団が大掛かりでやったというようなことにまではならない可能性があることは様々な学説がある)。

さて、このような迫害が起きるのは基本的には「普段の迫害」はある。実際に、ユダヤ人の迫害は、ローマ帝国がキリスト教を国教として定めたことから、異教を迫害することにつながり、そのことからユダヤ人がローマ帝国支配の周辺に逃れるところから始まる。ユダヤ人とキリスト教徒は宗教的慣習を異にし、教義においても多くの面で対立する一方、ヨーロッパでは一つの都市に共存することが多い。また経済などの関係でユダヤ人とキリスト教徒が関係することも多く、あまり周辺を頼れないユダヤ人が物質的なものに執着するという姿はシェイクスピアの「ベニスの商人」などに書かれている。マジョリティであるキリスト教徒にとって、マイノリティであるユダヤ教徒は日常的に接するアウトサイダーであり、理解できない他者であった。この「理解できない他者」が、何らかの影響で神の怒りを買いまたは迫害の服主として毒を混ぜたというようなことを言うのは、おかしなことではなく、また集団心理的に、何か疫病などで疑心暗鬼になり何かに責任を転嫁したいという心理状態の時にはマイノリティでありなおかつ弱者でありながら物質的なものを持っている人々が、やり玉にあがるのである。まさにこの黒死病の時のユダヤ人迫害はそのような集団心理に基づいたものであったと考えることは十分にありうるのではないか。

「アジアの女には性的虐待をしたって構わない」コロナ感染再拡大で欧州に広がるアジア人差別、手を出された被害者も

 新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、欧州各国は次々とロックダウンの措置を講じているが、新型コロナウイルスの感染再拡大とともに深刻になっているのがアジア人に対する差別だ。新型コロナウイルスの流行をアジア人の責任だと押し付け、さらに2度目のロックダウンになったことで、欧州ではアジア人差別が横行し始めているという。

 欧州の中では最も早く2度目のロックダウンを発表したフランスは、アジア人差別が顕著だ。フランスのSNSではアジア人への差別を訴える声が広がり、ネット上では「コロナを広めたアジア人狩りをしよう。アジア人は制裁を受けるべきだ」「アジアの男には暴力を振るい、アジアの女には性的虐待をしたって構わない」といったような衝撃的な言葉が並んでいるという。日本でも、欧州在住のとある日本人が、パリでアジア人を見かけたら殴ろうというデモが起きているとTwitterで報告し、多くのリツイートを集めて話題になっていた。パリ在住の元フジテレビアナウンサーの中村江里子氏も、自身のブログで夫のオフィスにいるアジア人の同僚が電車で新型コロナウイルスの感染拡大を理由に恫喝されたことや、差別の被害に遭わないために娘に外では極力、日本語は使わず、できるだけフランス語で話すように伝えたと綴っている。それほど現地の事態は深刻なようだ。

 「初めは一部の人がSNSでただコロナをアジア人のせいにしているだけという感じでしたが、そこから1~2日で一気にSNSを中心にアジア人を潰そうというような運動が広がりました。現地に住んでいる中国人の方が、実際に殴られた傷をTwitterにアップするなど被害も出ているようですね。もともとフランスにはアジア人を差別する環境が少なからずあったことも、今回のアジア人差別に拍車をかけた気がします。現地に住む日本人は、スーパーに行く回数を減らして外出を避けたり、特に子どもは一人で外に出さなかったりして対策しています」(フランス在住日本人)

 フランスに続いてロックダウンを発表したイギリスでは、フランスほどではないものの、ロックダウン以降、アジア人が嫌がらせを受けたという声がある。アジア人家族の家の前にゴミが置かれていたり、アジア人が電車で知らない人に「コロナは出ていけ!」と言われたりと、少なからず被害はあるようだ。

 「イギリスはもともと多くの人種がいて、差別することには敏感でもあるので、フランスのようにSNSでアジア人を潰せというような運動は今のところ展開されていません。ですが、心ない言葉を発する人は一部でいます。私の周りでは手を出された日本人はいませんが、みんな、外でコロナの話はしないなど、警戒はしています」(イギリス在住日本人)

 一方で、あまり差別が感じられないというのがドイツだ。ドイツはフランスと同日にロックダウンを発表したが、ロックダウンそのものには反発がありデモなどが行われているものの、新型コロナウイルスの流行をアジア人と結びつける人は少ない。田舎の方では知らない人に「お前のせいでまたロックダウンになった」と言われたアジア人がいたという話は聞いたことがあるそうだが、ドイツ在住の日本人の声を聞くと、現地はそこまで深刻ではないという。

