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#082.ウォーターキイのコルク、交換していますか?

2020.12.14 21:58

突然ですがみなさん、ウォーターキイのコルク、交換していますか?

ウォーターキイはコルク以外にもゴム製や、ボタンを押して管の水分を抜くタイプもあります。そういった楽器をお使いの方は参考としてお読みください。



コルク交換をしてきました。

私が今使用しているB管トランペットは、購入して4年が経ちました。これまでウォーターキイのコルクは一度も交換していませんでしが、先日よくよく見てみると、長年強いバネによってコルクが圧迫され、すっかり穴の形がついて食い込んでいました。

この段階では特に空気漏れが起きているようには感じませんでしたが、コルクがいくら水分に強いとは言え、何年間もキイの強いバネで圧力をかけられ続けて変形したコルクに毎日のように水分とオイルが染み込み、そして放置されていれば、場合によってはカビが発生したり管内の汚れが付着していることも少なくありません。


やはりコルクは定期的に交換すべきだと考えます。



中学生の時の話。

中学生の時の部活では、管の水抜きをする際、持参したタオルをウォーターキイに被せて抜くことが自然と決まりのようになっていました。


同じようにこの方法で水抜きをされている方もかなりいらっしゃると思うのですが、正直私は推奨していません。理由としてはひとつに時間がかかることが挙げられます。個人練習時には問題ありませんが、合奏中にもし水分が溜まってホツホツホツ…と鳴り始めたら、すぐさまその水分を抜かなければ演奏に支障が出てしまいます。しかし、膝に乗せたタオルを手にとってキイを包み、フーっと抜いてまた膝の上に戻すという一連の動作は大変時間がかかるので、演奏している作品によってはそんなヒマがない場合も考えられます。また、立奏になると、そのタオルを一体どこに置けば良いか悩みます。アンサンブルコンテストなどでまるで風呂上りのようにタオルを肩にかけている姿をたまに見かけますが、ステージ上であれはかっこ悪いです。そして、座奏以上に水抜きに時間がかかります。


そして、タオルの使用を推奨できない最も大きな理由は「タオルでコルクを削ってしまう可能性」があるからです。実際私は中学生の時に水抜き時にタオルでコルクを擦ってしまったり、タオルをキイに挟んでしまい、ついそのまま引き抜いてしまうことでコルクを割ったり、根こそぎ取ってしまったことが何度もあります。これが本番中だったら怖いですね。


こうした理由で年間数回コルクの交換をしていた記憶があります。


また、水抜き用タオルを当時は何も考えずに楽器ケースの中にしまっていましたが、水分とオイルが大量に染み込んだ濡れたままのタオルを密閉されたケースの中に入れるというのは、絶対に避けるべきです。楽器もケースもカビや雑菌の温床になり、皮膚や呼吸器系の病気の原因になってしまいます。タオルは毎回交換するか、最低でもどこかに乾燥するまで干しておくようにしましょう。


それに、タオルが膝の上に置いてあると、ついそれで口元やマウスピースを拭いてしまう人も多いと思います。衛生上、絶対避けたいです。



コロナで水抜きも変化する

先ほどのアンサンブルコンテストもそうですが、これまでの常識として、ホールのステージ上では床に直接水抜きをしてしまうことが暗黙の了解で許されていました。しかし新型コロナウイルスの影響でこの考え方も変わり、最も安全とされているのが、実は私が散々否定しているタオルを被せて水抜きをする方法なのです。確かに飛沫を抑える最も安全な方法ではあります。他には、足下に給水シートを用意してそこに静かに落とす方法が良いと考えられています(フーーーーッ!と強く息を吹き込むのはNG)。このあたりは臨機応変に演奏に支障が出ないよう使い分けていければ良いと思います。


ということで、みなさんの楽器のコルク、どのような状態か確認してみましょう。ヒビが入ったり変色していたりしませんか?また、演奏中にそこから水分が垂れたりしていませんか?


もし時間があったら楽器屋さんに行って新品の楽器のコルクがどのような状態かも確認してみると、その差がわかると思います。


コルク交換は楽器屋さんでしたら、ものの数分でやってくれるところも多いです。ただし、きちんとした知識と技術を持っていて、ご自身が使っている楽器の純正のコルクを用意してある楽器店(同じメーカーの楽器を常時販売しているお店)のリペアでお願いすることを推奨します。


余談ですが、以前シルキー(アメリカの楽器メーカー)のピッコロトランペットのコルクを交換せざるを得なくなったとき、時間がなくて通りがかりの大手のリペアブースで交換してもらったのですが、シルキー純正のコルクがそこになく、交換してもらったはいいのですが形が合わずに空気も水分もオイルも漏れてくるという状態にされてしまったことがあります。結局信頼のできるお店に急遽行くはめになりました。



それではまた来週!




荻原明(おぎわらあきら)

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