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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

2021年度暫定倍率の感想と注意しなければならないこと。神奈川県公立高校入試情報

2020.11.27 05:19


神奈川県教育委員会から「進路希望調査」が発表になりました。


例年は一週間ぐらい早く出ている資料だったのですが、今年はコロナ対応もあってバタバタしていて遅くなったのかな。ちなみに昨年は、11/21に2020年度の暫定倍率についての記事を書いています。


今年度の動向がわかる有難い資料ですが、注意点もあります。気になる情報の中身より先に、まずはそこからお伝えしていきましょう。


【2021年2月更新】志願者倍率も出ました。



暫定倍率の注意点



暫定倍率とは、10月ごろに実施する進路希望アンケートをもとに抽出された各校の倍率データです。今の時点での人気投票みたいなものですね。


「これで本決まり」というわけではないので、どうしても人気校の倍率が高まる傾向があります。「行けるかどうかわからないけれど行きたいところ」に集中するわけですね。本番では「行けそうなところ」に人が流れるため、なかなかこうはなりません。


ここから倍率は、1月末の「志願者倍率」、2月頭の「志願変更締切時の倍率」、入試試験日の「学力検査受検者数倍率」、受検終了後の「最終倍率」と少なくとも4回出てきます。特に、今回の暫定倍率から1月末の「志願者倍率」の間は変動が大きいです。ちょっと例年のものを見てみましょう。



どうでしょう、暫定倍率から大きく変動がある(特に人気のあるところは)ことがわかりますでしょうか。


ですから、今回の結果で一喜一憂せず、あくまで参考程度に、今はまだ倍率が高ければその中で一番になってやろうという思いで勉強を進めましょう。倍率が2倍でも、2人に1人は合格です。1.5倍なら、3人に2人です。そっちに入ってやろうという強い気持ちが大切です。


志望校の最終決定のタイミングは、1月の模試後でいいと思います。そこまでは手を止めず頑張る。今回の暫定倍率は、その発奮材料にしましょう


よく知らないままモヤモヤするよりはちゃんと知って落ち着いて勉強したほうがいいと思い、毎年こういった説明を行なっています。以上が注意点でした。



暫定倍率の中身



まずは上記の全日制普通科から見ていきましょう。


まず目がいくのはやはり高倍率の高校ですよね。2倍を超える高校をちょっと列挙してみましょうか。人気投票結果みたいな感じでご覧ください。


横浜翠嵐高校  2.23

神奈川総合高校 2.60

横浜緑ヶ丘高校 2.35

金沢高校    2.14

新城高校    2.15

橘高校     2.30

多摩高校    2.11

上溝高校    2.41

相模原弥栄高校 2.01

鎌倉高校    2.20

湘南高校    2.23

藤沢西高校   2.06


やはり、高校人気ランキング上位の地域トップ校や人気校が多いですね。


湘南翠嵐の両トップ校の暫定倍率は2.23。昨年よりは落ち着いた数字となりました。どうでもいいですが、2.23は僕の誕生日でもあり、HOME個別指導塾の開塾日でもあります(本当にどうでもいい)。


それでは、次に専門学科や総合学科を見ていきましょう。



こちらも2倍を超える高倍率の高校を列挙していきたいと思います。


相模原弥栄高校(美術)   2.41

神奈川総合高校(舞台芸術) 3.77

みなと総合高校(総合)   2.55    


注目は、来年度開校の神奈川総合高校の舞台芸術科。定員が少ないこともあって、倍率が高まっていますね。また、みなと総合は横浜スタジアム近くにある特色豊かな学校。在校生や見学に行った子の感想を聞くと、みんな楽しそうです。倍率が高くなることも頷けます。


以下は、つらつらと感想を述べていきたいと思います。



暫定倍率を見ての感想



二極化


今回もやはり、人気高校とそうでないところの二極化は激しそうです。


人気校の顔ぶれを見ても、ただ単に「偏差値が高い」というわけではなくて、その高校の「魅力や特色がはっきりしている」高校が多いです。エッジが立っている感じですね。


これだけ価値観が多様になった時代ですから、不特定多数の誰かに向けた普通のメッセージではなくて、特定の誰かに「刺さる」メッセージが必要なのかもしれません。


人気校でない高校がそうなるためには、抜本的な改革が必要かもしれません。でも、魅力的な高校が増えることが、子ども達の為になりますね。ちなみに、各校の特色はかなチャンTVでも確認ができます。