 「そもそもドイツではロックダウンをしてもあまり生活に支障がないと思っている人が多いです。娯楽施設や飲食店は閉まっていますが、飲食店ではテイクアウトもできるし大きなスーパーも開いているし、ロックダウン自体をそこまで窮屈に感じていないという声が多いですね。ロックダウン後、子どもと近所を散歩しましたが、知らない人が挨拶をしてくれますし、いつもと変わらない光景です。とは言え、ロックダウンに反対する人は一定数いるので、フランスのようにアジア人差別を呼びかける運動がいつ始まってもおかしくないなと怯えてはいます」(ドイツ在住日本人)

 新型コロナウイルスがもたらした弊害は、差別にまで及んでいるようだ。

2020年11月05日 06時00分 リアルライブ

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12184-200069088/

 上記にあるような「パニック状態におけるマイノリティの迫害」というのは二つの状況を生み出すことができる。一つは、「原因の追求と排除」ということによる「一時的な安心の確認」である。実際はユダヤ人が黒死病の原因ではないので根本的な解決にはなっていないのであるが、少なくともその集団の中においては、原因とされたものの排除があるのだから集団に一瞬であっても何らかの安心が広がることになる。当然に、普段からの差別意識の解消などがその中に含まれることは間違いがない。そしてもう一つは「共通の敵を作ることによる同一性の団結」ということが生まれることになる。第二次世界大戦中のドイツにおいてアーリア人至上主義を元にしたユダヤ人迫害は、まさにドイツ人の特別意識とドイツ人の団結を作り出すものになったのである。

さて、黒死病の現代版とヨーロッパではなって切るのが「新型コロナウイルス」である。

黒死病の時とすでに600年の時が経っているが、実際にヨーロッパの人々の感覚はあまり関係がない。つまり、コロナウイルスに関しても「迫害」が始まっており、そのことが今回はユダヤ人ではなくアジア人に向かっているということになる。

「初めは一部の人がSNSでただコロナをアジア人のせいにしているだけという感じでしたが、そこから1~2日で一気にSNSを中心にアジア人を潰そうというような運動が広がりました。現地に住んでいる中国人の方が、実際に殴られた傷をTwitterにアップするなど被害も出ているようですね。もともとフランスにはアジア人を差別する環境が少なからずあったことも、今回のアジア人差別に拍車をかけた気がします。現地に住む日本人は、スーパーに行く回数を減らして外出を避けたり、特に子どもは一人で外に出さなかったりして対策しています」(フランス在住日本人)<上記より抜粋>

まさに黒死病の時と同じで、実査にアジア人に対するフランス人の「札からの差別感情」があり、その上でコロナウイルスが存在し、ある程度パンデミックによる恐慌状態が存在し、そして、その感染源というか発生源が中国(武漢)であると広く知られており、その差別感情に加えて、フランス国内におけるマイノリティでなおかつ弱者、そして、その弱者でありながら生活の中に密接にかかわってくるという環境にあるものである。まさに黒死病の時のユダヤ人の置かれた立場と同じであり、そのことがフランス人の差別官能からくる「迫害行為」に結びついているのである。

実際に、このコロナウイルスが流行する前は、フランスは反マクロン政権の「イエローベストデモ」が行われていた時であり、そのことから国内の団結を必要とするときに「反政府」ではなく、国内にいる弱者にその矛先が向かったということになる。

最も気を付けなければなあないのは「中国人」ではなく「アジア人」になっていることである。実査に90年代のアジア通貨危機の時もそうであったが、外国の人から見ると、中国人・韓国人・朝鮮人と日本人は全く区別がつかないようであり中国人の悪事もなぜかいつの間にか「アジア人」として同一視されてしまうのである。このために日本人の被害も少なくなくなってしまっている。

同時に「国内の団結」を目指さなければならないフランスにおいては、基本的には「法の執行を行う」ということで傷害事件などは取り締まるものの迫害という感情または犯罪にまで発展しない行為に関しては、放置してしまい、そのことによって治安維持を求めることになる。つまり政府もあまり信用できない状況にあるということになるのである。これはヨーロッパにおけるアジア人の迫害の面倒なところであろう。

実際にWHOがしっかりとそのウイルスの発生源を見つけてくれなければ、なかなかこれらのことはうまくゆかない。そしてその国内の矛盾を排外するために「アジアに対する攻撃」というようなことに発展すれば、それは戦争になるのではないか。この迫害の動きは「かわいそう」道場するよりも、そのような拡大化しないかを考えるべきではないか。