ハイデッカーとスーパーハイデッカー①
現在の国産大型観光バスのボディバリエーションにはハイデッカーとスーパーハイデッカーの2種類があります。その違いは、背の高さにあります。一般的に、凡そ全高3.3mの車両がハイデッカー、同3.6mがスーパーハイデッカーとされて来ました。しかし、現行モデルではジェイ・バス(いすゞと日野)の全高は3.500mと3.750m、三菱ふそうも全高3.460mと3.535mです。全車がスーパーハイデッカーになったのでしょうか。そうではなく、現行モデルは直結冷房を採用しているので、従来は床下に搭載していた冷房装置を屋根の上に搭載しています。従って、全高は高くなっていますが、それは屋根の上が出っ張っているからです。ちなみに、現行モデルでは三菱ふそうのスーパーハイデッカーのみ、冷房装置を従来通り床下に搭載しています。ハイデッカー/スーパーハイデッカーのネーミングから分かる通り、「デッキ=床」の高さを示しています。従って、日本語で表すと「高床式」と「超高床式」となります。では、何に対して床が高いのでしょうか。以前は、観光バスも路線バスとほぼ同じ背の高さで、車内にタイヤの出っ張りがありました。このタイプの車両が「標準床」であったのに対して、タイヤの出っ張りがなく、「床が高い」タイプが「高床式」と呼ばれるようになったと思われます。ちなみに、路線バスは出入り口にステップが2段あったバスが「標準床」、ワンステップが「低床」、ノンステップが「超低床」と呼ばれていました。観光バスに関しては「床」の高さを表すのに、車両の高さで比較するのも少し矛盾を感じなくもないですね。更に、これだけバス業界でハイデッカー/スーパーハイデッカーの呼称が一般的に使用されているにもかかわらず、実は正式な定義は存在しないということは内緒にしておきましょう。
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~次回バス車輛について「ハイデッカーとスーパーハイデッカー②」予定~
はとバスの豪華バス「Legato」もハイデッカー(写真上)とスーパーハイデッカー
(写真下)の2種類があります。