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Insel-bücherei インゼル文庫

2016.08.23 11:40

昨日更新しました本の中から、こちらはオーストリア、ウィーンより買い付けてきました「インゼル文庫」というドイツ語の小さな本のシリーズです。日本で言う新書サイズよりも一回り大きいほどのサイズでしょうか。

ご覧頂けますと分かるように、その簡潔ながらも美しい装丁に魅了される人も多く、日本でもとても人気で古書店よりもアンティークショップでのほうが見かけることが多いでしょうか。

1910年代よりスタートしたこの文庫は元々は日本で言う岩波文庫のような古典の文庫シリーズだったのですが、1930年代より植物図鑑、鳥類図鑑などのタイトルも出始めました。

こうしたイラストを多く掲載したタイトルはその装丁の美しさとも相まって人気を博し、以後このインゼル文庫のイメージを形作るようになりました。

古典小説から植物/鳥類図鑑、楽譜、デッサン集、装飾見本帳、などなど、その後も文学から美術、デザイン、建築などの分野を横断し、幅広いジャンルの本を出し続けています。

そしてそのどれにも、独自の美意識が貫かれ、生き続けている稀有な文庫と言えると思います。

当店に入荷したものは人気の植物系、鳥類系のものから、マネッセ写本、ホルバインのデッサン集、ベートーヴェンの楽譜、古いトランプを集めた本などなど、数は多くありませんが、色々と集めてみました。

日本ではインゼル文庫を扱うお店ではイラスト入りのものがほとんどなのですが、当店では当店らしいものを、とインゼル文庫の元々のシリーズである古典小説の部門より、ホフマンの小説も買い付けてきました。

こちらは日本語タイトルでは「大晦日の夜の冒険」として光文社文庫などで読むことが出来るタイトルです。装丁の美しさは勿論のこと、中の文字のタイポグラフィにもこだわりが感じられる一冊ですね。

ディスプレイにもとても良い本ですが、美しい原書版を日本語訳とともに所有するのもお薦めです。