◇勤労感謝の日
11月23日の勤労感謝の日、朝のミッケルとの散歩道で「今日は勤労感謝の日だったなぁ」と考えていたら、盲学校時代のことを思い出しました。
47才で盲学校に入学し、1年生の途中から盲学校に併設されている「寄宿舎」に入りました。
ある日「寄宿生は、明日の夏祭りの準備をするために、食堂に集まってください」という放送があり、私も食堂に行きました。
準備の説明の後、周りのみんなはそれぞれの持ち場につき、仕事を始めました。
だけど、初めての私は何をしたら良いのか、知り合いはいないし、周りの様子も見えないし、どうしたものかと一人孤独を感じながら、ただただボーっと立っていました。
すると、一人の男性が近づいて来て「この椅子を一緒に運んでもらえますか。片手で僕を持ってもらったらいいですから」と、声をかけてくれました。
「あ、はい。先生ですか?」と尋ねると、「いえ、高校生です」の返事が返ってきました。
盲学校の寄宿舎には、小学生から私のような大人までいろいろな人が生活しています。
私は、この男の子に「私が何もできなくて立っていたから、声をかけてくれたの?」と聞くと、「はい、ここでは、少し見える人も見えない人も、一緒になって仕事をするようにと、教わっていますから」と教えてくれました。
何かできることがあるって、有り難いこと。
自分の居場所があるって、幸せなことです。
子供の頃は「勤労感謝の日」は、働いてくれるお父さんや、お母さんに感謝する日と思っていたのが「働ける健康と、仕事があることに感謝する日」だと当時気づいたことを、今もよく覚えています。
今、新型コロナ問題で、働きたくても働けない状況や、健康被害などが多く起きています。
辛い思いをされている方も多いことでしょう。それを考えると心が痛みます。
私も講演活動はストップしていますが、カウンセリングなどを通じて少しでも社会のお役立ちが出来ること、働ける健康と意欲があることに改めて感謝です。
また、私の相棒の盲導犬・ミッケルが居てくれるから、安心して仕事に行けます。
ミッケルも「仕事に出かけるよっ」とハーネスを着けると嬉しそうにしてくれます。
ミッケルも「勤労感謝」の意味を知っているようです。
にこっ! 亀ちゃん
★写真は、きれいな紅葉につつまれたミッケルと私です。