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《大肉球曼荼羅 第2章⑧レストラン花花》

2020.11.12 02:30

だんだん寒さが増してきましたね。朝晩がとても寒いです。


画像の作品は、今年の二人展で発表した「ようこそ!アンニャミラーズへ♪」可愛いユニホームを着た娘猫さんは、猫の星のアンニャミラーカフェで働いています。


こちらの原画やポストカードは、東京 高円寺の猫雑貨&ぎゃらりー 猫の額さんで、購入できますよ♪見に来てくださいね(こちらのお店のHPのリンクは、記事の一番下にあります)


では、物語の続きをお楽しみ下さい。


《大肉球曼荼羅 第2章⑧レストラン花花》


あれから数日後…


星の猫達が、待ち望んでいたアンニャミラーカフェが、星の各地で次々とオープンし、猫達が大喜びで足を運び、トップアイドル、ロドニアがプロデュースした、美しく可愛らしいスィーツ達が、猫達の心とお腹を満たし幸せな気分、まるで天国のよう


同時に本店も、洋菓子店も連日の大行列

その中に、アクアさんの姿もありました。早朝から並び、お目当てのロドニアケーキを手に入れ幸せ気分、入手したロドニアの限定ブロマイドを、ソッと仕事場の宇宙船の操縦席に飾ったり、休日には、アンニャミラーカフェ巡りをし、イキイキと過ごしているのです。


その数週間経った頃でしょうか?

アクアさんが、満面の笑みで、猫沢さんの研究所に訪れました。


「お久しぶりです。猫沢博士~!」

「どうしたんですか?珍しい」

「差し入れ、持ってきました~!」


差し出された、大きな箱のソレを見た猫沢さんは、一瞬、ゾワッとしたのです…


「あ、ありがとう、、、いただきます。こんなに沢山いいんですか?」

「はい!私、ロドニア君の限定ブロマイドを集めたくて、全店舗制覇したくて…でも…さすがに食べきれなくて…」


モジモジするアクアさんを、たしなめるように、


「そうでしたか…でも、程々にしてくださいよ。そんなに沢山食べては、体を壊してしまいますよ…」

「そうですよね。でも、止められないんです。食べないと落ち着かないと言うか、食事替わりにしてて…最近食べ過ぎてしまってます……」


猫沢さんは、若干パサパサになったアクアさんの毛並みの衰弱具合を見て、再びゾワッとしました。

学生時代の記憶が、脳裏をかすめ、まるで昔の自分を見ているようなのです…。


「朗報があります。アクアさん、花音(かのん)さんのレストランを訪ねなさい」

「花音さんのお店?」

「実は先日、この近くにオープンしたんですよ。お菓子ばかり食べていては、栄養が偏って、せっかくの美貌が台無しですよ」

「ほんとですか!!花音さんの手料理が!? 猫沢博士、今の私って台無しになってますか!?!?」

「…はい…」


アクアさんは、応接室にある鏡に映る自分の姿に言葉を失い、レストランの略地図を手に外に飛び出していきました。



「博士、アクアさんの「波」とても荒くなっていますね…」


助手マシンのΣ-41が、心配そうに見送っていました。


「たった数週間で、あの状態だ。非常にマズイ…」

「ところで、これ、どうするんですか?」

「うーん…うちのスタッフは、食べないからなぁ…どーしようか…」

「捨ててしまうのは、忍びありませんね…」

「あ、そう言えば…」


猫沢さんは、とある種族の存在を、思い出しました。

猫ではありませんが、交流の深い星の民です。


「ナッツメックの民なら大丈夫はずだ…プレゼントしよう」

「あの黄色い人達ですか?」

「そうそう、えーと確か彼らとコンタクト取るには…」


そう言って、通信端末でコンタクト先を探しだしました。


「あったあった!」


メッセージを吹き込み、送り出しまします。

すると、すぐ返事が…


「良かった、受け取ってくれるらしい、ちょうど、この星に滞在していたようだ」

「良かったです。他の成分は大丈夫なのでしょうか?」

「猫の星の大半の食べ物は摂取可能だ、ロドニアケーキの材料も良いものを使っている。ただ、ロドニア・カンパニー自身が出している駄菓子類はアウトだ…」

「ロドニア達は、ナッツメックの民の事は知っているのでしょうか?」

「知ってるんじゃないか?食べ物については、どうか分からないがね…」

「どうして、博士は知ってるのですか?」

「少しばかり親交が深いだけだよ、彼らは、この星のウトゥサを必要としているんだ…」

「必要?」

「彼らの星のウトゥサは、とても小さくて少量しか実らないが、この星のは大きくて美味しいと評判なんだよ…それをロドニア達に大量に使われてしまったら、大変なことになる…」

