肺
肺
肺は呼吸という大切な役目をもっています。
空気を吸うことで酸素を取り込み、吐くことで二酸化炭素を放出します。
◻️肺の仕組み◻️
肺は、心臓を包むように左右1つずつ2つあります。
その形は左右対称ではなく、右肺よりも左肺の方が、心臓に押されるため容積は小さくなります。
薄い伸縮性のある膜(胸膜)で、肺は覆われています。
胸膜 は、「臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)(肺胸膜)」と「壁側胸膜(へきそくきょうまく)」に区別されています。
①.臓側胸膜(肺胸膜):肺表面に密着するように覆っている。葉間裂内にも入り込む。
②.壁側胸膜:胸腔および縦隔の内面を裏打ちする膜である。
1)肋骨胸膜:胸壁の内面を覆う。
2)縦隔胸膜:縦隔を覆う。
3)横隔胸膜:横隔膜の胸腔面を覆う。
肺の入口を「肺門」といい、肺門から折り返した外側の肋骨に面した膜である壁側胸膜(へきそくきょうまく)へ移行し繋がります。
①②の2つの間にある膜を胸膜空といいます。
胸膜空の間にある水、胸水は約10~20㎖あり、肺を守っています。
肺は「肺葉」(はいよう)という溝になっており5つのブロックに分けられています。
左肺は、左上葉、左下葉、
右肺は、右上葉、右中葉、右下葉
になります。
左肺と右肺の間を「縦隔」(じゅうかく)といいます。
▹縦隔に含まれる臓器とは
・気管
・気管支
・心臓
・血管
・神経
・胸管
・食道
など沢山の臓器が含まれます。
肺内では、気管が左右に枝分かれし、気管支となり空気の通り道となります。
▹肺内の気管支構造
▫️左肺▫️
・細くて長い
・水平に近い
・2本ある
▫️右肺▫️
・太くて短い
・垂直に近い傾斜
・3本ある
▹気管支がさらに枝分かれすると…
肺の中に入り、
細気管支
↓
終末気管支
↓
呼吸気管支(と細かく枝分かれされて)
↓
肺胞
へとつながります。
肺胞は、ぶどうの房のようになっていて、左右合わせると7~8億個の肺胞があります。
その周りには、毛細血管が網目のようについています。
◻️肺の働き◻️
肺の働きは、呼吸です。
私たちが生きている限り休むことなく働いています。
▹なぜ身体は酸素が必要?
車を動かすには、エネルギーとなるガソリンが必要です。
それと同じ事が、身体にも言えます。
身体の機能を動かすために、呼吸から酸素を取り込み、糖分、脂肪、タンパク質を酸化させて、
ATP(アデノシン三リン酸)という化学物質を作り出しエネルギーとしているのです。
酸素が無いと身体の機能は、停止してしまいます。
◻️ガス交換と拡散◻️
身体の中では、空気を身体に取り込むために、肺と細胞の働きにより、細かく枝分かれされた気管支を抜けて、酸素と二酸化炭素を必要な場所へ送り出したり排出したりします。
その働きを担っているのが、毛細血管と肺胞です。
2つの隙間は、とても薄く、、、例をあげると、シャープペンの芯よりも細いと言われています。
肺胞にある空気の成分と血液の成分は、ここで
入れ代えされます。
この動作を「ガス交換」といいます。
身体に効率よく空気を取り込むために行われるのが拡散です。
▹拡散とは
(2つの液体や気体の成分濃度が異なる場合、高濃度から低濃度の方向へ、物質の移動が起こり、一定の成分濃度になる)という自然原理です。
酸素の流れとしては、
濃度の高い肺胞
↓
濃度の低い毛細血管へ移動二酸化炭素は濃度の高い毛細血管
↓
濃度の低い肺胞へ移動
◻️肺を動かすサポーターとは◻️
肺は、自力で空気を吸い込んだり吐いたりと動く事ができません。
周りの筋肉によって、空間を大きくする事で膨らみます。
その動きをしているのが、横隔膜と肋骨の間の筋肉となります。
▹肺を悪くしてしまうと
咳込みや、胸の痛み、喉の痛み、酷い場合は呼吸困難となってしまう場合もあります。
その原因は様々ですが、細菌感染や肺胞の炎症による肺炎など、呼吸をする働きの場所を痛めてしまうのはとても苦しいことです。
忍び寄る病気「COPD」
(慢性閉塞性肺疾患)とは
あまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、今急増している肺の現代病なのです。
肺が実際の年齢以上に老化してしまう事で引き起こされる病気とされています。
その原因となるのが、大気汚染や喫煙などにより肺の組織が壊され酸素と二酸化炭素を交換出来なくなり、呼吸が苦しくなってしまいます。
国内患者は500万人と言われていますが、実際に受診されているのは26万人と5%程です。
困ったことに発見が難しく、自覚症状が出にくいため、サイレントキラーなのです。
呼吸器のその症状年齢のせいと思ってはいませんか?
喫煙してるからいつもの事と思ってはいませんか?
2週間以上長く続く咳は風邪と判断せず肺の病気のサインかもしれません。。。
◻️まとめ◻️
肺は、呼吸をする事で私たちの生命を守っています。
身体の臓器を動かす為に、酸素は必要不可欠です。
空気中には、ウィルスや菌も含まれますが、肺の機能をよりよく保つために、健康への意識を高め、日頃から身体を守る対策をしてください。
身体機能向上と病気予防につながります。