湯立神楽の展示を行います
豊前神楽の最大の演目であります湯立33番神楽の齋庭(ゆにわ)の再現を中津市歴史博物館において令和2年11月23日~令和3年1月10日までの間行います。
蛎瀬神楽では湯立は三十三番の儀式を持って成立するとされていること、設営等に非常に手間がかかることから十数年に一度位しか奉納されることがございません。
今回は博物館での展示と言う事ですので、長期に亘り展示することができ数多くの皆様のお目にとまることができますことを期待いたしております。
尚、今回はこの御神殿に殊に疫病を納めることに霊験があらたかな神様の御分霊を安置いたしております。
少しでもコロナウイルスが沈静化いたしますように御祈念申し上げます。
御神殿には、米、酒、餅、魚、海菜、野菜、果物、塩をお供えし通常は天津神、国津神、八百万之大神様達を神楽執行前に降神して神楽を執り行います。
特に野菜は川菜を供えることが重要視されています。
湯立神楽の特長は禊ぎ祓いをした舞手がこの斎庭に入り神楽を33番執り行う大変珍しいものとなっております。
竹矢来で周囲を取り囲み中央に10メートル程の御神木を立て周囲に赤土で塗り固めた五徳を設置し火をたきます。
湯之駈仙(ゆのみさき)と言う演目では猿田彦命が釜の脇に昇り湯釜の湯を鬼杖にて周囲の観客に振りかけます。この湯を浴びると身体健全、病気平癒などの御利益があるとされます。
また、この中央の御神木に昇ってロープを伝って降りてくる所作も見所の一つとなっております。
斎庭内で使用する火は忌火を用います。マッチやライターは使用する事ができません。
この轆轤錐(ろくろひきり)という道具で火種を起こし麻をほぐした物でくるみ風を送って火を付けます。
その火を松明によって中央の釜の薪に火が付けられます。
展示には実際に使用する祝詞一式、一国一宮の巻物なども展示いたしております。
これらは一回の湯立を行う都度に浄書されます。
その他、一部の衣裳や神楽面などの展示も合わせて行っておりますので是非ともお立ち寄りください。