「猫達には毒、彼らには必要なエネルギー…だから、この星に…」


Σ-41は、ふと、地球の事を思い出しました。

テラビト達の食べ物が、動物達にとって毒になる事を…また、その逆にさえなる事も…

猫の星よりも多くの生物達が共存する星…地球


「彼等に知らせなくては…ロドニア達に、あの畑を見つけられたら大変だ…」


猫沢さんは、何かを思い出したように、再び、ナッツメックの民に連絡していました。

そして、猫居博士にも…


ウトゥサとは、カンタスカラーナに自生する、地球のトウモロコシに、よく似た植物、

茎や実は、とても甘く絞り出し精製して使っています。地球時間で5~60年位前までは、大量に栽培され普通に食品として使われていましたが、猫達の健康を損なう物質として使用中止された物、現在は、気付け薬等に使われ、特殊免許を持った猫達のみが扱っています。


猫沢さんは、学生時代に研究室からコッソリと、ウトゥサをつまみ食いし続け、激しい中毒になった辛い経験があります。とても甘く魅惑的で美味しいウトゥサは、まさに「美味しい毒であり劇薬」


それが、再び、現代に現れたのですから…過去を知らない猫達にとって、とても甘くて美味しい未知の味…

ウトゥサの恐ろしさを知っている猫沢さんにとって、とんでもない一大事なのです…。


地図を手にしたアクアさんは、大通りのアンニャミラーカフェ1号店の真向かいにオープンした店の扉を、ソッと開けました。とても小さな看板には「レストラン花花」と可愛らしい花文字が…


「こんにちは…」

「あら、アクアさん、いらっしゃいませ」

「花音さん、お久しぶりです。猫沢博士に聞いて来ました。オープンおめでとうございます」

「ありがとう。綺麗なお花ね♪」


アクアさんは、近くの生花店でラッピングしてもらった花束を渡すと、キョロキョロしながら店内を見渡します。

素朴なカントリー調の店内には、大きくて派手な招き猫らしき置物が…


「あら、これって…?」

「テラの置物よ。縁起物なんですって♪お土産に貰ったのよ」

「Σかと思いました」

「そうね、テラの猫族はΣちゃんみたいね。はい、メニューをどうぞ」


メニューを眺めるアクアさんの目に飛び込んできたのは…


「花音さん!私、これが食べたいわ!!」

「宇宙海の美容スープセットね♪待ってて」


花音さんは、ニコニコして厨房に入っていきました。

オープンしたばかりだと言うのに、やけに静かです。

それもそのはず、彼女は、宣伝を一切していないのですから…


「おまたせしました」


温かい湯気に包まれたスープの中には、宇宙海で獲れた新鮮な魚介類が入っています。そして、猫庭博士の畑の野菜サラダ、大きなパニャーンがトレイに…アクアさんは、目を輝かせます。


「美味しそう…お魚なんて、すっごく久しぶり♪」

「宇宙岩塩もたっぷり入ってるわよ。ゆっくりしていってね」


アクアさんは、無言でモクモクと頬張ります。

アンニャミラーカフェが、オープンしてからの彼女の食事は、甘いスィーツ中心でしたので、塩気のある食べ物は、数週間ぶりなのです。


宇宙岩塩とは、カンタスカラーナの周りを浮遊する岩のような塩の塊で、猫達の大切な栄養分です。


「アクアさん、今日はお休み?」

「はい、向かえのカフェと本店を食べ歩いてきました」

「ロドニア君が好きなのよね?」

「はい!」

「これ、差し上げるわ」


花音さんは、あの時のパーティーで貰った記念品を、箱から丁寧に取り出しました。


「え?花音さん、どうしてこれを?」

「私は、この星の飲食に携わる仕事をしてるから、あのお店のパーティーに招待されたの、けど、この子のファンではないのよ…持っていても、ね…。あなたが持っていてくれた方が良いわ」

「あ、ありがとうございます!いいんですか?」

「ええ」


花音さんは、ニコニコして、デザートのトルソ饅頭をテーブルに置きました。


「あと、これはね、甘いお菓子を食べた後に食べると、甘い成分がお腹の中で中和されるの、もし、また、食べ過ぎてしまった時は、ここに来なさいね」

「はい!」


すっかりお腹いっぱいのアクアさん、トルソ饅頭をテイクアウトして自宅へと向かいました。

アクアさんを見送り終えた花音さんは、


「猫谷さん、出てきても良いですよ」

「まさか、アクアさんが来るとは…」

「別に隠れる事ないじゃないですか?仕事仲間でしょ?」

「表面上はね、逆に私が出入りしている事が、公に知れてはいけないんですよ…」


猫谷エンジニアは、そう言うと、向かえのアンニャミラーカフェに鋭い視線を走らせました。

花音さんは、ハッとしました。宇宙船エンジニアは仮の姿であった事を…


「花音さん、これから暫く、この店を使わせてもらうよ」

「どうぞ、まさか、こんな形で協力できるなんて思っていなかったわ、2階も使えるから皆で食べにいらしてね」

「ありがとう。また、花音さんの手料理が食べられて嬉しいですよ」


猫谷エンジニアは、満面の笑みで、手作りのミックスニャッツバーを頬張りました。


(つづく)


  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。

そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を2019年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。2020年は、同会場にて、木元慶子さんとの二人展「出会いと旅立ち」を開催しました。来年も開催決定です。よろしくお願いいたします。

猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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