紅白戦9/21
残暑も強い昼下がり。
軟式野球部第2回紅白戦が開催された。
Bチームの先発は前回の試合で好投を見せた1年の中井。
対するAチームの攻撃は1番伊東。前回の試合での出塁率の高さから起用され久々のトップバッター。
立ち上がり不安定な中井の球をセンター前に弾いて出塁すると、続くのは2番増原。メジャーでは主流の2番打者最強説を唱える攻撃的な打順だ。そしてその期待に応えるが如く左中間に打ち無死1,2塁と好機を広げ、迎えるのは3番黒田。
序盤から連続出塁により動揺した中井の球を見逃さず初球を痛打。右中間を大きく破る適時二塁打を放ち先制点を得た。続く4番林に対しても四球を出し無死1,2塁と早くもビッグイニングになるかと思われたが、後続を3人で押さえなんとか2失点で初回を終わることができた。
そして点を返したい1回裏Bチームの攻撃。
Aチームの先発はおなじみ2年の黒田。課題の制球を夏の間に克服したのか先頭中井を落ち着いた投球で二ゴロに打ち取り幸先の良いスタートを切った。
その安心も束の間、続く2番向井、3番中村と連続四球で1死1,2塁といつものようなスタートとなり、4番平田は中飛で打ち取り2死にするも続く5番浅川、6番坂本を連続四球で1点を返されなおも満塁といつもの展開となった。
そして7番須山を二ゴロに打ち取って今回を終えたかと思われたが、ここで1塁走者の坂本が二塁手の松浦に対し打球を身体で遮るというトリックプレーを披露。反応がおくれ松浦は捕球を誤りさらに1点を献上することになった。
同点となり2回を迎えるもここは両投手の好投によりそれぞれ3人できり、続く3回。
Aチームは2番増原の右安打で出塁、さらに塁上からその巨体により中井にプレッシャーを与え続けるも後続が続かず増原を返すことは能わなかった。
Bチームの攻撃では2番向井、3番中村がまたしても四球で出塁し無死1,2塁で4番平田に繋いだ。今までその俊足を生かしたプレーにより1,2番を任されていた平田だが、最近の力強いバッティングを見抜いたキャプテンにより異例の抜擢。その期待に応えるように黒田の置きにきた甘い球を痛打。左中間を大きく破る三塁打を見せた。
しかしここでカットにAチームの遊撃手徳永がその強肩により1塁走者の中村をホームで刺殺。際どい判定ではあったが被害は最小限に抑え1死3塁となった。
ただここで3塁走者の平田が何を考えたのかいきなり本塁への爆走。不意を突かれたがボールは以前捕手の西谷の元にあり、嬉々として死地に向かう様は4番の重圧からの逃避行動だったのかもしれない。このプレーにより1死3塁のチャンスが一瞬で2死走者なしのピンチへと代わった。続く5番浅川が四球で出塁するも6番坂本が三ゴロでこのビッグイニングを1得点で終わることとなった。
続く4,5回は両投手の好投により四死球をそれぞれ出すも得点圏に走者を進ませない緊迫した試合運びとなった。
そして7回表のAチームの攻撃。9番竹内が三振に倒れるも1番伊東がこの日2本目の安打により出塁。さらに塁上から揺さぶりをかけることにより、捕手中村の牽制球が逸れた隙に2塁へと進塁。
2番増原は三振となるも3番黒田がまたしてもレフトオーバーの適時二塁打で同点とした。
そして7回裏Bチームの攻撃。
9番田中が四球、10番池田を三振、1番中井を四球と1死1,2塁となるとここで右翼手伊東と二塁手松浦による変形シフト、ダブル二塁手により内野手を増やし万全の体制とした。
そして迎えた2番向井、内野を固めたことにより空いた右方向を狙って打った打球は内野手となった伊東と一塁手の林の間に上がった。ここは元外野手としてフライ処理が得意な伊東に一任されたが、内野フライと外野フライの回転の違いに戸惑い落球。しかしすかさず拾って二塁へ送球2死1,3塁と最悪の事態は免れた。続く4番平田を三振にし、失点なくこの回を終えることができた。
8回の表、Aチームの攻撃。
