【SUNDAY坊主BAR・文字起こし】ゲスト佐藤良規さん
ゲスト佐藤良規さんとの様子が文字起こし。
『不安すぎてお坊さんに相談したら「大丈夫だよ」と言われた 7人のお坊さんの7つの智慧』
サッキー:それでは続きまして、一関の藤沢町にあります、藤源寺住職でいらっしゃいます佐藤良規さんとお電話がつながっています。呼んでみましょう。せーの。
3人:こんばんはー。
佐藤さん:こんばんはー。よろしくお願いします。
サッキー:よろしくお願いしまーす。
秀吾さん:よろしくお願いいたします。
サッキー:佐藤良規さんでいらっしゃいます。はじめに秀吾さんから、ご紹介をいただけますでしょうか。
秀吾:はい、佐藤良規さんと私が初めてお会いしたのは、実はお坊さんとしてではなくて、ホスピスのボランティアの研修の時でして。
サッキー:へぇ。
秀吾さん:良規さんが、講師側の方にいらっしゃったというのが繋がりで、その後色々とお話ししていく中で、一緒にYouTubeの番組を配信したりとかですね、僧侶BARのイベントにゲストに来ていただいたり、っていうような感じで公私共に大変お世話になっています。私の知っている中で、岩手で一番アクティブな和尚さんというようなイメージです。そのようなご紹介でよろしいでしょうか。
佐藤さん:はい、アクティブしか取り柄がないので。大丈夫です。
サッキー:(笑)
秀吾さん:ありがとうございます。
サッキー:本当にアクティブに様々なことをされている佐藤良規さんなんですけれども、今回本をご紹介するということで、『不安すぎてお坊さんに相談したら「大丈夫だよ」と言われた 7人のお坊さんの7つの智慧』という本なんですよね。佐藤良規さん、これ一体どんな本なのかっていうのをちょこっとご紹介いただけますか。
佐藤さん:これはですね、まずはコロナの影響があって世の中が不安に包まれたようなタイミングで、出版社と名古屋の友人のお坊さんが、お坊さん達も何かコロナに対して、世の中に対して、発言したほうが良いんじゃないかって言って生まれた企画だったんですね。宗派を越えた7人のお坊さん達に、このコロナ禍においてだけじゃなくて、みんなが生きるってことに対して不安になっている時に、お坊さん達からメッセージをってことで作られた本です。
サッキー:もちろん、秀吾さんも今手元にございますけれども。
秀吾さん:良規さんのパートの部分では、一緒に悩む仲間がいるから大丈夫っていうタイトルがついているんですけれども、このタイトルに込められた意味というか、良規さんの想いっていうのはどういったものなんでしょうか。
佐藤さん:話も長くなっちゃうんですけど、僕も東日本大震災を経験して、お寺は山の中にあるので津波とか地震の影響はそんなに無かったんですけど、僕自身がたまたま沿岸にいて、津波を目の当たりにしてしまったので、本当に震災後っていうものを辛い気持ちで過ごしたんですね。でもそんな中で、一人じゃないんだって思えることで、僕たちは生きる力を取り戻していけるんだよなってことを、ボランティアなんかを通じて感じていて、中でもお坊さんていうのは、その人の力量とか仏教についてどれだけ詳しいかっていうこととは全く別に、一般の人に寄り添うと、皆がそれで元気になるっていう力があるんだなってすごく感じたので、世の中が不安になってる、コロナで外出もできなくて、ってなっているけども、オンラインでも繋がれるし、なんなら、お坊さんっていう人たちがそういう人たちの為にいるんだよっていうことを伝えたいなと思って、タイトルにしました。
秀吾さん:この問いの中でも、宗教者として今何をしていきたいかっていう質問の中で、良規さん「私は、宗教者は答えを出す人ではなくて、伴奏者だとおもっています」っていうフレーズがあって、非常に感銘を受けているのですが、ここら辺の想いが、そういった一人じゃないんだっていうような気持ちにつながっているっていうことですかね。
佐藤さん:そうですね、震災以降僕自身も本当に色々悩みましたし、本当に無力感に打ちひしがれていたんですよね。宗教者としてなにもできないなっていうことを。でも、僕らも結局は一人の人間であるし、むしろ、どう生きるんだろう、生きるってどういうことなんだろうっていうことを、赤裸々に、自分の日々の生活の中でやっていくしかないっていうのが宗教者だなって思って。仏教のありがたい教えを、台の上から伝えるっていう役割よりも、もちろんそれもあるとは思うんですけど、僕は逆に、みんなと同じところに、同じものを食べながら、僕も悩んでいるけど、でも僕も一緒に歩いてるよっていうお坊さんでありたいな、と思ったってことですね。
