「新たな提供方式」の検討が始まりました!
先日11月18日、市の「学校給食問題協議会」が開催されました。
今回からのテーマは「新たな中学校給食の提供方式について」。傍聴した内容をダイジェストでお届けします。
※なお、傍聴時の聞き書きのため、後日公開される議事録とは一部異なる可能性がございます。下記画像は「まちだ子育てサイト」公開資料より。
●諮問
まず、出席者のご紹介と新たな委員の方(PTA連合会の方)の委嘱に続いて、坂本教育長からの諮問が行われました。教育長は上記文面を読み上げ、「委員の皆様にはそれぞれの立場、さまざまな見地から、よりよい給食を提供するための新たな方式を検討いただきたい」と話されました。
●事務局からの説明
次に、事務局(保健給食課)から会議自体の説明のあと、配布資料の説明がありました。配布資料には、今年度配布された中学校給食のパンフレットや、容器が新しくなったチラシ、カラーの献立表、リクエスト券の用紙などが参考として含まれていました。
生徒のアンケートをもとに導入した黄色い容器は、生徒から「明るくなった」「かわいくなった」と好評だそうです。(なお、食べている生徒からの意見なのか、どのように聞いた意見なのかといった詳しい説明はありませんでした)
ほかに、これまでの中学校給食の現状や、生徒・保護者へのアンケート結果、都内および近隣の他自治体の中学校給食の状況、提供方式の説明、大前提である学校給食法・実施基準といったさまざまな資料が用意されていました。こんなにたくさんの資料を用意くださった保健給食課の皆様はさぞ大変だったこととお察しします。
昨年は、あくまで「現行給食の喫食率向上」の目的で、他のデリバリー弁当給食自治体の比較表や、他自治体のデリバリー弁当給食のパンフレットなどの配布にとどまっていたので、「今回から新たな方式を具体的に検討していく」ことが伝わる資料だったと思います。
それらの資料をもとに、事務局からは主に以下のような説明がありました。
・提供方式の説明……選択制/全員給食、ランチボックス形式/食缶形式、市所有/民間調理場、自校/親子/給食センターなどいろいろある。どの方式がいいか、今回から検討していただく(なお、町田市内中学校のうち、小中一貫校の武蔵丘中は「配送を伴わない例外的な親子方式」と紹介されました)。
・喫食率は今年9月実績で10.7%、わずかに上昇傾向。
・「まちだの新たな学校づくりに関するアンケート」でも、給食に関する意見があった。
・コロナ対応について、小学校に比べると中学校では配膳時の対策の負担は少ないが、事前の注文管理や配送時間の調整などが対応困難で、分散登校中は提供できなかった。また、最大で全中学生の4割程度に供給できる体制しかなく、急な対応が難しい。
●委員の皆様からの意見
その後、上記説明を踏まえた、現在の中学校給食と新たな提供方式についてのお考えを、お一人ずつ述べられました。概要をご紹介していきます。
ランチボックスのよさは配膳トラブルのなさ。時間遅延などがない。コロナ対応についても、全員が前を向いて黙って食べるのでお弁当やランチボックス形式が適していた。
選択制については、喫食率が向上しない一方で、教育現場は個性の尊重という方向。食生活も個人個人ということだと、配膳でも選択制でもない第3の給食を考えてもよいのかもしれない。
小学校の副校長先生:
これから小6に中学校の給食を案内していくが、パンフレットや容器の改変がよかった。選択制で選べることはありがたいという声もある。小学校ではアレルギーがあると除去してもらわなきゃいけないので、皆がお弁当であればよい。
配膳には身支度含めると低学年20分くらい掛かり、コロナ影響で衛生上も今まで以上に気をつけねばいけない面がある。
栄養士の先生:
学校給食法改正以来、食育の重要性が叫ばれてきた。給食は生きた教材、目の前に出てきた給食からさまざまなことを学ぶ。小中一貫まちだっ子カリキュラムもあるので、子どもたちの食育を一貫して育てていきたい。
6年生の試食会ではおいしくないという子も特にいないが、全員で食べられないので栄養に差が出てくるのではと思う。保護者の方から「小学校のような給食があれば」、という声もきく。
