阿久根見聞記
2016.08.21 12:13
8月20日、阿久根(あくね)市議会議員の白石純一さんに、阿久根市をご案内いただきました。
阿久根市は、鹿児島県北西部の、人口、約2万1千人の街。西に、東シナ海を臨む南北40キロに渡る海岸線、東は鹿児島県の霊峰、紫尾山に向かう山間部が横たわります。
海沿いを走る肥薩オレンジ鉄道の車窓からは、多くの港と、砂浜、その波頭が夕日に染まる、明媚な風光が楽しめます。
北部は、黒之瀬戸大橋で、お隣の長島(出水郡長島町)と繋がっています。トラス構造の黒之瀬戸大橋から眺める黒之瀬戸の潮流も、阿久根の名勝の一つでしょう。
長い海岸線のその沖には、多くの島が点在し、中でも阿久根大島は、野生の鹿の生息地として知られ、海水浴場や、キャンプ場もあるそうです。
鹿児島の温泉地といえば、指宿、霧島が有名ですが、阿久根にも多数の温泉があることは、知りませんでした。
阿久根といえば、何と言っても柑橘類の”ボンタン”渡来の地。
1772年(安永元年)、難破して阿久根港に漂着した朱印船がありました。その朱印船の船長の『謝文旦(しゃぼんたん)』が伝えたのがボンタンです。この日、案内してくださった白石純一さんは、この謝文旦の通訳を務めた人物の末裔とのこと。古くから海外に向けて開いていた、鹿児島らしいロマンあふれるエピソードです。
さつま揚げや干物、ウニの瓶詰などの水産加工品も名産。お土産に買って帰りました。
広く膾炙し、多くの観光客に訪れてほしい反面、昭和の香り残る古い町並みを、そのままにしておいて欲しいとの思いも交錯する、懐かしい街、阿久根。
映画のロケ地にもぴったりだなどと耽りながら、海あり、山あり、港ありの、夏の阿久根を後にしたのでした。
白石さん、有り難うございました。