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身近な人が亡くなることは…

2020.11.25 10:26

私の両親は90歳前後に達しましたが元気です。

しかし、身近な親族では今年の2月、母の双子の妹が亡くなりました。

双子というのは不思議なもので、どこか以心伝心でつながっているようです。

子供のころ母が妹に連絡しようと電話に手を伸ばしたとたんに向こうからかかってくる、というようなシーンを何度となく見た記憶があります。

一卵性双生児として血を分けたその双子の片割れがこの世を去ったことは母にとって大きな精神的ダメージだったはずです。

遠く離れた地に住む妹の葬儀には母自身の体力とコロナ禍の中であることもあり、参列することすらできませんでした。

老人ホームに入居する母はその後一時体調を崩し、入院。コロナではありませんでしたが、肺炎の症状があり、入院生活中は様々な制約がありました。

入院中は「治療は必要ない。このまま死んでも構わない。」と普段見せることのない弱気な発言もあり、我々も不安に感じました。

幸い回復し、今はホームでの生活に戻っています。

ホームの母とはめったに会うことができません。

時々、ホームの方にお願いして母を施設の玄関先まで連れてきてもらい、孫たちの姿を見せる程度はできています。

しかし会うのはほんの2,3分。

それでも顔を合わせることができるだけ良いのでしょうが、コロナの感染は再び拡大傾向にあり、以前のような生活に戻ることは当分できなさそうです。

ちょうど今の時期は毎年年賀状をやり取りさせていただいている方で今年不幸があった方から喪中挨拶のハガキが届く時期です。

今年はなんとなく例年より多いようにも感じます。

私と同年代の人の親世代も80歳前後に達した人が多く、そろそろそういう世代なのだろうと感じる今日この頃です。

親との死別はかかわる人たちにとっては人生でそう何度も体験することのない悲しい時でしょう。

親しくしていた友人、知人がなくなる以上に辛いことだと思います。

しかし、いつかは訪れるその時。

親を送るのは子の務め。乗り越えなければいけない悲しみだとも思います。

弊社には、相続が発生した後「相続手続きをどう進めればよいかわからない」というご相談も少なくありません。

身近な方が亡くなられた後、悲しみに暮れ、しばらくは何も手につかない、というのもわかります。

しかし、最近は核家族化が進み、葬儀などが終わるとその後なかなか親族間で集まれず、遺産分割の協議などが思うように進まないという家庭も増えています。

相続が発生してから相続税の申告・納付までの期限は10か月。相続税がかかる場合や、相続税が減額できる特例を利用する場合には、特別な事情がない限りこの期間を延長するのは難しいといえます。

(コロナの影響で現在は税務署も延長を認めています)

相続税がかからない、特例を利用することもないという場合には特に期限もないのでゆっくり話し合えばよいかもしれません。

しかし、いつまでもほったらかしというわけにはいきません。

遺産分割協議を行わなければ、亡くなられた方の金融資産の凍結は解除できませんし、不動産がある場合には相続登記もできません。

さらに、相続人のどなたかが亡くなられえてしまうと、そのあとの手続きはより複雑になってしまいます。

人の命は限りあるもの。いつか必ずその時は訪れます。

自分がその時を迎えた時、周りの人に苦労を掛けないため。

いつか身近な人にその時が訪れた時に慌てたり、もめたりしないため。

その時に備えて準備をしておくことが大切です。