2020パルLリーグ戦をデータで振り返る
2020年のリーグ戦を、データを見ながら振り返ってみます。
AC長野パルセイロレディース
2020なでしこリーグ2部 5位 8勝4分け6敗 勝ち点28 得点22/失点13
悪くはないけど・・・良くもない。入替戦での降格直後の1年、優勝を目指すと公言したものの選手は半分以上入れ替わり、特に攻撃陣は昨年のレギュラーのほとんどが退団した中、残留した瀧澤選手と中村選手の2年目長野県コンビが軸となった。
昨年ノーゴールだった上に夏以降ケガで離脱した中村選手が今年は8得点でランク3位タイ、決定率はPK無しで2位タイ。ここは素直に評価したい。GKまで抜いたのにポストにコーンなんて場面もあったけど、ゴールゲッターとしては期待以上に成長したと思う。
INAC神戸の安本社長がtweetされている通り、AC長野パルセイロレディースの今年の観客動員はホーム8試合(最初の試合は無観客)で7,294人。1試合平均は911.75人。Uスタの7試合では平均991.14人。1部と2部を合わせて上から3番目というのは誇れる数字。2020年のチームの順位は新規の2チームを除いてWEリーグ参入チームの中で一番下だが、この後押しを武器に、臆することなく新たな戦いに臨んでほしい。
今年のコロナウイルスに翻弄された中で、長野Uスタジアムや佐久陸上競技場では左右の間隔を空けて余裕を持って対策・観戦が出来たと思う。チーム運営スタッフ・ボランティアの皆さんには改めて感謝したい。一方で、この状況でもゴミをスタジアムに置いて行ったり、荷物検査をすり抜けて缶チューハイを持ち込んだバカもいた。この辺は個人のモラルに訴えるしかない訳ではなく、罰則強化や強制退場も含め検討をお願いしたい。
チームデータに戻ると、アウェーの好調さが目立つ1年だった。
ホーム:2勝3分け4敗 勝ち点9 得点6/失点7
アウェー:6勝1分け2敗 勝ち点19 得点16/失点6
最終戦がホーム唯一の勝利だった昨年に比べればまだマシだが。コロナでアウェーの観戦が秋まで自粛せざるを得ず、特に関東圏は長野県からの注意喚起や主催者側の入場者数制限があったりで観戦が難しい今年、出来ればホームの成績をもう少し伸ばして欲しかった。そうすればもう少し上位進出や優勝争いに絡むことも出来たはず。ホームゲームの終盤3試合を2勝1分けで乗り切ったのを来年に少しでも繋げていきたい。
出場時間は、五嶋副キャプテンが唯一の18試合1,620分フルタイム出場。何度か試合中に痛めることがあっても出続けたのは、それだけ替えの利かない軸だと佐野監督は考えていたのだろう。その五嶋選手とCBでコンビを組んだ大河内選手が1,613分で2番手。交代で7分+ロスタイム減っているだけなので、この2人はほぼ不動。その後は住永選手、肝付選手、岡本選手、三谷選手と続いた。
チーム内得点ランク。
8得点:中村選手
2得点:泊選手、川船選手、岡本選手、住永選手、大久保選手
1得点:肝付選手、瀧澤選手、三谷選手、藤田選手
めぐがエースストライカーなのは間違いないが、他が少ない。チーム内の役割を考えれば、得点力を期待された泊選手、2トップの一角を担う試合が多かった瀧澤選手の得点数は物足りない。そんな中、ポジションを三谷選手と入れ替わったことで2試合連続得点を記録した岡本選手、スーパーサブとして途中出場で2得点、特にホームでゴールに向かう気合をいつも見せてくれた下部組織登録の川船選手は期待以上と言えるはず。また、SB(肝付選手と藤田選手)が得点を決めたのも、ここ数年では久し振りではないだろうか。
チーム内アシスト(独自集計)ランク。
5アシスト:大久保選手
3アシスト:瀧澤選手
2アシスト:三谷選手、肝付選手
1アシスト:藤田選手、池田選手、大河内選手、住永選手、泊選手
17節の途中出場で中村選手への2アシストを記録した瀧澤選手は、得点が少なかった分U代表コンビに期待が持てそうだが、他の場面では大久保選手に大きな比重が掛かっている。FKやCKの半分も蹴るのでアシストを望める場面は多いが、それにしても偏っている。前目に位置している中村選手、住永選手、岡本選手のアシスト合計が1は少ない。
得点の時間帯。左から15分毎に色分け。ほぼ満遍なく得点しているように見えるが、前半後半共に最初の15分の得点が異常に少ない。
失点の時間帯。同じく15分毎に色分け。今度は逆に、前後半共に(3節のロスタイム失点を除けば)30分から45分の時間帯は無失点で抑えている。失点は前半が多く、特に15分から30分にかけてが他の時間帯と比べると異様に多い。リーグ戦の折り返しまでは、凡ミスが失点に直結、更に敗戦に直結するケースも多かったのが悔やまれる。