4番西谷が四球で出塁すると6番松浦、7番藤田の間に盗塁を決め2死1,2塁でバイトで帰った9番竹内に変わり1番伊東。自分の手でこの試合に蹴りをつけるため狙いを絞った3球目。打った打球はセオリー通りの右方向、1,2塁間を抜けそのままライトへ。ここで西谷は前の試合のような凄まじい勢いで三塁を蹴りホームへ突っ込む。やや暴走気味かと思われたが相手は前回と同じく中村だっため吹き飛ばす自信は十分。しかし今回は送球が余裕を持って本塁へ到達したためクロスプレーとはならず憤死ということに相成った。
8回の裏、Bチームの攻撃。
先頭の5番浅川が四球で出塁すると、6番坂本は左飛、7番須山が四球、8番住友が三ゴロと2死1,2塁。得点圏に走者を進めながら得点できないもどかしい状況が続いていた。そしてここで迎える打者は9番田中。試合終盤になり1点もやることのできないこの状況にAチームも先ほどと同じく右翼の伊東が二塁手松浦の近くへ移動。もはや右ゴロすらも射程に入れた攻撃的な守備を見せた。
そしてここで田中の打球はその守備の戦略にはまるが如く右翼の伊東の元へ。ここでそのまま一塁へ投げれば良かったのだが、伊東の視界にはまさに本塁をを踏もうとする浅川の姿。1点もやらないという強い気持ちが先走り今シーズン最高のレーザービームを本塁へ発動。しかしタイミングが間に合わず走者オールセーフ。球場内にいる選手全員が久しく見てなかったフィルダースチョイスを叩き出した。
さらに息をつく間もなく10番池田がの打球も、傷心中の伊東の元へ。右ゴロも狙うことなく適時安打となりこの回2点をあげることになった。
そして9回Aチームの攻撃。2点ビハインドで迎えた最終回。
しかし打順は2番増原からの好打順。しかし意気込みすぎたのか増原の打球はそのスイングに見合わないポテっとしたあたり。捕手の中村が好フィールディングを見せ1塁へ送球。早くも1死となった。
しかしここまで好投を見せてきた中井にも疲れが出始めたのか3番黒田、4番林、5番西谷と連続四球で1死満塁と一気に好機が回ってきた。そして迎えた6番ラッキーボーイ松浦。この日も一個の死球をもらっており調子は十分だった。ファールでタイミングをはかり狙った3球目、打球の威力は弱いがその分遊撃手の坂本まで届くのが遅く、3塁の黒田はそのまま帰塁。2塁でのフォースアウトが起こったものの2死1,3塁で得点の可能性を残した。そして期待が持たれた7番藤田、8番小國が共に四球を選び押し出し追加点で同点に並び満塁で1番伊東へと回った。
先ほどチャンスでも追加点を上げることができず、ここまで打点は0。先ほど守備でもチームの足を引っ張ってしまった自覚からこの打席にかける思いは桁違いのものであった。この一打で試合を決める。今日は特に当たっておりその気合いと自信は十分であった。ボール球には手を出さず振り抜いた3球目。
ゆるいカーブにタイミングを外され結果は遊ゴロ。
実力通りの結果となり、Aチームの勝利は消えた。
そして続くBチーム攻撃。
1点サヨナラの状況にこの試合を一人で投げ抜いてきた黒田の緊張も高まってきた。それも相まって先頭2番向井に死球、3番中村も四球と怖い打者二人をとりあえず塁にだし無死1,2塁で4番平田との勝負。
この試合で長打を打たれたのは4番平田ただ一人。リベンジの意味を込めて力を込めた球は平田のバッドにかすることなく全て西谷のミットに吸い込まれて行った。その勢いのまま5番浅川も三振と連続三振により2死1,2塁。そこで気持ちの糸が切れたのか6番坂本に四球を与え2死満塁で7番須山を迎えた。
この試合1打点を挙げている須山に対して、超遅球を混ぜた緩急ある投球で翻弄。対する須山もファールで粘るが勝負がついたのは8球目。フルカウントからの速球に対して須山のバッドが空を切って終わった。
2回目の紅白戦も引き分けに終わったが軟野の紅白戦史上初の9回フルでの試合に部員一同大盛り上がりとなった試合であった。