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『タネは誰のもの』が緊急公開中。農業は人々の暮らしの土台となるもの。種苗法改正についてもっと関心を持とう。

2020.11.27 01:20

 現在会期中の国会で種苗法の改定案が審議されている。種苗法は品種の育成者の権利保護を定めた法律だ。日本の種苗の海外流出を防ぐために必要だから賛成。農家の負担が増えて経営が立ち行かなくなるから反対。人によって受け止め方に大きな差がある。

 そもそも種苗法は、品種の育成者の権利を守るための法律だ。農業版の著作権のようなものと考えるとわかりやすいかもしれない。審議されている改定案での主な改正は、農家による登録品種の「自家増殖」に育成者の許諾が必要になること、育成者は登録品種を許諾なく輸出できる国や栽培地域を指定できることの2点。反対の意見として多いのが、これまで自由にできていた自家増殖が許諾制になること。

 急速なグローバル化のなかで、あらためて種の権利が問われている。映画『タネは誰のもの』が11月13日から緊急公開されている。自家採種・自家増殖している農家と種苗育成農家の声を集めているドキュメンタリー映画だ。未来の日本の農業をどう捉えていくのか。日本の食料自給率はカロリーベースでおよそ37パーセント。新型コロナウイルスによって、グローバル化が国の未来にとって健全な道なのかどうかも危惧する声も囁かれるようになった。種から見えてくるものは、決して小さくない。ひとりひとりが種について、日本の農業について考えるきっかけを与えてくれる映画だ。

タネは誰のもの

監督・撮影・編集:原村政樹

プロデューサー:山田正彦

語り:江原啓之

協力:日本の種子(たね)を守る会/映画「武蔵野」製作委員会

企画:一般社団法人心土不二

配給:きろくびと

2020年/日本/カラー/65分

※アップリンク渋谷、シアターセブン(大阪)などで公開中 自主上映会も全国各地で開催されています。