xotic Ep-booster
今日は私のもっとも好きなエフェクターのひとつ、xotic Ep-booster についてです。
この商品の発売は以前勤めていた楽器店の時でした。xotic の登場は高価なペダルのはしりのひとつだったと思っていますが、そんなブランドから比較的抑えられた価格で登場しました。
当時、発売前の資料を読んでいたところ、単純にブースターというくくりでもなさそうな印象を受けました。現在のメーカーサイトにも記載されておりますが、有名なギタリストの名前が並ぶ中、もともとはディレイ効果を得るもの、その機材を通すことで音が太くなる、という MAESTRO 社の ECHOPLEX、EP-3 のプリアンプ部分を再現している、というのが Ep-booster なんですが、本来、ディレイ効果を得るモノがオリジナルなのになぜに名前にブースター?と思いながらも入荷を待ち、初めて入荷した時はその佇まい、質感と重量に驚きました。
今現在、小型サイズのエフェクターはどんどん増え続けておりますが、このサイズは当時斬新で。プラグも中で互い違いにならないと収まらないほどの幅なので本当に斬新でした。
この斬新さは xotic AC-Booster、RC-Booster が発売された時にも感じたもので、こんな価格で売れるのか?と思ったものですが、あっという間にベストセラーになっていった記憶があります。当時は BOSS や Digitech、MXR、electro-harmonix が主流の時代、歪み系の単体コンパクトで 30,000円近辺というのは珍しく、現在では当たり前になっている True Bypass という仕様もこの 2機種の登場からメジャーになっていったように思います。
Ep-booster に戻ります。初めて弾いたのは当時試奏用で使用していた Roland JC-120、第一印象は「ジャズコってこんないい音だったっけか?」というものでした。毎日聴き慣れたアンプの音なのに明らかに違う、しかも Ep-booster のつまみはゼロ。なんだこりゃ?という艶っぽくエロい、クリーンの出音に感動し、最初の一台は店頭に並ぶことなく私が買っておりました。
この Ep-booster の魅力はアンプからの出音、とくにクリーン時の出音を単純に良くしてくれる点、にあると思ってます。こういうモノは他にあまりないのと、似た効果はバッファーがそれにあたると思いますが、バッファー単体で導入される方はさほど多くはありません。その点、Ep-booster はコンパクトサイズでワンノブ、操作も効果もわかりやすいので即導入、という方が多かったのだと思います。
ゼロで常時 ON でイコライザー的に使う、好きな位置につないでブースターとして使う、はたまた頭につないで常時 ON、さらに最後にもつないで全体的なブースターという 2個導入、いろいろな方法をおすすめさせていただきましたが、その他におすすめの使い方をひとつご紹介させていただきます。
Ep-booster を用いた昔ながらのエフェクターに有効な後段ブーストです。
ヴィンテージ系エフェクター MXR など、OUTPUT が 12時の位置だと ON にした時にドライよりも音量が下がってしまうモノがあります。ON 時/OFF 時の音量を揃えるには OUTPUT を 14時あたりまで上げなくてはなりません。かかり方も必然的にエグめになります。ここが良い部分だったりもしますので、この方法が絶対的に正しい、とは言いませんが、ヴィンテージ系エフェクターの OUTPUT は抑えめに、その分を後ろに接続した Ep-booster の LEVEL で音量を稼ぐ、こうするとヴィンテージ系エフェクター側の OUTPUT を上げなくても音量差を揃えられるので、かかり方にも変化が現れます。こんな音も出るんだ、という新たな発見があったりもします。この位置で使いたいけど音量差が...、とお悩みの方におすすめの方法です。
この方法は現代のエフェクターにも有効です。エフェクターでは控えめに音をつくって Ep-booster で後段ブースト、また違った感じの音になるので奥が深く、なかなか楽しいものです。
エレキギター、ベースはもちろんですが、ピックアップを後付けしたアコースティックギターにも私は使用してきました。アコースティックギターの時は内部のディップスイッチを切り替えて使用しております。ディップスイッチについてはまた後日、記事にしたいと思います。
おつきあい、ありがとうございました。