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神崎琴音

詩/流動体の詩

2020.11.15 23:27

2018/06/18 22:34

いつ普通でいられるかわからない。いつ悲しみがおそってくるかわからない。私は小説家でも詩人でも歌手でも俳優でもない。腕時計のコーディネーターでも、バリスタでも、調理師でも、ハウスキーパーでも、ファッションモデルでもない、同時にその全部でもある。


画家ではない。でも文字を使って風景を写し取ることはできる。

赤子が6ヶ月でどのくらいの大きさになるのか知らない。

日本の政治や、ワールドカップの開催地も。


ただの人、同時にただの人でない。

選んだもので武装したヒロイン。

桜より梅が好きでも、桜は綺麗だ。

トランペット奏者が弾くバイオリンが素敵なら、私も、


憬れてばかりいるのは疲れるから、本人になるしかないね。

外を歩く人が傘を差しだす。雨が降り出した。

家に帰ればごはんがあるということの他に、安心の定義はいくらでもあるけれど、


目の前にえらべないほどたくさんの、アクセサリーを並べさせて、一生懸命選ばずに、「次もまたあるから」と適当に選びたい。

街行く皆に振り返られるほどの美人でも、それでも悲しい顔をしていたい。