Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

青沼愛 フルート&アレクサンダーテクニーク

過程を大切にすること

2020.11.22 15:03

例えば、思いがけず響きのある良い音が出たとき。


なんだか調子が良いと感じてその時、またはその日は良い音と共に過ごせたとします。



次の日、また同じ音を出せるかなと思って吹くと、そうでもない。


昨日はできたけど今日はなかなかできない…という出来事は、音色に限らず、よくある事だと思います。



そんなとき、大切なのは結果と過程を分けて考えてみること。


例えば、


響きのある良い音=結果


その音を出すまでに考えたこと=過程


です。




そして、もう一つ重要なのは、

感覚があまり当てにならないこと。


その音が「響きのある良い音」と感じているのは、あくまで昨日のその時のその場所の自分。



昨日はすごく心に余裕があったかもしれないし、逆に調子が悪いと思って吹いたら意外とマシ(?)だったのかもしれないし、

昨日と今日では部屋が違ったかもしれない。



部屋やスタジオは防音加工で、わざと響かないようにされている所もあります。


また、カラオケで練習したとしたら、恐らくすごく響くかもしれない。


部屋ごとに響きが違って聴こえるのは当たり前で、ましてや広いホールなら尚更。



分かっているはずなのに、

私たちはどこか頭の隅っこで

同じ響きや音の聴こえ方を求めているかもしれません。



練習ではうまくいったけど、

レッスンではうまくいかないとか、本番で力んでしまう、

という原因の1つかもしれません。



そこで頼りになるのは、

自分の身体の使い方に思考を巡らせること。



これも感覚ではなく、過程である「身体の使い方を考えること」が大切です。



簡単に言ってしまうと


うまくいったときに得た感覚=結果


身体の使い方を考えること=過程


です。




これは実際にレッスンを受けてみないと分かりにくいことですが…



「いつもより力まずに演奏できた」というときに、

「よし、次も力まずに演奏しよう」と

その時の感覚を再現しようとすると、なかなか上手くいきません。



「力まずに演奏できた」感覚は何によって得られたのか、

そのとき「考えたこと」、つまり過程が大切。




同じことを考えたからといって、素直に理想の音が出るとは限らないけれど、

感覚で再現するよりは少し建設的です。




そこを紐解いていくのがアレクサンダーテクニークかなと思います。