Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Ryo Hasegawa

WHERE #000 菅野大門

2016.08.25 13:19

自分に向けて音にしてくれた言葉は、
どうしてこんなに熱を残すのだろう。


奈良についたら鹿せんべいを買って、鹿に食べさせるのだ。

そんな野望を秘めたポケットには100円玉。駅に到着するアナウンスに気づかされるように、大切な軍資金を確かめる。降車した一歩目、鹿の気配も大仏の気配も、ない。水と緑がやけにまぶしい。

駅から車を走らせると、少しずつ窓の景色が森に囲まれてくる。集落が谷を流れる川に沿ってつくられてきたことがわかる。東吉野は絶滅してしまったニホンオオカミが最後に見つかったところだそうだ。静かな緑と光る川が、奈良の奥深くに向かっていることを教えてくれる。


ツアーのはじまりは、OFFICE CAMP HIGASHIYOSHINO(オフィス キャンプ 東吉野)

築70年を数える民家をリノベーションしたこのシェアオフィスには、通りに面した大きなガラス張りの窓から、気持ちいい日の光が入ってくる。そこには今回のツアーのメインパーソン、菅野大門(かんのだいもん)さんが待ってくれていた。

菅野大門(かんの・だいもん) ★このプロフィール確認してほしい!★

1983年・福島県生まれ。大学進学を機に神戸へ。プロダクト・デザインを学び、学生時代から商品作りを行う。21歳の時、デザインコンペで「faces stamp」という商品がグランプリに選ばれる。2013年11月より奈良県・東吉野村へ家族で移住。現在は、雑貨の商品開発と販売を生業とし、国内外約130 店舗への販路を活かし、オリジナル商品を全国に展開している。

「それでは」からはじまる堅苦しい挨拶をするわけでもなく、始まるとすぐに笑い声が聞こえてきた。ツアーの参加者は5名。全員が東京を含む県外からの参加だ。このツアーに応募した理由のほとんどが「現地の人たちとの交流」とのこと。そう、WHEREは観光地に足を運んで記念撮影をすることや、おいしいグルメをログに残すことを目的としていない。大切にしているのは、その地域に根を張って生活をしている人と人とのつながりだ。

冒頭から顔を出してくださったのが、大門さんとともにオフィスの運営を担っている坂本大祐(さかもとだいすけ)さん。軽快なトークと、器の大きさを感じさせる傾聴力に、参加者との会話も途切れることがない。


そしてさっそくのサプライズ。東吉野村の村長・水本実(みずもとみのる)さんがやってきてくださった。笑顔で全員に名刺を配ってくださった後、地域の歴史から移住に対する考え方まで、ざっくばらんにお話してくださるその姿勢。かっこいい。

大門さんの普段の生活を体験しながら、丁寧に人と人とのつながりを築いていく2泊3日。東吉野という広い広いフィールドをめいっぱい使いながら、その土地の息づかいを自分の肌に触れさせていく時間。


村長が宝物だと話してくれた、透きとおる深いエメラルドグリーンの高見川に飛び込みながら、ひとつひとつ心を込めて収穫・選定された野菜とお肉を炭火で焼いて、その場で食べたり。何百年も前から作られてきた「吉野和紙」を使って自分のプロダクトを作ったり。森に足を踏み入れて、自分の手で木を切って、斧で割って薪にしたり。そして、一生使える皮のケースをこしらえたりする時間。


大門さんにとっては日常の瞬間。
その当たり前が、参加者の心に刺さっていく。

大門さんがこんなことを話してくれた。

「うちに外国人の方が泊まりにくることがあるんやけど、観光しないんよね。
 1日じゅう部屋にいたりするんよ」


よく旅行の計画を立てるとき、どの観光地を巡ろうとか、どんな名物を食べようとか、いかにフォトジェニックな写真が撮れるかを考えてしまうことはないだろうか。東吉野にくる外国人の方々は、それぞれその土地の空気や人を感じにくると言う。ホストである大門さんと話をすること、近所の人たちの声を聞くことが、彼らの目的そのものだそうだ。


例えば、お墓参りについてきてくださったとき。花を飾り、お線香をたき、手を合わせるその所作に、とても感銘を受けてくれていたそうだ。「ローカルを突き詰めていくと、グローバルになるんやね」と教えてくれたのも大門さん。日々の生活そのものに、それはもう、たくさんの価値がすでにあることを、改めて確かめられるような言葉。


旅を、旅にしてくれるものはなんだろう。
思い出を、思い出させてくれるものは、声だろうか、においだろうか。


水の流れ、木の重さ。WEBで読める(そう、まさにこのテキストのような)数えるほどの文字量で得られる情報と、その言葉が発せられた瞬間を取り巻く雰囲気をその場で感じた上で汲み取る言葉の情報は、まったく違う。そしてその瞬間は、誰のものでもない、自分だけのものになる。


会いに行く。それだけで、その旅で出会った人たちは、あなたを見て、あなたに向けての言葉で伝えてくれる。それは、博物館に飾られた読みやすい説明のテキストでは体験できないはずだ。自分に向けて音にしてくれた言葉は、どうしてこんなに熱を残すのだろう。


WHERE

次は誰に会いに行こう?


WHERE #000 菅野大門

[ 概要 ]
2泊3日 @奈良県東吉野村
5名(人数限定開催)

■DAY1
東吉野の豊かな自然

/ TALK 東吉野村村長・水本実さん
/ BBQ
/ 川遊び(飛び込みも!)

/ 東吉野クリエイターズ交流会

■DAY2

暮らしとモノづくり

/ 吉野和紙プロダクト制作

/ 民家のおうちごはん

/ 木こり体験(LUMBER JUCKS)

/ ブルーベリー収穫

■DAY3

プロダクトデザイナー菅野大門

/ プチ民泊体験

/ 皮のカードケース制作

[ 金額 ]

 ★これぽぽが正確に書いたほうがよいと思う〜