寺山修司の短歌 21 地球儀の
2020.11.22 13:57
地球儀の陽のあたらざる裏がはにわれ在り一人青ざめながら
北極から見た南極のように、地球上の正反対の地点を対蹠点(たいしょてん)と言うらしいが、「地球」ではなく「地球儀」という表現を用いることで、自分を客観視すると共に不安定感を演出している。
陽の当たらない道を一人歩む私は、頼りなげに青ざめ、まるで影のようにそこに存在している。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