Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

bluefish

第三者割当増資。

2020.11.26 00:35

特-6 第三者割当増資

①第三者割当増資

第三者割当増資とは、

既存の株主に限定せず、

→特定の第三者に新株引受権を与えて株式を引き受けさせる形態の増資を言います。

非上場会社の場合は、縁故者による第三者割当増資が一般的です。 

→時価より低い価額で新株を発行する有利発行が行われることが多いです。

②税務上の取扱い

第三者割当増資であっても時価により増資が行われる場合は、

→1株当たりの払込価額=増資後の時価は、

理論的に同額のため、課税はされません。

しかし、有利発行により増資が行われる場合は、

→新株を引き受けた者の区分により

 →所得税

 →法人税

 →贈与税

    が課されます。

新株を引き受けた者が同族会社の株主の親族である場合、

→贈与税が課税されます。

(参考:相基通9-4)

3.経済的価値が移転

有利発行により増資が行われた場合

→既存株主から新株主へ経済的価値が移転します。

→つまり、

 →既存株主が損をして新株主が得をすることになります。

 →新株主は、贈与税等が課税されます。

④既存株主に対する課税

 既存株主はその有する株式の経済的価値が減少。

 →既存株主に課税が発生しません。

 →有利発行により新株を引き受けた者が法人であっても、

 →法人に対する株式そのものの贈与や低額譲渡ではない。

 →時価により譲渡したとみなされて所得税が課税されることもありません。


⑤課税関係のまとめ

a. 同族会社の株主の親族等が新株を引き受ける場合

 →贈与税が課税される。

b. 発行法人の役員や従業員が新株を引き受ける場合

 →給与所得

 →退職所得

 として所得税が課税される。

c. 上記以外の個人が新株を引き受ける場合

 → 一時所得として所得税が課税される。

d. 法人が新株を引き受ける場合

 →時価と払込価額との差額が時価の概ね10%以上であれば発行価額が社会通念上相当と認められる価額を下回っているとして、受贈益に対して法人税が課税されます。

(参考:法令119①四・法基通2-3-7)

※新株発行が行われると法人税申告書別表二に異動が生じますが、通常の法人税の税務調査では上記のような課税関係について特別な指摘を受けないこともあります。