Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Atlanta Life ~via Belgium~

ドラキュラの舞台とルーマニア語

2016.08.27 19:53

今回の旅程:

Day1ブカレスト⇒Day2ブラショブ⇒Day3シギショアラ⇒Day4シビウ⇒Day5ブカレスト⇒Day6ベルギーへ帰国!


ルーマニア2日目、トランシルヴァニア地方の街、Brasov(ブラショヴ)にやってきました。

首都のブカレストからは車で5時間(ナビ的には2.5時間の予定でしたが渋滞がひどく倍かかってしまいました…)。 ここは、ドラキュラ城として有名なブラン(Bran)城への起点となる街で、中世の町並みがそのまま残っている場所として、ヨーロッパの観光客にとても人気のスポットです。観光地ではスペイン語やイタリア語をよく耳にしました。また、ルーマニア語がラテン語系だからか、スペイン語やフランス語を話せる人もちょくちょくいて、例えばレストランやホテルでは英語は通じるのですが、駐車場や屋台では英語はさっぱりで、スペイン語に切り替えてのコミュニケーションとなりました。ルーマニア語を感じた瞬間! 


ちなみにルーマニア語ですが、単語は同じラテン語系の他言語に似ているものもあるのですが、意外に分からないのも多かったです。響きはスペイン語やイタリア語に似ている感じ。某ガイドブックによると、スペイン語、フランス語、イタリア語をいづれか少しでも知っているとルーマニア語はだいぶ分かると書いてあったのですが、、うーむ、果たしてそうか? 

ルーマニア語の基礎は、ローマのトラヤヌス帝時代以降、ルーマニアがローマの属州となりラテン化していく中で形成されたそうですが、その後ハンガリー、オスマントルコ、オーストリア(ハプスブルク家)、ソ連などに支配されていたことや、地理的要因もルーマニア語の形成に一役買っているのでしょう。似ている単語もあれば、全く違う単語もあり、例えばYESとNOはスラブ語系と酷似したDa(ダ)とNu(ヌ)。これはクロアチアやセルビア辺りとそっくり。 元スペイン語学科の私はイタリア語やポルトガル語は結構想像がつく部分も多いのですが、ルーマニア語は一筋縄じゃいかない模様。 


さて、話が逸れてしまいましたが、ブラン城はブカレストからブラショフに行く途中にあります。いきなりどっと人が増えて、ドラキュラグッズを売る土産物屋が増えたところなので分かりやすい。

<沢山のお土産が売ってあります>


私はそこまでドラキュラに興味がなかったのですが、ルーマニアに来てここに行かないのはさすがにもったいないかと思い行ってきました。 ルーマニアではドラキュラがものすごくフィーチャーされてますが、「吸血鬼ドラキュラ」はアイルランドのブラム・ストーカーという作家が、1897年にルーマニアのヴラド3世をモデルとして作ったお話です。元々ルーマニアに吸血鬼の類が存在したという伝承等はなく(東欧にはそのような伝説はあったようですが)、さらにモデルのヴラド3世はルーマニアでは祖国をオスマントルコから救った英雄として評価されています。なぜ彼がドラキュラのモデルになったかというと、オスマントルコの兵士たちを串刺しにしたという(串刺し公という異名あり)残虐性から由来しているようです。ちなみにこのドラキュラの小説がルーマニア語に初めて翻訳されたのは、1989年のルーマニア革命によって共産主義政権が終わった1990年で、それまで原作の小説はルーマニアでは発禁書だったそうです。それにしてもブラショフは、世界的に大ヒットしたこの小説のおかげで一躍観光収入が増えて、ストーカー様々ですよね。 

<ブラン城外観。ちょうど雲が出てそれっぽく写っていますが、中は中世の趣のある、石と木造りの明るく素敵なお城でした>

<ブラン城中庭から>


<ドラキュラのモデルとなったヴラド3世>

<串刺し公と言われた由縁…>



ブラン城の後は近くのルシュノフ要塞に立ち寄って、ブラショフに向かいます。 

ブラショフは広場沿いに赤い瓦屋根のカラフルな壁の可愛い家が沢山並んでいて乙女心をくすぐる街。この街はドイツ人、ハンガリー人、ルーマニア人によって造られた街だそう。素敵なカフェや美味しいパン屋さんが沢山あってカフェ好きには嬉しい街。特に気に入ったのは、昔の薬局をカフェに改造したところ。アンティークな薬瓶が並べられてとってもオシャレでした。パンもいくつか試しましたがどれもとても美味しい。ルーマニアの食べ物は何を食べても美味しくて太ってしまいそうで困ったものです。

<ルシュノフ要塞からはトランシルヴァニアの田舎の風景が一望できます>


昔の薬局を改造してカフェにしたところ。


クルトゥーシ・カラーシというバームクーヘンの元祖となったお菓子。太い木の棒のようなものに生地を巻きつけて焼きあげるので、中は空洞になっていて、外側に砂糖やアーモンドやココナッツをかけて食べます。これがとても美味しかった!



もちもちのパンの中にゴロゴロのリンゴやチョコやジャムが入っているパン。「Covrigelul」と言います。写真はリンゴバージョン。甘くなくて美味しかった!


こちらがブラショブの街並み。

<朝のお散歩風景>


<とても仲睦ましいおばあちゃんと孫>


<カラフルな建物とオープンテラスが沢山の目抜き通り>


さて、次はルーマニアの古都、シギショアラです!