be alert
この言葉を聞いたのは中学3年の時だった。
当時 県の選抜チームとしてオランダ遠征に行っていた私は現地のコーチ陣から、再三この言葉を聞かされた。
この言葉には
「常に研ぎ澄まされた状態」
「(危険に対して) いつでもすぐ必要な行動がとれるように)」
「油断なく」
といった意味合いがあり、スポーツにおける突発的な出来事への対応力が問われるシーンでは、すこぶる重宝する能力・資質となる。
一見すると肩に力が入りそうな状態ではあるが、集中と脱力、ONとOFFの切り替えを熟知した者にとっては、さほど自律神経を乱すものではない。
この塩梅こそが、年の功、経験の功なのかもれない。
これは車の運転に例えることができる。
3時間の道のりで肩に力を入れ続けていては、現地でのレジャーを楽しむ余力は既にない。
しかし「ここは脇道から人や車が飛び出してくるかもしれない」という怪しげなポイントを臭覚によって察する人は、要所要所で集中力にスイッチが入る。
では、これを長い人生に例えたら私たちは どのような割合とタイミングで緊張とリラックスを作り出しているだろうか。
コロナが騒がれ、緩まり、また騒がれる。
行ったり来たりの試行錯誤は一ミリたりとも否定できたものではなく、この もがき悩む姿こそ、人々が丁度いい塩梅を知るための唯一の方法であることを苦労経験者は既に理解しているはず。
何れに転んでも文句を言う者には耳を傾けず、ひたすら塩梅を探すしかない。
世の中、仕方がないことは数えきれないほどある。
誰のせいでもないこともある。
割り切れないことはたくさんある。
小数点が出てしまうこともある。
宇多田ヒカルのように字余りもあれば、ハイローズのように言葉足らずも在る。
自分は真面目に頑張っていて、自分のせいではなく苦しい状況や世の中を迎えた時、これは誰かのせいだと思ってしまう、その想像力の乏しさこそ旅不足。
北と南に行ったことがない者にべスポジは分からない。
几帳面と大雑把。
プライドを持つ場面と持たない場面。
世間体を気にする時期と気にしなくなる時期。
ストイックとパンパーの比率。
その全てが、戦略的な経験を経て初めてべスポジを知る。
be alert 常に研ぎ澄まされた状態
疲れない集中力を見つけよう。