また、授業料無償化などもあってか、私立高校の選択肢が増えたことも関係があるかもしれません。「公立はチャレンジでいい」ということが、人気校に志望が集まる理由の一つにもなるのでしょう。



昨年との比較(隔年現象は?)


神奈川県ではよく「隔年現象」という言葉を耳にします。


それは、昨年倍率が高かった学校が今年は下がり、昨年倍率が低かった学校が今年は上がるといった現象です。ただ近年、1月末の志願者倍率を見てもその現象は起きにくくなっている感がありますね。要は人気なところはずっと人気ということです。


近隣でその影響がありそうなのは、小田原高校や大和高校などでしょうか。ただ元々が人気校なので、今回も特段倍率が低いという感じにはならないでしょう。


どうやら隔年現象も二極化の影響があって、起きにくくなっているようですね。


また、これも例年同様、「真面目な学校」よりも「元気な学校」の方が人気が高い気がしています。下記は個人的に各高校を雰囲気別に分けた表ですが、どうでしょう、左側の方が人気な感じありませんか。



湘南藤沢鎌倉地域


最後に、塾のある湘南地域に絞って見ていきましょう。


まずはトップ校である湘南高校。例年通り、ここから下がっていくでしょう。1.8〜2倍ほどに落ち着くのではと思います。


鎌倉高校も下がっていくでしょうね。近隣の同レベル帯である平塚江南や茅ヶ崎北陵に流れる層も多いでしょう。ただ、鎌倉高校は「鎌倉高校じゃなきゃ嫌だ!」という方が非常に多い学校です。変動がどこまで起こるか予想しにくい学校ではあります。


茅ヶ崎北陵高校や大船高校や藤沢清流高校は苦戦しています。真面目な校風が影響しているのでしょうか。SOFTSの勢力図は大きく変わっている最中なのかもしれません。藤沢西高校の躍動がすごいですからね。新校舎の影響もあるのか、このまま七里ヶ浜・大船を抜き去りそうです。国際派の鶴嶺高校はここから、藤沢西高校や湘南台高校から流動があるでしょうか。


茅ヶ崎高校は今年も暫定倍率は高倍率。ただ、昨年(1.51→1.01)の例があります。深沢高校は募集定員減の影響もあるでしょうか。藤沢清流高校は悪い学校ではないのですが目立ちにくいんですよね。藤沢総合高校も毎年暫定倍率は高めです。この辺りはまだ変動があるでしょう。


茅ヶ崎西浜高校や寒川高校、藤沢工科高校は安定の定員割れ。これが続くと、魅力ある学校作りとはどんどん離れていきますよね。茅ヶ崎西浜高校はICTの活用にも力を入れています。例年最終的には倍率が立つので、ここから動きがあるでしょう。



まとめ



本日は「暫定倍率」についてのお話でした。


志望校の倍率、やっぱり気になりますよね。それが当たり前だと思います。ただし、前述の通り、倍率は水ものですから、気にしすぎも良くありません。この先の倍率がどうなるかは神様でもわかりません。知るべきことをきちんと知って、やれることをきちんとやっていきましょう。


受験で一番大切なのは、「不安や迷いと闘いながら一生懸命に頑張った」という経験です。それは今後の人生で活かせる大きな財産になるでしょう。


最後に改めて注意点を一つ。


倍率の高い低いで、その高校が「あなたにとっていい学校かどうか」はわかりません。自分の目で見て、感じて、納得する志望校選びをしてくださいね。


今年は定員がいっぱいで説明会になかなか参加できないという声もちらほら聞いています。そんな時は、近くに行ってみるだけでいいと思います。きっと感じるものがあるはずですよ。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

どうか素敵な受験になりますように。