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works_01 / 池田 優

2020.11.22 14:01


根が宝の樹

嵐で樹が倒れかかることがなければ、この美しい根が見えることもなかった。あの時、倒れそうになるくらい辛かった日があったから、今の私がある。


345 × 240 mm
透明水彩、水彩色鉛筆、W&Nプロフェッショナル水彩紙
¥25,000




物語る桜

ようやく、希望の光が集まったような桜の樹にたどり着き、一目見ると、いろんな思いが流れ込んできました。

「美しい」から始まって、「新しい出会いや別れ」だったり、散っていく桜の花びらを見て、

「散るまでの一瞬、一生懸命生きよう」と思ったり、桜の樹のシルエットが、「私の心を見通す鳥」のように見えてきたり…桜が何かを物語っているようでした。

私たちを囲む自然は、「美しい」で終わらず、私たちを思い、見守り、教えてくれる、先生だったのだ、と気づいたのです。

A3 (420 × 297 mm)
透明水彩、ウォーターフォード紙
105,000




月の声Ⅰ

彼女は、負け無しのバレリーナ。その踊りは楽しくゆかいで、踊り始めると、星の鳥やねこ兵隊が集まってきます。

小さなバレリーナは、毎日誰よりも早く来て、掃除をしてから練習を始め、誰よりも遅くまで練習をして帰るのでした。その様子を、月だけが知っていました。

彼女は、起きている時はずっとバレエのことを考えていたし、寝ているときは夢の中でも踊ってしまうくらい、バレエ漬けの毎日でした。そんなことだから、数え切れない賞賛も得て、みんなの憧れでした。


(オリジナル絵本「月の声(画集「キボウノヒカリ」掲載)」より)


B4 ( 257 × 364 mm )
透明水彩、水彩色鉛筆、ウォーターフォード紙
¥35,000




月の声Ⅱ

帰る時は、月明り以外は真っ暗です。

「今日も帰り道を照らしてくれてありがとう」

月がそのつもりで照らしていることをわかっているかのように、毎日まずありがとうと伝え、その日あったことを話しながら家まで帰るのでした。

月は人の言葉を話せなかったから、聞くだけになってしまってもどかしかったけれど、そんな彼女のことが大好きでした。

 彼女は、月にだけこっそりと打ち明けていたことがありました。

「わたしからバレエが無くなったら、何が残るのかな」


(オリジナル絵本「月の声(画集「キボウノヒカリ」掲載)」より)


B4 ( 257 × 364 mm )
透明水彩、水彩色鉛筆、ウォーターフォード紙
¥35,000




月の声Ⅲ

ある練習の時のことです。彼女はなんと大怪我をしてしまいました。次の大会はおろか、もうバレエを続けることもできなくなってしまうほどの大怪我でした。周りの声がたくさん聞こえてきました。

「まさか、誰よりもバレーに愛されていたのにね。」

「あれだけ頑張ってきたのにね」

「母親も悲しむでしょうね」

「かわいそうに…でも、うちの子じゃなくてよかったわ」

「本当に何も無くなってしまった。」


(オリジナル絵本「月の声(画集「キボウノヒカリ」掲載)」より)


B5 (182 × 257 mm )
透明水彩、水彩色鉛筆、ウォーターフォード紙
¥20,000




月の声Ⅳ

彼女は、月の元へ行きました。そして真実に打ち明けました。

「わたしには、誇れるものも、頑張りたいことも、自信も何もありません。そんなわたしでも、これからもずっと、一緒にお話ししてくれますか。」

その日の月は、今までで一番あたたかく輝いているように感じました。


(オリジナル絵本「月の声(画集「キボウノヒカリ」掲載)」より)


B5 ( 182 × 257 mm )
透明水彩、水彩色鉛筆、ウォーターフォード紙
¥75,000



月の声Ⅴ

すると、彼女の心にじんわりと伝わってくるものがありました。

「何も無くてもいいんです。

毎日こうやって、変わらずにお話ししましょうね」

 彼女は、今までで一番何も持っていないと思っていたのに、今までで一番、満たされた思いでいっぱいになりました。


(オリジナル絵本「月の声(画集「キボウノヒカリ」掲載)」より)


B4 ( 257 × 364 mm )
透明水彩、水彩色鉛筆、ウォーターフォード紙
¥35,000



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