秀吾さん:そうですね、はい。この本の中で、「私も苦しいんです、悩んでいるんですっていうことを正直に言える僧侶」っていうような文章も出てくると思うんですけど、そういった僧侶の方って必要だと思うんですね。で、必要だと思っているけどなかなか難しいって部分があるとおもうんですね。今までの伝統であったり、しきたりみたいなものがあったりして、お坊さんっていうとどうしてもストイックなイメージを持っていなきゃいけない、とかですね。そういった意味では、良規さんはしきたりとか伝統とかを大切にされている中でも、必要な時にはアクティブに、時にはそういった伝統というか決まりみたいなことは脇に置いておいて、伝えることは伝えなきゃいけないっていう風な感じで活動されているとおもうんですけれども。キーワードがアンロックっていうキーワードだと思うんですけれどもそのお話しもちょっとお聞かせいただけますか。
佐藤さん:アンロックするって、解除する、とか解放するっていう意味の言葉ですけども、僕は震災以降自分なりにどう生きたらいいかって悩んだ時に、自分が悩んでいることはわかるんですよね。自分がこういうことで悩んでいる、例えば人間関係で悩んでいる、とか、あるいは宗教者としての無力さに悩んでいる、みたいなことはわかりますよね。だけどその悩みによって、自分が向き合っている問題が解き明かされるというか。悩んでるからこそ、そこから自分が一歩自由になる、そこにドアがあるみたいな気がしたんですね。そこで、今スマホとかコンピュータでプログラムを解除するとか、セキュリティを解除するとか、そういう意味でアンロックするっていうことを言葉として使うんですけど、それが僕にとってはすごくぴったりで。あっ、自分が悩んでいたのは自分がとらわれていたからで、そのとらわれを解除すると、悩みも悩みじゃなくなるし、自分も一歩先の、もう少し見晴らしの良いところに立てるんだなってことがすごくしっくりきて。わざわざ自分の言葉で、一番しっくりくる今の言葉でアンロックするっていうのを、今のところ僕のテーマにしているっていう感じです。
秀吾さん:ありがとうございます。もちろんこの本の紹介もそうですけれど、良規さんは色々な活動をされていると思いますけれども、千年の森プロジェクトというのをやらていると思うんですけど、そちらについても、ちょっとお話しを聞かせていただけますか。
佐藤さん:はい。正確には、千年芸術の森っていうプロジェクトなんですけれども、うちのお寺って檀家数が少ない代わりに、お寺が所有している山林っていうのがありまして。周りに助けられながら林業を営んでお寺を維持してきたっていう経緯があって。僕のおじいさんに当たる、先々代の住職も、いつも山にのこぎりを持って入って行ったのを小さいころ見てたんですね。僕自身も、自分のお寺の住職になってから、何が自分の仕事なのかなって思ったときに、この山を残すことだなっていうことが、一番大きいものだと感じていて、しかもお寺の山なので、うちのお寺が今年550年目を迎えているので、この先450年後、お寺が千年を迎える時に、450年の森があったら素敵だよなってことで、千年芸術の森っていう名前を付けて、そして賛同してくれた企業からも支援をいただいたりして、森づくりをはじめたところです。
秀吾さん:本当に色々な活動をされている良規さんです。
サッキー:色々とプロフィールを見せていただいたら、佐藤さんは遠洋漁業の経験があったりだとか、海外でバックパッカーのようなことをされてたりとか、本当にスタジオに来ていただいて、皆さんのお悩みもぜひ解決して欲しいなって思っているんですけれども。
佐藤さん:声かけていただければ、ぜひ。
秀吾さん:よろしくお願いします。
サッキー:お写真も拝見したんですが、良規さんに大丈夫だって言われたら心配いらないなっていう感じの。
燈門ママ:ありがたいお顔~。どうしたらこんな表情できるんだろう。
サッキー:ねぇ。温かみのある表情されていらっしゃって、実際にお会いしたいなっていう気持ちになりました。
佐藤さん:いやあ、ありがとうございます。
サッキー:またぜひ、お時間をつくって、ゆっくりとお話し伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いしますね。
さとうさん:はい、ぜひ呼んでいただければ。
サッキー:同じ岩手ですしね。ぜひよろしくお願いします。
佐藤さん:はーい。
サッキー:ということで、今日は、『不安すぎてお坊さんに相談したら「大丈夫だよ」と言われた 7人のお坊さんの7つの智慧』という本をご紹介いただきました。一関藤沢町の藤源寺住職、佐藤良規さんでした。良規さんありがとうございました。
秀吾さん:良規さんどうもありがとうございました。
佐藤さん:ありがとうございました。