※ここで、会長より「残食率は中学校では調べていないのですか?」というご質問があり、事務局より「月1回、現地に出向いて調査しています」というご回答がありましたが、実際にどれくらいなのかは言及されませんでした。
小学校のPTAのかた:
中学校の状況は聞いたことしかないが、(資料配布の)カラーで内容のわかる中学校給食の献立表はいいと思った。食育といっても、楽しくないと学べないと思う。個々でバラバラだと「自分も弁当がいい」となってしまうので、全員給食のほうがよい。
小学校のPTAのかた:
近所のママからは「中学校はお弁当持参」だと聞いていたので、初めて中学が選択制だということを知った。子どもはお母さんの作ってくれたもののほうがうれしいから給食を選ばないのかもしれない。ただ、自分の子は小学校は皆で食べる給食を喜んで、当然だと思って食べている。
給食であれば親の負担は軽くなるが、子どもがお弁当がいいというなら、作るしかないと思う。
選択制だが、親には選択権はない。うちの中学生の子どもからは去年の無料試食会のあと「もう食べなくていいよね」と言われた。おいしいとは言わなかった。
給食のような幅広い食材は家では提供できないので、給食を食べて欲しいが、子どもからは容器が変わろうが何をしようが食べないといわれた。
中学生の子どもが無料試食会で食べたが、卒業まで食べないと言われてしまった。クラスにほとんどいないし、取りに行くと時間がない。
アレルギー対応という面ではいいと思うが、選択制だと、親は給食にしたいのに子どもからは弁当がいいと言われてしまう。保護者間では全員給食であれば仕方なく食べてくれるのに、と話している。
栄養面では、お弁当より給食のほうがいいと思うが、子どもはそこまで考えていない。
メンバーがほとんど50代で、直結した意見はいえないが、今後ますます個人を大切にするという時代になってくる。
コロナ等変化の大きい時代、栄養剤でもいいというお子さんがでてきてもおかしくない。今ここで考え方を変えていかねばならないのでは。
昨年の白黒パンフレットに比べて改善され、無料試食会も行われ期待していたが、まだ日が浅いので周知されていないのかもしれない。
全員給食にしては、という意見も昨年出ていた。思春期の子が「給食で目立ちたくない」「同じがいい」という気もわかるが、いっぺんに全員同じにするというのも無理がある。特定の曜日だけお弁当給食にするなどで、徐々に周知していってもいいのかもしれない。
ただ、中学校の配膳室を見たら、教室から遠かった。取りに行くのが遠くて、給食が敬遠される話は聞く。
周りの声を聞く限り、共働きにとっては弁当給食がよいが、子どもが希望しないようだ。選択制を残しつつ、週何日かでも月に何週かでも構わないので、みんなで食べる日があってもいいのではと思う。
今出た保護者の方からの話は、保護者と子どもの違いなど、これまでのアンケートどおりだった。
配膳に時間がかかることで登校時間や下校時間が変わることについて、皆様から自由な意見がほしいと思う。
食事の時間をゆっくりとることは重要。しかし、子どもたちは早く切り上げて、遊びなど自分の時間にあてたいという意識があるようだ。
全員給食になると、給食当番かどうかでも違いが出てくる。
教育委員会に届け出をすれば、時間割は各校で調整可能。
・子どもが学校に慣れるまでは、配膳に時間がかかったり授業が長引くと、10分でかきこんで帰ってきて「お腹がすいた」ということがあった。
・1年のときは、日によって、食べる時間が短すぎておかわりができなかったと言っていた。しかし、ほかの自治体はそれでもやっている、これからやろうとしているので、町田でもできるのであればと思っている。
・うちには小学校の子も中学校の子もいるが、それなりに食べてくる。
・始業時間や帰宅時間が変わるのは、保護者の立場からは特に問題ない。お弁当を作らなくて済むなら、親は朝早起きせずに済む。帰宅時間についても部活をやっている生徒が多数なので、部活時間で調整されるなら保護者としては問題ないと考える。
市民などからは正反対の意見もある。「コロナ禍で提供するなんて」という匿名意見もある。
中学校給食がこのままのスタイルではいけないということで諮問させていただているので、どうするかを委員の皆様にまとめていただく予定。