悲しみは愛しさ
オススメの書籍紹介です。
と、いきたいところですが、実は(2020年11月現在)まだ執筆中でらっしゃる本文(本書『悲しみは愛しさ』)は、自死遺族コミュニティ(自助グループ)について書かれている本になるようです。
著者は、岡 知史(トモフミ)さん。
去る11月3日(文化の日)に、全国自死遺族連絡会の理事長 田中幸子さんのお声がけで、岡先生と他県・近郊の会員自助会代表者が集められ、宮城県仙台市の事務所で懇談会が開かれました。
📷『星のしずく』遠征班2名で🚅仙台へ
この日のメインテーマは、岡先生が執筆中のズバリ『悲しみは愛しさ』。
執筆中の原稿を囲んで、当事者である自死遺族コミュニティ(自助グループ等)に集う参加者との顔合わせ懇談会というわけです。
少し遅れて到着した岡先生から、原稿コピーが参加者全員に配られて、会が始まりました。
まず、書籍タイトルの『悲しみは愛しさ』。
私個人としては、読んで違和感なくスッと胸に入りこんできましたが、ブログを読んでくださっている方々は、どう感じたでしょうか。
人それぞれに多少なりとも違いがあるとして、『悲しみ』というのは(遺族にとって)喪ったものへの愛しさ故に、ずっと… 心に息づいている想いです。
悲しみが続くのは=愛しさが続いているからだとも言えるのでしょう。
この本を執筆するにあたり岡先生がのっけから心を砕いたのは、どのようなスタンスで『自死遺族』のことを当事者ではない自分が書いたら良いのか、ということだったらしいです。
そりゃそうですよね(^_^;)。
自死遺族ではないので、自死遺族の方々との共著としたくとも、『私たちは』という書き出しもできません。
まるで想像もつかない体験であっても、共著者となれる程度の理解は持ちたいと思った岡先生は、これまでも自死遺族の方々と機会があるごとに会い、本音に耳を傾けることに徹してきたようです。
配布された原稿コピーに記された執筆予定の目次一覧に目を通したとき、私は当事者として息を呑みました。
どれほど岡先生が真剣に、そして真摯に、デリケートな自死遺族の心の奥深くの想いに寄り添おうとし、耳をすませてきたのかが伝わってきたからです。
はじめに
●悲しみは愛しさ
1.「悲嘆回復プロセス論は間違っている」
2.「悲しみからの回復はありえない」
3.亡き人はここにいる
4.遺族として生きる
5.悲しみは病気ではない
6.悲嘆は悲しみではない
7.悲しみは愛しさ
8.悲しみは心理学の対象ではない
9.悲しみもまた私たちのもの
10.プロセス論が否定される第一の理由:「前に進め」というから
11.プロセス論が否定される第二の理由:「終結」があるから
12.プロセス論が否定される第三の理由:「始点」があるから
13.生きている人から見れば、遺族。亡くなった人から見れば、未亡人。両方から見れば、家族。
14.亡くなっても家族であることは変わらない
15.思索の原点としての悲哀
16.やり遂げたこととしての自死
17.亡くなっても家族
18.「愛と正義の否定」から学ぶ
●自助グループのかたち:遺族コミュニティとして
19.自助グループはコミュニティである
20.悲しみばかりではない
21.遺族として生きることを学ぶ
22.治療の場ではなくコミュニティである
23.わかちあい・ひとりだち・ときはなち
24.亡くなった人とのつながりを学ぶ
25.テキストではなく、グループから学ぶ
26.そこだけの会話の形
27.吐いたものは分かち合えない
28.悲しみを傷(トラウマ)と理解しないこと
29.同じ立場の人との分かち合い
30.分かち合いの場と話し合いの場
31.遺族だけの安心感
32.サポートグループと自助グループ
33.クールダウン
34.参加は待つ、誘わない
35.広報の大切さ
36.差別と闘う
37.遺族の誇り
38.運営のあれこれ(未完成)
●異文化としてのグリーフケア
39.悲嘆は翻訳語である
40.悲嘆は終結しなくてもよい
41.悲しさが続くから助けが必要なのではなく、悲しさが続いていることを異常とされるから助けがほしい。そして、それを異常と言っているのがグリーフケア。
42.死者とのつながりを切るグリーフケア
43.死者と対話する文化、しない文化
44.天国の歴史
45.情緒を病と捉える西洋の伝統
46.「とき」と時間
47.「時は金なり」とグリーフケア
48.心のケアと医療化
●癒したい人の卑しさ
49~57
●怪しい「科学」と専門性
58~66
●ともに働くために
67~69
後半略しましたが(;´・ω・)どうでしょうか?
章タイトルだけでも、これは……!と思うところのあるものが、いくつかありませんでしたか。
一部原稿をも拝読しましたが、驚くほど深い部分まで… 気持ちを汲みとって、繊細な表現で書いてくださっていて、とても有り難いですし、その能力も羨ましいなと思いました。
世間一般的な“グリーフケア”とのズレへの指摘、様々な視点から、これまで世に蔓延っていたテキストを覆す書籍になることでしょう。
ある意味、通訳的な役割を担うのだとも思うので、微力であれ、自死遺族当事者として私は協力していきたいですね。
近い将来、一冊まるまる手にとって読める日を、心待ちにしています。
世界の片隅で、おそれ多くも教授のお尻を叩かせていただきますね。
執筆ファイトーーp(^-^)q
📷懇談会後の夕食会は、田中幸子さんオススメの隠れ家的なお店を貸切りで。
ママさんセレクトの絶品ワイン三種類それぞれの『演出』と、美味しいお料理のラインナップに、心も体も会話も温まりました。。
ありがとうございましたm(__)m
そして仙台といえば!
仙台大観音!⇒HP
ラスボス感が半端ないといわれる巨大観音様ですね☆
r-hakuyoさんのブログ記事で拝見した『大観音様』が気になっていて… せめて駅から肉眼で見れないものかと、事前に良さげスポットをおしえてもらいましたが(お忙しい中ありがとうございました)、あと一時間早く仙台着を設定しないと、ギリギリ過ぎて今回は無理でしたぁ~(;´∀`)……くぅぅ……(失敗したぁ)
次回のミッションでトライ!(力瘤)
◆自死遺族の集い