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蜻蛉

2016.08.28 10:09

【word】
みなさんは、なんと読まれましたか?

蜻蛉

「かげろう」でしょうか?
「とんぼ」でしょうか?

まだ7月のこれから暑くなりそうな時期にも、とんぼを見かけることがありますが、
やはり、
今の季節。
秋に向かう頃に、たくさんの種類のトンボが飛び交う姿は、秋を連想させます。
特に赤とんぼを見つけると、秋が近く感じてそわそわしたものです。

蜻蛉は古くは「あきつ(秋津)」と呼ばれていて、
これは、秋の澄んだ青空にトンボの姿が似合うからだとか、
秋の季語に蜻蛉が使われるのも、そのためだとか、

本当かどうかわかりませんが、
そんなお話しを聞いたことがあります。

古い文献では
海に囲まれた国、実り豊かで多くの蜻蛉(秋津)が飛び交う国ということで、
日本のことを「秋津島(あきつしま)」と呼んでいたそうです。

トンボは日本を象徴するほど多く飛んでいたのですね。

ちなみに
とんぼとかげろうは同じではありません。

どちらも4枚の羽根で飛びますが、
前の羽根が長いのが「かげろう」

後ろの羽根が長く、細長く、スマートなのが「とんぼ」

昔は、とんぼとかげろうが正確に区別されていたかどうか、わかりませんが、
全く違う虫ですね。

かげろうは、
現在は「蜉蝣」と書きます。
なので、
「蜻蛉」は「とんぼ」のこと。

それなのに、かげろう と読んでしまうのは、
源氏物語宇治十条の中に「蜻蛉(かげろう)」の巻や

平安時代にできた「蜻蛉日記」(藤原道綱母)の影響かもしれません。

蜉蝣も蜻蛉も、ゆらゆらと揺れるように飛ぶことが出来ます。(ホバリング)

陽炎(かげろう)もゆらゆらと。。しています。

思いつくまま書いていると だんだん関係があるのか無いのか・・。
難しくなってきてしまいましたので、
辞書(大辞林)をひいてみました。

かげろう   【〈陽炎〉】
春,晴れた日に砂浜や野原に見える色のないゆらめき。大気や地面が熱せられて空気密度が不均一になり,それを通過する光が不規則に屈折するために見られる現象。「かげろう(蜉蝣) 」に通じさせて,はかないもののたとえに用いる。糸遊(いとゆう)。
[季] 春。
〔漢語で「遊糸(ゆうし)」というところから,早春や晩秋にクモの子が糸を引いて飛ぶものをいったとする説もある〕

かげろう【〈蜻蛉〉・〈蜉蝣〉】
カゲロウ目の昆虫の総称。多くは体長10~15ミリメートル。体はか弱く細長で,二本または三本の糸状の尾がある。はねは膜状で,後ろばねは小さいかまたは欠如する。不完全変態を行い,若虫は水中で一年以上を過ごし,羽化して亜成虫となり,さらに脱皮して成虫となる。成虫の寿命は数時間から一週間ぐらいで,短命ではかないもののたとえにされる。日本にはヒラタカゲロウ・トビイロカゲロウなど約60種が知られる。ウスバカゲロウ・クサカゲロウなどはアミメカゲロウ目に属し,分類上は異なった種類。
[季] 秋。
〔陽炎(かげろう)のゆらめきを思わせる飛び方をするところからの名といわれる〕
トンボの古名。かぎろう。 〔和名抄〕

全く関係ない言葉というわけではないのですね。

「はかないもののたとえ」という共通点と、
とんぼも、古くは、「かげろう」と呼ばれていた。「秋津」他にも、「せいれい」という呼び名も聞いたことがあります。こちらも深いお話しがありそうですね。

とんぼって
不思議。

 http://kabegami.tank.jp/bug1/bug111/
↑フリー素材集

WEBより拝借




とんぼ 
細い棒に止まって休んで
少しまわりを確認して
前に前に進む ただひたすらに。

それもまっすぐな生き方ですね。

不器用かもしれませんが。




花とともに
KAMOE&ARNE

にしむらゆき子