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老いらくの引き際

2020.11.23 01:38

長生きの時代。

元気なおじいちゃん、おばあちゃんが増えました。


わたしの趣味の世界の話で恐縮ですが、70をすぎても毎日バレエのレッスンを欠かさず、今でも現役で主役の舞台を務める有名な方がおられます。


老体に鞭打ち打ってヒーヒー言いながら練習してる者からしたら、お手本というか、いくつになってもがんばれるんだ、と勇気をもらえる存在。


でも先日、教室でその方の話になり、教える側の先生の立場からの意見を聞いてちょっと考えさせられました。


先生いわく「あの人はずっと主役をやめない。そこがねえ。。」


つまり、ずっと現役を貫くのはいいけど、いつまでも主役の座から降りない。後に続く若い子たちの出番がなく、あれじゃあかわいそう。ということらしいのです。


バレエの全幕を主役で踊り切るのは、若いバレリーナでも体力的に大変なこと。


それをあのお年で踊るなんて凄すぎる!すばらしいーと、素人な私はそればかり思っていましたが、そう言われてみたらその通りだなあと。



昔は、御隠居さんという言葉がありました。


ある程度の年齢(多分還暦?)に達したら、第一線から退き、悠々自適の生活を送るのが理想の老後。


わたしの実家のほうは、たいていの家に「隠居」と呼ばれる離れがあり、わたしのおばあちゃんもそこで寝起きしていて、家のことには口を出さず、静かに老後を送っていたのを思い出します。


時代は変わり、企業の定年も見直しが進み、第二の人生に新しい仕事を始める人も増えました(わたしもか^_^;)


周りのちょっと年上の先輩方も人生をエンジョイしてらして、見習いたいと思うことも多いんですが、ときどき、先のバレリーナさんのように「ん?それはどうなんだろ」と疑問を感じることがあります。


それは、家族のなかで、いつまで主役を張るつもり?ってこと。



ある女性の知り合いは、孫とのお出かけが大好き。

美術館やお稽古ごとなどあちこち連れて歩き、家族旅行にも同行。(もちろんスポンサーの役目も)


「孫にしっかりとした教養を身につけてあげるのは私の生きがいであり、責任」と言い切ります。


また、ある男性の知り合いはとにかく面倒見がよく、家の細々とした修繕もなんでも自分でやるし、うまくこなすので、今でも一家の中心的存在。


娘家族とは別居しているそうですが、まるで同居しているかのように、孫の送り迎えはもちろん勉強も毎日みてあげています。


「孫がじいじと一緒がいいって言って、離れないんだよね」と困り顔ですが内心は嬉しそう。



はっきり言って、こういうのって老害の一つだと思うのです。


親がちゃんといるんだから、子供を育てるのはおじいちゃんおばあちゃんでなく、親の生きがいであり責任。


自分たちは一度それを我が子で果たしているんだから、かけがえのない大切な役目をちゃんと次の世代に譲るべきじゃないのかなあ。


いくら元気だからって、いくら役に立ってる感があって満たされるからって、そこは定年年齢みたいにズレ込んじゃいけない領域な気がするんですけどね。


生きがいなら、自分のテリトリー内で追求すればいい。


趣味を楽しむ。仕事をする。ボランティアをする。勉強する。


今の時代、やろうと思えば色々あります。



忙しい子育て世代が、おじいちゃんおばあちゃんを頼れるのは有り難いだろうし、それだけに「頼めるなら頼んじゃお」となっちゃう気持ちはわからないでもない。


でも、子育ての大事な時期を、そんなに任せっきりで、自分がイニシアチブを取らなくてのちのち大丈夫?後悔しない?とも思っちゃいます。


自分が実際に孫を持ったら、違うのかな。盲目になっちゃうのかな。。^^;


そうはなりたくないなー。



大事なものだからこそ、潔くバトンを渡す。


引き際の鮮やかなシニア、めざしたいものです。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今日はちょっと辛口でした笑