コンセントから蛤になる雀
鴇田智哉・句集『エレメンツ』(素粒社)
滝壺の風のひろがりつづけたり 鴇田智哉
くさむらを出てゐる虹に苦みあり 同
コンセントから蛤になる雀 同
http://www.seimei-in.com/wp02/7029165/ 【雀大水に入り蛤となる】
いきなり言われても、意味分かりませんね(笑)スズメがハマグリになる・・・!?
こんなことを言っていると、「ついにアイツ、精神を病んだか。」と、言われそうです(苦笑)ご存知の方いらっしゃいます???
しかし、これでピーンと来る方は、俳句に精通されている方か、二十四節気に精通している方でしょうか。
実は、この言葉は一説によると、秋の季語として最も長いものとして知られております。
(季語の場合は「雀海に入り蛤となる」となるようです。)
そして、二十四節気では秋分と霜降の間に「寒露(かんろ)」という時季があります。
ちょうど10月の前半あたりでしょうか。
この二十四節気の各々の期間を、さらに三等分したものを「七十二候」と呼びますが、
「寒露」の期間の七十二候に、この言葉が出てきます。
意味的には、「秋になると雀が大群を成して海辺にやってくる。その大量の雀たちも、いつの間にか姿を消していく。なぜかというと雀が蛤の化身で海(大水)に入っていくからだ~(色彩が似ていることから)」という意味です。
転じて、「モノゴトは刻々と変化するものだ~」という意味として使われるそうです。
(秋は季節の変わり目であり、季節が変化することと、雀が蛤に変化することを掛けている)
これは、中国の古典『国語』に記載されている言葉です。
中国人の発想はいつも面白くウィットに富んでるな~と思います(笑)
なぜこの言葉をタイトルに選んだかというと、4月に大きな変化が私にも訪れたからです。
院長ブログでも触れて頂きましたが、この度、4月より、
新大久保にあります、東洋鍼灸専門学校にて「東洋医学概論」という授業を、
週一回、昼夜、非常勤講師で通年担当することとなりました。
これもひとえに院長を初め、周りの方々のご尽力あっての事ですので、感謝感謝です<(_ _)>
そして、
「東洋医学概論」という教科は東洋医学の基礎理論から診断、治療理論までを網羅する、非常に重要な科目です。
東洋医学的な立場に立って病を治療しようとする際には、欠かせない知識を学ぶための教科です。
ですから、教える立場としては責任重大ですね(苦笑)
私なりに、少ないながらも得た臨床経験と、東洋医学に対する見解を、
生徒の皆さまにお伝えできるよう努力させて頂くつもりです。
この「学校教育」というモノも、このブログを通して、何か書ければいいなと思っております。
私もハマグリになれるのか、はたまたシジミになるのか、それともアワビになるのか分かりませんが(笑)、
新たな環境でチャレンジしていこうと思います!!
http://yomo.shumpu.com/?p=1395 【スズメとハマグリ】 より
し残した仕事ばかりが秋の宵坪内稔典さんの『季語集』を読んでいたら、面白い季語について書いてありました。
「雀(すずめ)海に入りて蛤(はまぐり)となる」十六字もあります。
俳句は五・七・五で十七字ですから残り一字しかありません。無理!なので、ふつうは、「雀蛤になる」と縮めて用いるのだとか。
言われてみれば、スズメとハマグリって色や形がなんとなく似ている気がします。
子どもの頃、一番下の叔父さんが空気銃で撃ち落した雀を祖父のトモジイが焼き鳥にしてよく食べさせてくれました。
こんな美味しいもの世の中にあるかと、ばくばく食べたものです。
数年前、叔母さんから聞いたのですが、トモジイは、美味しい胸肉の辺りは孫の私や弟にくれ、頭とか足なんかのどうでもいいような部位を自分の子にあげたというのです。
孫にはかなわないと、叔母さん、ちょっぴり哀しかったそうです。
村上鬼城の句に「蛤に雀の斑(ふ)あり哀れかな」があります。
あんな美味しい雀は食えなくなったけど、その代わりといってはなんですが、わたしは、
焼き蛤も大好きです。炭火で炙った蛤がパカッと開いたら、醤油をちょっと垂らします。
えもいわれぬいい香りが立ちのぼってきます。
わたしの場合、風流よりも食い気です。
焼き蛤(はま)に雀の味を思い出し、てか。
野分の日口をへの字の候補人