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オンライントラベルlog

RetripとFindTravelを比較してみた

2016.08.30 00:30

SNSやスマホが浸透するにつれ、従来なかった旅行サービスとしてキュレーションメディアが登場してきた。

細かいのはたくさんあるが、代表的なサービスはRetripとFind Travelだろう。


キュレーションメディアの特徴は、ある一定のテーマに沿ってネット上に落ちている情報をまとめ、一本の記事のように見せること。


観光地の綺麗な写真と斬新なテーマの切り口でSNSによって共有拡散され、閲覧され発展してきた。


SEO的にも観光系のキーワードではほぼこの2サービスが独占している。


例えば「箱根 観光」で検索すると、箱根観光公式サイトの次はFind Travel、その次はRetripとキュレーションサイトが上位にきている。

ここで出ている記事のように「おすすめスポット◯ヶ所まとめ」や「絶対やりたいこと◯選」のようにランキングのような形式でまとめてあるものが検索上位にくる事が多い。


個人が旅行に行く際に上図のような工程をたどっていくが、それに沿って各種の旅行のサービスが展開されている。

キュレーションサイトはDreamやPlanの部分を狙ったサービスだ。

SNSでたまたま流れてきた記事を見た人が、こんなところに行ってみたいなという気持ちを抱く際のキュレーションサイトの役割はDreamの部分に相当する。

また、そのサービスを見てどこに行こうかなと決めたり、いざ旅行に行こうと決めて観光地を検索したときに「おすすめスポット◯ヶ所」などのまとめから具体的に計画を決める手助けをする際の役割はPlanの部分に相当する。

特にPlanの部分は、まだ考えがぼんやりした状態から、旅行に行こうと具体化した時、さらに現地で観光スポットを探す場合など、実際には上流工程から下流工程までかかるので利用シーンも多い。

以前は旅行雑誌やガイドブックが担っていた領域をキュレーションサイトが担いつつあると言っていいだろう。


旅行サービスを展開する際には、どこでサービスを展開するのかはの設定は非常に重要だが、上図の青い▶の背景はどこが一番ユーザーボリュームが多いのかを表している。

一番少ないのは「旅行に実際に行った人」であり、一番多いのは「旅行に行きたいなと思っている人」だ。実際に行った人と行かないかもしれないけど行きたいなと思っている人では当然後者のほうが人数は多い。

「旅行に行きたいなと思っている人」はすなわちDreamの部分になる。

つまり、キュレーションサービスは一番ユーザーボリュームが多い「旅行に行きたいなと思っている人」や次にボリュームの多い「旅行を計画中の人」などのユーザー層が多いところを対象にしているサービスということになる。


ただし、対象ユーザーのボリュームが多いからといって必ずしもビジネスとして強いわけではない。

OTAやメタサーチなどBook(予約・購入)のサービスは購買や送客にあたる部分を担当しているため、ユーザーやサプライヤーの側に対価を支払う動機が多い。

一方のキュレーションサービスは代替可能な情報を提供しているのみであり、誰もお金を支払う動機がない。強いて言えばかつてガイドブックを買っていた層がお金を支払いたいと思うかどうかだ。

ただし、キュレーションサービスにメインで到達するのは検索した結果であったり、SNSでたまたま見ただけであって、そのサービスでなければならない強い理由を持たない場合が多いという意味ではユーザー課金に対するハードルも高いだろう。


さて、キュレーションサービスを概観してきたが、本題のRetripとFind Travelについて、SimilarWebで情報を調べてみた。

ユーザー数は7月でRetripが2,080万人、Find Travelが2000万人。ほぼ拮抗している。

直帰率や滞在時間、訪問者あたりのページ数などはRetripがいずれも上回っている。

サービス規模は拮抗しているもののRetripのほうにユーザー満足度があると言えるかもしれない。


とはいえ先に述べたように、キュレーションサービスはそのサービスを利用しているというよりも、あくまでたまたま検索した結果のランディングページとしてたどり着く事のほうが多いだろう。

次の図は流入経路だ。

ダイレクトの比率がRetripのほうがわずかに上回っている。検索比率はFind Travelのほうが多い。

Retripのほうがわずかだが偶然ではない顧客が多いと言えるのか、Find TravelのほうがSEO対策がよくできていると言えるのか微妙なところではあるが、やはり両サービスとも圧倒的に検索流入比率が高い。


今後の両サービスのマネタイズ方針は広告でずっと行くのか、Book領域にいくのか、はたまたユーザー課金にいくかはわからないが、現状の広告ビジネス以外の道を歩む場合にはDirectの比率を上げていくことは必須だ。

ダイレクト比率を上げることを意図してだと思うが、両サービスともアプリに力を入れている。偶然RetripやFind Travelにたどり着いた人がアプリを落として、次からはアプリに直接行くようになれば別のマネタイズの道を歩むこともできるだろう。


今回はウェブサービスとしてのRetripとFind Travelを見てみたが、アプリの実績も見れるようであればいずれ比較したいものだ。