最近お気に入りの時計
2020年は新型コロナウィルスではじまり、新型コロナウィルスで終わりそうです。そんな中、お気に入りの時計を見つけたのでご紹介します。
1.コロナで絶たれた希望
新型コロナウィルスの影響でわたしたちの生活は一変しました。アカデミー・デュ・ヴァンでは2度の休校を経験し、対面の授業も中断された時期もありました。それだけでなく、われわれソムリエの間で衝撃が走ったのは、定期的に行われていたコンクールや海外渡航を伴う試験が次々と中止されたことです。ソムリエにとってコンクールとは自己研鑽を積める貴重な機会です。その道が絶たれるとはだれが予想していたでしょうか。
2.時間は止まってくれない
何の前触れもなく、突然絶たれた挑戦のチャンス。先が見えない日々に「なんて運が悪いんだ」とひどく落ち込みました。でも時間は止まってくれない、何もしなくても月日は流れていくものです。そんな中「空いた時間を無駄にしたくない」と国内で受験できる試験にチャレンジしてみることにしたのです。
3.国内開催試験で気づいたこと
たとえばSAKE Diploma International。準備期間が短かったので「間に合うかな」という焦りがあったものの、隙間時間を徹底的に利用して合格することができました。わたしの場合、隙間時間は電車に乗っている時間だけでなく、信号を待っているわずかな間も含まれます。ポケットからフラッシュカードを出して信号が青になるまで暗記します。「1分あれば1つは暗記できるかもしれない」という気持ちが励みになります。働きながらの勉強は決して楽ではありません。でも時間を無駄にしたくないという気持ちが、集中力を高めてくれます。
4.お気に入りの時計との出会い
特にモーリス・ラクロアの時計「アイコン」が勇気をくれました。隙間時間をつかった勉強にはタイムマネジメントが欠かせません。クールで凛とした一面もありながら、インデックスにはダイヤがちりばめられており女性らしさもあるのがお気に入りの理由です。慌ただしいはずの時間に優雅ささえ感じることができます。最初は見た目から入ったのも事実ですが、次第に機械式時計の魅力を知ることとなりました。機械式時計は定期的にリューズを巻かないと止まってしまいます。調整するたびに時間を意識することとなり、「今」を生きていることを強く感じることができます。使い続けるうちに「コロナ禍がなければ今頃〇〇だったのに」という後ろ向きの気持ちから次第に解放され、未来へと向かっていきました。
5.今を生きていく
アイコンとともに挑戦していく中でわかったことは、不遇を嘆いたって「コロナ禍」という現状は何ひとつ変わらないということです。「だったら生まれてきた時代を言い訳にせず、今しかできないことを模索し前進してみよう」と以前よりもモチベーションが高まっています。アフターコロナに差をつけることができる人は、「今」を大切に生きた人だけなのではないでしょうか。